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#創作
ゆずき
246
160
耀聖(ようせい)
725
#ロマンスファンタジー
花月夜れん
456
ジェニと竜馬は、ミシガン湖の畔の広大な高級住宅街「ロイヤルタウン」の最奥にある、灰色のヨーロッパ風の邸宅の前にハーレーを停めた
竜馬はゲートの電子キーに慣れた手つきでパスコードを入れた、するとゲートが重々しくゆっくりと開き、広く舗装された道を通って正面玄関にハーレーを停めた
「わぁ・・・うちと比べ物にならない・・・」
ジェニは目の前の美しい邸宅をほれぼれと眺めた
「日本に来る前に、この家を購入したんだ・・・今はウェンディの旦那が管理してくれてる」
竜馬は片手をジェニの背中に添え、正面玄関へといざなった
「じゃぁ・・・ここはジャスティンのお屋敷で・・・今は竜馬さんのものなのね?」
ジェニは尋ねつつ、ひんやりとした大理石の玄関広間に足を踏み入れた、広間にはジャスティンがいた頃のままで、家具も絵画もすべてそのままになっていた
二人はキッチンが隣接されたリビングに入っていった、ジェニは歓声を上げて幅6メートルほどもある、天井の透かし彫りを眺めようと、顔をずっと上に向けていた
「一人で来るには・・・ここはあまりにも思い出がありすぎてね・・・かといって誰かの手に渡らせるのも嫌だったんだ」
竜馬は少し照れくさそうに言った
「ずっと・・・ホテル暮らしもどうかと思ってさ・・・僕の耳の手術もあるし、当分の間はここで暮らしたら・・・でも・・・君が嫌なら当然ホテルでも全然いいよ・・・」
やっと二人きりになれたとばかりに竜馬がジェニを抱き寄せた、竜馬は身をかがめジェニの鼻をくっつけ、唇を重ねようとした
「僕は君とこういうことが出来れば、どこでもいいんだけど・・・」
ところがジェニは竜馬がすでに硬くなったモノを押し付けようとする前に、さっと離れた、肩透かしをくらって唇を尖らす竜馬をその場に残して、ジェニがいたずらっぽく微笑んだ
「屋敷の中を案内してくださる?隅々まで!知っておく必要があるわ!」
ジャスティン邸は驚くほど魅力にあふれていた、部屋の多くは楕円形で、どの部屋もなだらかな出窓が設置されている、いくつかの部屋では珍しい調度品も飾られ、品が良く、ジャスティンのセンスが伺えた
特に二階の中央のパステルカラーの壁紙の部屋はとても素敵だった、この部屋だけ、ふかふかのフランス製の分厚い絨毯が敷かれていて歩いていても心地が良い
「決めたわ!ここにする!」
ジェニは竜馬の前で立ち止まった
「何を?」
ジェニは部屋の中央でくるくる回った
「子供部屋よ!私たちの子供!」
竜馬が驚いて目を見開いた、ジェニは何か企んでいるのか、目をいたずらっぽく輝かせている
「いつ渡そうか・・・迷ってたんだけど・・・」
ジェニが小さなラッピングした箱を取り出し、竜馬に恭しく両手で差し出した
クス・・・・「プレゼント?今ここで?」
ジェニが何を考えているのかまったく想像がつかない、竜馬はわくわくして、ラッピングについている赤いリボンをほどいた
「なんだ?これ?」
箱を開けると思いがけないものが入っていた、いったいこれが何なのか想像もつかない、竜馬は細長いピンクのスティックを手に取って窓の明かりに照らしてマジマジと見た
そのスティック状の、ものの真ん中に、赤い線が入っている
「昨日ドラッグストアで買ったの、それは妊娠検査薬よ」
妊娠検査薬?・・・・竜馬はただじっとそのスティツクを見つめていた、思考が全然追い付かない
「真ん中に赤い線があるでしょ?」
「う・・・うん・・・これは?どういうこと?」
検査薬の反応で・・・・赤い線があることが重要なのかな?・・・・そこでハッとした
「まさか!!!」
「そう!そのまさかよ!!おめでとう!パパ!!」
二人は同時に向き合って大声で叫んだ!!
うぉ~~っっ!!「マジか?本当に???」
キャハハハッ「ええ!本当よ!」
竜馬はジェニを抱き上げ、くるくる回った、ジェニも竜馬の肩に手を置いてのけぞり、天を仰いで笑った
「ずっと私は健康優良児だったわ、風邪なんかも滅多にひかないの、初潮が来た時から毎月月初めにはピタっと来るの・・・遅れたことなど今までなかったわ、でも・・・アメリカに来て遅れてるのに気づいたの」
「そ・・・それじゃ・・・」
「うん・・・まだはっきりとは病院に行ってみないとわからないけど、私・・・妊娠してるわ」
やっと落ち着いた竜馬がジェニを降ろして少し離れて、顔をマジマジと眺めた
「私・・・もし妊娠していたら、あなたとこの家で子供を育てたい」
竜馬はジェニの言葉にとても驚いた、この家は竜馬の耳の治療の間の仮住まいと考えていたからだ
「でも・・・君は・・・てっきり日本へ帰って、メビウスの広告マーケティング部で今まで通り働くものだと・・・」
ジェニが茶色い瞳をキラキラさせているのを見、彼女が本気である事がわかった
「それも、今までは大事だと思っていたけど、私は高校生の頃から中堅のサラリーマンのようにがむしゃらに働いていたのよ、これからは、あなたとあなたの子供達のために生きたいわ」
ずっと考えていたことをやっと言えたとばかりに、ジェニが微笑んだ
「この街に来た瞬間から大好きになったわ、ここなら子供を育てるのにとても良い環境だと思うの、沢山の子供達と犬と毎日ワイワイ暮らすの・・・・あなたのほうこそ・・・・メビウスは?」
唖然とジェニの顔を見ている竜馬に少し不安になって上目遣いで竜馬を見る、竜馬がなにもかもすっきりしたとばかりに言う
「僕も・・・これまでずいぶん長い時間・・・・メビウスに人生を捧げて来た、これからは僕がいなくても宗一郎達がやってくれるよ」
ジェニは思った・・・・これまでに培った権力を放棄するのは彼にとってたやすいことではないはずだ、ジャスティンが亡くなってからの彼は「堅物」や「首切り屋」と呼ばれ、信じられないくらい生真面目な男性だった
めったに微笑むことも、笑うこともなかった、それが今では大いに笑い、大いに冗談を言い、ちゃめっ気たっぷりに人をからかう魅力的な人物になった
彼の表情を見れば将来についてちっとも、不安は抱いていないようだった
「竜馬さんさえ・・・よかったら・・・ジャスティンの家で私たちの子供を育てたい」
しばらく固まっていた竜馬が、やがてそっとジェニの手を取り、にっこり微笑んだ
「うん・・・そうだね・・・ここは子育てには最高の環境だよ、僕は子供達には一流の環境と教育を与えてあげたい」
ゆっくり二人は見つめあいながら近づき・・・両手をしっかり握り合った
「僕たちはここに根をはろう・・・ジャスティンの家で僕たちの子供を育てよう・・・とっても嬉しいよ・・・」
やがて二人の唇が重なり、いつもの熱い情熱が二人を包んだ
ジェニが口を開けて竜馬を迎え入れる・・・竜馬がジェニの腰を抱き、自分の硬くなったモノを押し付ける
ジェニが竜馬の腰をもっと、とばかりに引き寄せ、片足を巻き付けた、ふいにジェニが頬を染め、唇を離した
「そうだ・・・カモメは?・・・まだ見てないわ?行かないの?」
竜馬はハハハッと笑った
「ここに住むならアイツらと共存して生きていかないと、いつでも見れるよ、特に朝方に行くと「ここは本当に地球か?カモメの惑星じゃないのか?」と思えるくらいさ」
コツンとおでこをひっつける
「それより今はこっちのほうが大事」
「うん・・・」
二人は唇を重ねると同時に服を脱いだ
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コメント
1件
わあ、第226話、一気に読み終えました!ジェニが竜馬の耳の手術のためについて来る流れから、まさかこんな展開が待っているとは…妊娠検査薬のプレゼントには本当に驚きました。二人が「ここに根をはろう」と決めるシーンが特に心に残っています。ジャスティンの家で子供を育てる、という選択が、過去を乗り越えて未来を向く決意に感じられて。ずっと堅物だった竜馬が笑顔を見せるようになった変化も素敵でした。二人の新しい生活、応援したくなります!