注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・軍パロです。
・主のワールドが展開されているので、謎設定豊富です。
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初めに。
この世界では、少し特殊な生き物と、人間が共に生活をしています。
特殊…というのは差別に当たるので、ここでは”折り紙人間”と言いましょう。
折り紙人間は、その名の通り、折り紙で出来ています。
それは、人間の身体から生まれる生命で生きているのではなく、1枚の紙、折り紙に自分の想いを込めると、稀に生まれるというものです。
手順は簡単。
ただ、1枚の折り紙を用意するだけです。
まあ、そこからが難しいのだけれども。
満月の夜、月明かりに折り紙を照らしながら願いを込めます。
例を言えば、「誰かに話を聞いてもらいたい」、「守りたいと思えるような存在が欲しい」などです。
そう、折り紙に願うと、稀に。
本当に稀に。
その折り紙が、月明かりで折られ、人間になるのです。
見た目は紙ではなく、立派な人間になります。
知らない人から見れば、折り紙人間だと分からないほどに。
性格や、外見は願いの内容で異なります。
折り紙人間には寿命がありません。
ただ、紙なので水に弱いのです。
水、といっても海水や水道水は大丈夫なのです。
駄目なのは、涙です。
波を流せば、身体の内側から染みていき、最期には破れてバラバラになってしまうのです。
折り紙人間は、基本的に願いを込めた人間に忠実になります。
ご主人様と下僕のような立場になります。
なので、ご主人様が亡くなってしまうと、涙を流し、共に亡くなってしまう…という事例が沢山あります。
さて、説明はここら辺で終わりにします。
そんな世界に、舞い降りた彼。
その名を ci と言います。
ciの、頑張る姿を見守りましょう。
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あれは確か…満月の夜の事だった。
書斎で見かけた”折り紙人間の産み方”という本に興味を持ち、今、まさにやろうとしている。
満月の月明かりが当たるベランダにテーブルを置き、その上に橙色の折り紙をぽとんと置いた。
そして、その折り紙に手を当てながらこう願ってみたんだ。
「自分達を救える、太陽のような存在をください」
すると、サラッとした折り紙は、ぽふぽふという触り心地になっていた。
目を開けると、そこには青年がいた。
背が高く、狐のように細い目をしていた。
そして、水色の髪の毛がぽふぽふの正体だった。
彼に、ci
という名をつけた。
それから、ciにここにいる人は皆家族だと教えてやった。
そうすると、ciはまるで末っ子のように懐いてくれた。
折り紙だったとは思えない。
ただ、やはり願いが込められているようで、相談相手にもなってくれた。
末っ子感が無くなり、今度は先生のように優しくなった。
にこりと微笑むと、狐のような目がさらに細くなった。
gr「おはよう。朝だぞ。」
布団に丸まって寝ているciの頬を撫でる。
そうするとぱちりと目が開いて、へにゃりと笑う。
ci「おはよお…」
てっきり、ご主人様と下僕のような関係…と本に書いていたものだから、こんな風に可愛らしい存在になるとは思っていなかった。
ci「gr…今日は、また会議あるん…?」
gr「ああ。だが安心したまえ。午後は休暇を入れてある。」
ci「…ほんとっ!?ほんとやんなっ!?」
gr「本当だ。一緒にお昼寝でもしようじゃないか。」
おっと、自己紹介が遅れたか。
私の名前は、grだ。W国の総統という立場の者だ。
気づくだろうか。私は軍人という危ない生き方をしている。
そんな私のそばに、ciを置かせていると不安で仕方ないだろう?
だから、せめてと、彼は幹部や一般兵に入れさせていない。
あくまで、彼は家族だ。
gr「じゃあな。大人しくしていろよ。」
ci「はぁい!!」
ciに手を振って、自室を出る。
…正直、一緒に戦いたいとも思うけどな。
これは、内緒だぞ。
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zm「ふん♪ふんふん♪」
ダクトを通って、愛しき弟の元へ行く。
ガチャッと隙間から彼を見る。
彼はわたわたと勉強をしていた。
見ると、それは平仮名の練習であった。
本当に可愛いな。
zm「ちっす!!」
ci「おわっ!?」
zm「平仮名の練習してんの?えらいなあ!!」
わしゃわしゃとその頭を撫でる。
頬が微かに赤くなっていた。照れているな。
そんな状況を見れば、きっと俺が頼りがいのある兄で、ciが可愛らしい弟…と思われるだろう。
まあ、兄と弟…は合っているとして。
俺は昨夜、ciに相談事をしていた。
内容は…少し言いたくないけど。
夜、ciの部屋に忍び込んで、布団に入ってciに抱きついて泣いていた。
ちゃんと気づいてくれて、ciは俺を撫でてくれた。
そして、俺の話をずっとずっと聞いてくれたんだ。
だから、本当は頼りがいのない兄と、先生みたいな弟…が良いのだろうか。
zm「…、」
ci「zm?…顔色悪いよ、?」
zm「すまん。ちょっとした考え事。」
ci「ほんま?昨日みたいに溜め込んだからアカンよ。」
zm「はいはーい。」
zmはぼふっとciのベットに座った。
ぼーっと、ぽふぽふの頭を見ていた。
ci「そういえば、grが会議言うてたけど、zmは行かんでええの…?」
会議…?
zm「あ”ーーーーーッッッ!!!!!!!!」
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gr「ci、昼飯だぞ。」
ci「…んぇ…?あぁ、おひるぅ、」
gr「ふふ、眠いのか?仕方ないな…。」
ciはいつの間にか寝ていたようだ。
机を見ると、ノートにびっしりと平仮名の単語が並んでいた。練習していたのだろう。
偉いな。
ciを抱き上げて、肩に頭を乗せる。
そして、食堂に向かった。
途中で、ふわりとciの髪の毛が首に触れた。
また寝てしまったのだろう。
仕方ない。少し経ったら起こそう。
廊下を歩いていると、頭にタンコブを目立たせたzmと会った。
フード被っていても目立つ、tnのゲンコツの威力よ。考えると背筋が凍るねえ…。
まあ、会議に遅れたzmが悪いんだけどな。
tn、徹夜続きで最近ピリってるもんなあ。
また、ciに話でも聞いてもらえばいいな。
なんて、考えながら食堂に着く。
席に付き、自分の膝にciを乗せた。
まだ寝ているので、もう少しだけ寝かせよう。
sho「あー。grズルっ…俺もciと遊びたーい。」
ut「shoちゃんに賛成。ciと遊びたい!!」
kn「分かるで〜!!でも、ut先生は書類…」
ut「今記憶から抹消したから何も分からない。」
tn「また教えこまなアカンな?」
ut「ひぇッッッ…」
ワチャワチャと盛り上がる食堂。
その音で、ciは目を覚ました。
ci「んぁ…また、ねてもぉた、」
gr「大丈夫だぞ。」
ciを膝から下ろし、席に座らせる。
そして、ようやく食事の時間だ。
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tn「あ”ー…ci、今日ええか?」
重たい瞼を必死に開けてciに問う。
後ろではgrがこちらを見ていた。
ci「…今からにしよう?辛そうや…。」
tn「いや、まだやる事あるから。夜でええ。」
ci「だめ。」
ciに腕を引っ張られ、連れていかれる。
抵抗ならいくらでも出来るのだが…。
ciの自室のベットに寝かされる。
ぽんぽんとお腹を撫でられ。
ci「偉い偉い。tnは毎日頑張っとって凄いわ。」
「だから、休憩しよう。俺、tnに笑顔でいて欲しいねん。」
tn「…ほんま、疲れたわ。ダルい作業ばっかでさ。書類提出遅れるし、内ゲバも起きるし。」
「ほんま辛いわ。もうやめてやりたい。」
ciの手を取って、話す。
ciはうんうんと聞いてくれた。
ci「俺、tnの辛さは分からんけど、その頑張りは、俺に伝わったよ。」
「だからね、もう休んでもいいんだよ。」
あー。
末っ子にこんなことされてる俺情けねえ。
なんて思いながらも、段々と意識が薄れていく。
ああ、俺、やっと眠れるんだな。
ciの笑顔が最後まで映っていた。
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gr「…ci、」
静かになった自室の扉を開ける。
そこには、眠っているtnと、そのtnを撫でているciの姿があった。
ci「今寝たよ…でも、手離してくれへんねん。」
tnの左手には、がっちりとciの右手が握られていた。
tnの事だ。離せばすぐに起きるのだろう。
仕方なく、私もciの隣に座った。
ci「クマ、無くなるとええなあ。」
gr「無くなるさ。ciの存在に照らされれば影もできん。」
ci「…?」
要するに、ciは太陽のような存在だから、tnを明るくすることが出来るぞ…という意味だ。
ciは、分からずこちらをきょとんと見ている。
ci「grは大丈夫なん?元気?」
gr「私は最近甘味を入れたからな。元気そのものだ。」
ci「食べすぎちゃアカンよ。太ってまう。」
gr「もう遅いけどな。」
ci「ありゃ。」
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こんにちは。
いや、こんばんはの方がいいのかな。
俺の名前はci。
いい名前でしょう?grが付けてくれたんだ。
俺は、折り紙人間だ。折り紙に込められた、grの想いで出来たんだ。
信じられないよね。俺も、信じられないよ。
ここにいるのは、俺の家族。大切な人。
俺は、そんな家族と色んなことを知るのが夢。
皆、大きな悩みを持っている。
辛いとか、悲しいとか。
俺は、その話を聞いて慰めてやるんだ。
それが、grの願いらしい。
でもね。
俺の話も聞いて欲しいなって、たまに思う。
俺だって、1人は寂しいし、疲れたら辛い。
だから、本当は俺も皆に相談したい。
でも、俺は皆の話を聞くのが仕事。
生きがいなんだよね。
夜、皆は書類という仕事をやっている。
邪魔はしたらいけないから、俺は1人、部屋で待っている。
ノートで勉強もしてね、絵を描いたりね。
皆に褒めて欲しいんだ。
shp「ci、今ええか?」
あ、shpだ。…また暗い顔してるや。
俺にだけ見せる顔。
そんなの、俺だって辛いよ。
溜め込むのはやめて欲しいのに、こんな顔、ずっと見ているのは俺も辛い。
そんなことを言う訳にもいかず、俺はshpの前に行った。
ci「どうしたん?何があったの?」
shp「…クソ先輩。」
ci「ああ…あれね。おいで。話そう?」
shp「…はぁ。ciッ、、、、ぐすっ、」
俺に抱き着いて泣いてしまった。
そんなshpを擦ることしかできない。
涙。
綺麗な色とりどりの瞳からぽつりと落ちる物。
瞳には人それぞれ、色があるのに、涙の色は皆一緒。
綺麗な、ダイヤモンドみたいに光る水。
でも、そんな綺麗な涙は、辛い時に出るのだろう。
俺が、皆の話を聞いていると、皆が流していた。
だから、きっとそうなんだ。
俺も、辛くなったら泣いちゃうのかな。
綺麗な涙、流れるのかな。
ちゃんと、皆と同じように、ダイヤモンドみたいに。
shpの頬を流れる涙を指で拭う。
shpは俺の身体を抱き寄せた。
ああ。
本当に俺は皆を幸せに出来ているのかな。
出来ていたとして、これで俺も幸せになれるのかな。
皆には笑顔でいて欲しい。それは本当。
でも、俺には荷が重いもので。
相談される日が増える度、俺の想いも重くなる。
あーあ。これでいいのかな。
我慢すればいいのかな。
そうだよね。gr。
───────────
gr「ん?」
突然、utがやってきた。
tnが書類と言おうとしたら、utは話し出した。
ut「最近、ciの様子がおかしいと思うねん。」
gr「…具体的には?」
ut「悲しそうな顔をするんよ。ぼーっとしとる時間も多い気がして。」
utはガタリと机に腰をかけた。
tnの顔を見ると、クマがないことに気がついた。
ut「…ほら、あいつ人の話聞いてばっかやん。」
「たまには、あいつの話も聞いてやったら?」
tn「…まあ、確かにそうだな。」
ut「今から皆呼んで、ciを甘やかそうの会しん?」
utのその名案にtnと同時に頷き、インカムで皆を呼ぶ。
そして、大きなパイを作って、ciの自室に向かうことにした。
るんるんと歩きながら、ciの自室が近づいていく。
ガチャリ。
gr「ci!!今いい………、、、。」
部屋に、彼の姿は無かった。
代わりに、ぐちゃぐちゃに破れた、橙色の折り紙が、ぱらぱらとベットの上に落ちていた。
持っていたパイを思わず床に落とす。
gr「…、ci、?」
その折り紙は、びちゃびちゃに濡れていた。
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あれから、満月の夜に再び、折り紙を用意した。
橙色の折り紙を月明かりに照らして。
泣きながらも、折り紙に手を当ててこう願った。
「ciを抱き締めさせてください」
目を開けても、折り紙が変わることは無かった。
俺は、彼をどれだけ傷つけてしまったのだろう。
ああ…ええと。お、終わりです…。
ははは。なんて謎作品なんでしょう。
これ、なんにも伝わらないですよねww
いやあ…。😟
ううう。
コメント
22件
悲しい気持ちになった、、、、 自分の分を補ってくれる分、相手の分も補わないと 五分五分にならない、1人に負担がかかるしね、、
これは神作品すぎる😇✨💕 折り紙人間も人間だもんね… ここちゃんほんとに文考える力がすごい✨️ 最後のgrさんの願いが叶うといいな… 設定とか諸々考えられるのがすごすぎる✨️