テラーノベル
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この物語は全て架空の創作物です。
政治的意図が無いこと、または拙い文章であることを予めご了承下さい。
🇫🇷『ほら、出来たわよ。』
数分後、フランスがパフェを持って戻って来た。
テーブルに置かれたソレは逆写真詐欺とも言えるくらいの大きさで、
下から順にイチゴのソース、
イチゴの果肉、
バニラアイスクリーム、
生クリーム、
さらにイチゴの果肉、
練乳、
ポッキーと花火が突き刺さっている。
うわ〜………
頭悪そうな食べ物………。
🇨🇳『頭悪そうな食べ物だな〜。』
🇫🇷『黙りなさい。』
中国も私と同じ事を思っていたみたいだ。
🇫🇷『私だって作りたくてこんな物作ってないわ。』
🇨🇳『自分の店の商品をこんな物扱いするなよ…。』
🇫🇷『良いのよ。』
🇫🇷『こんなメニュー作ったの私じゃないし。』
🇯🇵『どういうことですか?』
🇫🇷『………最近、写真ばかり撮って食べ物に一切手を付けない輩が増えてんのよ。』
🇫🇷『この店、アフタヌーンティーのお菓子がコンセプトだから結構量があるし「もう食べられない〜」とか何とか言って。』
🇫🇷『そのパフェ見たら分かるでしょ?』
確かに普通の店の物より何倍も大きい。
🇨🇳『でもメニューにはスゲェデカいみたいなこと書いてあったよな?』
🇨🇳『コレが特別デカいだけじゃないのか?』
🇫🇷『違うわ、全部それくらいの大きさなのよ。』
🇫🇷『メニュー全部にデカ盛りって書いてあったでしょ?』
🇨🇳『一番最初に目に止まった物注文したからパフェ以外のメニュー見てない。』
🇫🇷『……はぁ。』
🇫🇷『そういう事だからわざと量多くしてんのよ。』
🇫🇷『食べきれなかったら3倍の値段請求して食べ残しトレーに入れて持ち帰らせてるわ。』
私のところでもコラボカフェやらで写真やグッズだけが目的になり、
食べ物を残す人が後を絶たなかった。
だから、
良いアイディアだと思った。
ただ……
🇯🇵『わざと量を多くする必要は無くないですか?』
🇨🇳『確かに。』
🇨🇳『元々の量が多いから残されてるってのも有るんじゃないのか?』
🇫🇷『私も最初そう思ったんだけど……』
🇫🇷『上の人が……』
『「だって量減らしたら、お客さんにがっかりされちゃうかもじゃん!?」
「クチコミに星1付けられちゃうじゃん!?」って…。』
🇫🇷『減らすの嫌がるのよ。』
🇫🇷『しかも「量を多くしたらお客さんもっと来てくれると思わないかい?!」とか言って。』
🇨🇳『だからこんな事になってんのか。』
🇫🇷『そうよ。』
🇫🇷『まぁ、元々の量が多かったら、そもそも頼もうとする奴も減るしね。』
🇫🇷『だから一概に悪い話とも思ってないわ。』
🇫🇷『それに、量あるから恋人や友達と来るのが良いってクチコミとかで広がったから
今は大分残す奴も居なくなったしね。』
🇨🇳『だったら最近とか言うなや。』
🇯🇵『考えてみればフランスさん、
こんな盛り付け方しませんもんね。』
🇨🇳『言われてみれば。』
🇫🇷『良くそんなとこ気付いたわね……。』
褒めたつもりだが若干引かれた。
悲しい。
🇨🇳『というかお前、こんなとこで俺等と立ち話してて良いのか?』
🇨🇳『まだシフト中だろ?』
🇫🇷『良いのよ誰も見しないし。』
🇫🇷『客もあんたらだけだし、もう上がるところだったしね。』
気付けば他の客が居なかった。
時間帯が時間帯だが、人気店なのになんでこんなに過疎ってるんだ。
そんな事を思った時、
🇨🇳『んじゃ、一緒に帰ろうぜ。』
🇫🇷『…はぁ?』
フランスは少し目を丸くした後、
呆れた顔をした。
🇫🇷『あんた今デート中なのに堂々と他の女を誘うだなんて、いい趣味してるわね。 』
🇨🇳『下校一つでなんでこんなに修羅場と化してんだよ……。』
🇨🇳『別に深い意味は無いぜ?』
🇨🇳『どうやらこのデートの行為も、俺の片思いみたいだしな。』
🇨🇳『なぁ?日本。』
……分かっていて言ってる。
私の気持ちも、本当に言いたいことも。
🇯🇵『……別に、』
🇯🇵『片思いなんかじゃないって分かってるくせに………//。』
思わず声が震えて小さくなった。
きっと私の顔は真っ赤になっている。
🇨🇳『悪い悪い、』
『ちっとからかい過ぎちまった♡』
……………フンッ。
🇫🇷『ぁ゙ぁ゙!、…甘ったるい雰囲気!!』
『胃もたれしそうだわ…………。』
フランスの顔がげっそり(ヽ´ω`)していった。
🇫🇷『人前で何処でもイチャつくの止めなさいよね……。』
🇨🇳『すまんこったパンナコッタ。』
🇫🇷『ふざけてんのか。』
フランスの顔がますますコケていった。
🇨🇳『まぁまぁ良いだろ。』
🇨🇳『それに、この時間なら〈あいつ〉と八合わせるかもだぜ?』
🇫🇷『!!』
フランスは目を丸くした。
🇫🇷『……まぁ、それなら。』
🇨🇳『よっしゃ!』
🇨🇳『丁度俺もあいつに用があったし良かったよ。』
🇫🇷『………あんた私をダシに使う気ね?』
確かに、
フランスの彼は、あまり中国と折り合いが良くない。
気分が悪ければ適当にあしらわれる可能性があった。
その為のフランスという事なのだろう。
🇨🇳『ナンノコトデショー?』
🇫🇷『はぁ…まぁ良いわよ、もう何でも。』
🇫🇷『それよりあんたら、いい加減パフェ食べないさよ。』
気づくとパフェが溶け始めて容器から溢れ始めていた。
🇯🇵『わわっ!早く食べちゃわなきゃ!』
🇨🇳『フランス、お前も手伝え!』
🇫🇷『ええ…。』
3人でパフェを一斉に口へ運んだ。
🇯🇵🇨🇳🇫🇷『!!!』
🇯🇵🇨🇳🇫🇷『美味し〜(≧▽≦)!』
流石は名店!
甘さと酸味のバランスが良く、
くどくもないから食べやすい。
フルーツもとっっっても甘い!
🇯🇵『ぬわぁ〜♡』
思わず変な声が出た。
中国はというと、さっきから無言でバクバク食べ続けている。
🇫🇷『流石私ね。天才と言わざるおえないわ。』
🇯🇵『ホントに天才ですよフランスさ〜ん。』
🇫🇷『ふふっ、あんたらのお墨付きが貰えればもっと自信が湧いてくるわね。』
🇫🇷『あんたたちの舌はアタシと引けを取らないもの。』
確かに此処にいる私含めた3カ国は、全員
〈ご飯が美味しい国〉と言われたら
必ず名前が挙がる国だ。
料理という点ではある種信頼されているのだろう。
🇫🇷『ふぅ…。』
🇫🇷『それじゃ、準備済ませて来るから少し待ってなさい。』
🇯🇵🇨🇳『は〜い。』
食べ終わって数分が経った頃、
フランスが帰る準備をする為に席を立った。
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