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金久保→「 」

ーーーーーー


もう何回目なんだろう。

1人居なくなったら…また1人居なくなってしまうこの世界………いや、この職業……。

つい最近、1人が居なくなったと報告を受けたばかりだ……、、

今回は2人、どちらも同期だ。

そのうちの1人は同じ刑務所で働いていた。

オレンジ色の瞳が特徴だった貴方は看守長と2つの犯罪集団のボスをやって居た。

だが、そんな貴方を恨む事は出来なかった。最後まで…

貴方は犯罪を犯した。普通なら俺は貴方を捕まえる立場に居なくてはならない。

だが、自分でもわからない感情が貴方を捕まえる事を拒否して居た……。

もう捕まえることもどうでも良くなって来て…とりあえず貴方の存在を考えるだけで精一杯だった。

そんなずるずる引きずって居た感情は崩壊する事はなく、今日まで続いてる。

なのに涙は出て来ない。感情があるとはいえ、所詮その程度だったのだろう。その筈なのに…胸が締め付けられる…そんな感じがする。

所詮この程度の感情なはずなのにずっと貴方の事で頭の中が支配されている……。

他の事は何も考えられない……………。

確かに前から不自然だと思う事はあった。

気づかない内に貴方の写真が自分の部屋に壁いっぱいに貼ってあった事、自分のスマホに大量の貴方の声を録音したフォルダ。

いつ撮ったのかと疑問に思ったが、それと同時に僅かな恐怖を覚えた。誰かの仕業なのか…それとも、俺が無意識のうちにやってしまったのかは分からないが………………………


怖い。辛い。怖い、怖い、怖い。


感情が今になってどっと溢れ出して来た。他の人から見た俺はその時、物凄く顔色が悪く、怯えている表情だったと言う………

感情と同時に……頭の中で記憶がフラッシュバックした。


「…………思い…………出した…………」


忘れて居た記憶。それは…………


“自分が異常な程に貴方に恋愛感情を抱いて居た事。”


それなら、さっき言った不自然な事と辻褄が合う。


「そうか…………全て………俺が…………」


気がついて欲しくなかった。


恋愛感情が暴走して居た。これは言い訳も出来ない事実だ。。何故なら証拠が全て揃っているから。


だから訳の分からない感情が自分を支配して居たのかと納得はしたが、それよりも恐怖と悲しみが勝ってしまった。

涙を出しながら震える体、すくむ足、まるで恐怖のどん底に堕とされたような感覚だ。



数分後。体の震えも足のすくみも落ち着いた。


もう一度スマホのロックを解除し、録音フォルダと写真フォルダを見返した。


声を聞く度に、貴方の写真を見る度に、収まっていた恋愛感情が昂ってくる。

もう、こうなってしまったらもう一度抑える事は不可能だろう。


「飯塚は居なくなっていない………ずーっと俺と一緒だからな………♡」

   

       

                             ーFinー





看守達の短編集!

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