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最初、強い薬に抵抗あった。食欲がなくなるのだ。
ただでさえ、食べないのに。
医師から、「何かあっても、簡単に来れないでしょう」と電話番号をいただいている。
医師ーはい。
岩本ーあの薬飲んで、食欲がなくなりました。元々、あまり食べる方ではないのですが。
医師ー薬、元に戻してみますか?それで、もう1種類の薬飲めますか?
岩本ー飲めると思います。
医師ー用意しておくので、いつでも取りに来てください。
岩本ーありがとうございます。
医師ー渡辺さんは?
岩本ー眠ってます。
医師ーお大事に。
岩本ーなるべく早く取りに行きます。
電話を切り、後ろを振り向く。
渡辺が腕を組んで立っている。
話は聞こえていた。
渡辺ーひかる、もらって来て?
岩本ーお前は?
渡辺ー寝てる。
岩本ー・・分かった。
渡辺ーアイスノンある?
岩本ーこら、熱あるな?
渡辺ーん〜ん。
岩本ー測ってみろ。
38.6度、よく普通にしてたものだ。
厚手の上着を着せ、病院へ。
看護ーあら?熱?
岩本ー38.6度あります。
看護ー寝てるって、先生から聞いたけど?
岩本ー起きてました。熱測ってみたら、高いんで連れて来ました。
看護ー渡辺さん、隠そうとしたんじゃない?
岩本ーはい。
看護ー岩本さんに、迷惑かけると思ったのね?
看護師さんには、お見通し。
渡辺は、横を向く、ちょっと赤い顔して。岩本は、「いつもの部屋」に渡辺を連れて行く。
渡辺は、寝てるか唸ってるか、で、「いつもの部屋」が分からない。
部屋に入って、岩本に後ろから抱きしめられる。
渡辺ーばか、病院!
岩本ー俺の、ことなんか気にしなくていい。翔太が元気になってくれたらいい。
渡辺ーひかる・・。
看護ーあら、ごめんなさい(笑)
渡辺ーあぁ、もぅ!
看護ー渡辺さん、熱上がりますよ?
渡辺ーもう、上がってます。
看護ーふふふ。はい、寝て腕出して?点滴するから。
岩本ー翔太、水買ってくる。
渡辺ーん。
看護ー優しいわね。
渡辺ーはぁ。
看護ー1時間くらいかかるから、また来ます。
渡辺ーはい。
ちょっと看護師さんの口調が砕けたように思う。
渡辺は、ホントに熱が上がった気がする。そこへ、岩本が戻ってきた。
渡辺ーお前!
岩本ーん?
渡辺ーバレバレじゃん!
岩本ーこの間な。
渡辺ー確信持って、口調が変わった!
岩本ー今まで、ファンの方って隠して俺たちのこと分かった上で、あの対応だ、ありがたく思う。
渡辺ーむ〜。
岩本は、感謝している。
患者のことは、言えないにしても、おいしすぎる話だ。黙って、プロの対応にありがたいとしか言えない。渡辺は恥ずかしいだけ。岩本と同じく感謝している。
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