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私はごく普通の家で育った 。
お母さんの体は少し弱かったけどね 。
家族と暖かいご飯を食べて、一緒に遊んだりして、学校に行かせてもらったりして……
でも、そんな“普通“が変わったのは、私が14の頃だった。
私が寝ようと、1人寝床に着いた時。
父が私の部屋の扉を開けて 、
「お母さんの為にお父さんといいことしよう」ってね。
私は体が動かなかった。
私と一緒に遊んで、私を愛してくれていたお父さんが。
私は思った。これは愛じゃない、と。
私が16の頃、火災が起きた。
その時私は大好きな友達がいた 。
名前は「黄蘭」。とてもいい子だった 。
私が怒ってても泣いてても喜んでても、ずっとずっと一緒に居てくれた。
私と黄蘭はその時あるビルにいたから…、ヘリで救助が来た。
黄蘭は私の階の1つ下だから、私は黄蘭の階まで階段を降りていった 。
私と黄蘭は、急いでヘリが待ち受ける屋上に向かった。
その途中、黄蘭は私に言った。
「 藍、私が先に死んじゃったら私の…夢を、叶えて欲しい。 」
…黄蘭が言っていた夢、それは
『 世界を愛でいっぱいにすること 』 。
私と黄蘭は約束して、ヘリに向かった。
ヘリはまだ乗れる状態だった。
でも、屋上に続く階段が壊れかけていた。
黄蘭がその階段に足を運ぶと、階段が黄蘭ごと落ちてしまった。
私はヘリの運転士に黄蘭を助けてと訴えかけた。
私の願いは叶わなかった。黄蘭は…初めて私に愛を教えてくれた人だったのに。
それから私は、1人で街を回って、色んな人に愛を聞き出した。
そこである人の愛を聞いて…、黄蘭に似ている愛を聞いて……その人についていった。
それからはその人の言うことを聞いている。
だって…それはその人の愛……私と黄蘭の約束を果たすための第1歩だったはずだから。