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あと、ガンツな。
あいつがデレクの町に来たのが、たしか俺が代官になった翌年だったとおもう。
なんでも王都で入植の希望を出しながら、知り合いの鍛冶屋を手伝っていたとかなんとか。
ガンツが名の通った鍛冶職人だったことから、割と早くに入植の許可が下りたらしい。
今は近くに住んでいるので、よく一緒に酒を呑んだりもしている。
「お互い何年経っても変わんねぇーなぁ」
昨日も呑みながらそんなことを言ってたよ。
ホントに変わんないよドワーフ。 歳いくつだよ!
今だに知らないのだ。今さら恐くて聞けないまである。
鑑定すればすぐにわかるが、友には使いたくないだろ。
約束だった剣も打ってくれたぞ。
実に素晴らしい出来だ。
鑑定すると、
”ミスリル超合金バスターソード:ミスリル複合量30%:A+:製作者・ガンツ”
重さといいバランスといい最高の一品だ!
まあ、ガンツのオーダーメイドだからね、さもありなん。
そしてアーツ。
この前、久しぶりに会ったが元気にしていたようだ。
あれから数回、モンソロのスラムから子供たちを引き受けている。
モンソロ教会の方も積極的に孤児院へ収容してくれているようだが、どうしてもあぶれる子供は出てくるんだよな。
そしてこちら、デレクの孤児院では、成人した子たちがどんどん町に出て働いたり冒険者になったりしている。
孤児院でやってる屋台も今では5台を数え、町中やダンジョンへの参道などに出店している。
ひとつの屋台に子供たち5人と、熊人族のヘルパーさんが一人付いてもらっている感じだな。
冒険者の数は多いが町の治安が良いせいか、トラブルも少ないようだ。
それでも、流れ者がはいった時なんかは揉めたりもするのだが……。
近くには邸 (うち) の影が一般人に扮して屋台や露店を出しているのでトラブル対策も万全である。
それから……、そうそうマクベさんな。
転生直後はさんざんお世話になったモンソロの町の商人である。
町で店をかまえる傍ら、行商人としても近くの村をまわっている。
ダンジョン・サラが稼働を開始してからは大忙しなのだとか。
このダンジョン・サラのまわりには既に小さな町 (村) ができており賑わっているらしいが、
モンソロから半日程の距離なので飛地のような扱いになっているそうだ。
なんでも、マクベさんは冒険者ギルドからの要請でミスリル鉱石の専売を任されているらしいのだ。
うんうん、ガンバさんは確り約束は守ってくれたようだね。
(ガンバさんはモンソロの町にある冒険者ギルドのギルドマスターです)
そして俺のステータスがこちら、
ゲン・ツーハイム Lv.37
年齢 27
状態 通常
【従魔】 シロ(フェンリル)
HP 206⁄207
MP 315⁄318
筋力 153
防御 142
魔防 162
敏捷 131
器用 114
知力 194
【特殊スキル】 時空間魔法(U) 身体頑強 状態異常耐性 ダンジョンマップ
【スキル】 鑑定(7) 魔法適性(全) 魔力操作(9)剣術 (6) 格闘術(5) 槍術 (6)
【魔法】 風魔法(8) 氷魔法(6) 身体強化(7)結界魔法(7) 回復魔法(6) 雷魔法(5)聖魔法(3)
【称号】 転生者、シロの契約者、迷宮管理者、メアリーの家族、ドラゴンスレイヤー、英雄、ドラゴンを統べる者、
虫キラー、伯爵位、亡霊殲滅者、青龍を育てし者、
【加護】 ユカリーナ・サーメクス
はい、もはや人間のステータスではありません。
女神さまから授かった加護の影響と、従魔であるシロからの経験値もガンガン入ってくるから。
俺は何もしてないんだけどね、シロさんは手を抜かない主義だし。
変わったところでは『鑑定』かな。
鑑定のレベルがあがったお陰で5m以内であれば詳細を見れるようになった。
鑑定さんもここまできたよ。初めはさんざんだったけどねぇ。
それと聖魔法が使えるようになったんだ。
ホントようやくといった感じだよ。
これがないばかりに、アンデッドやゴースト系が出現する階層が大変だったのだ。
普通の斬撃が通用しないヤツもたまに出るんだよなぁ。
まあ、俺はダンジョンの管理者なので襲われることはないのだけれど……。
――なんかムカつくだろ!
あとは……、
――青龍を育てし者――
ああ、これな!
邸 (いえ) で飼ってるから……。
たまに町の上空を飛んでるなぁ。 緑のシェンロンみたいなやつ。
鱗がグリーン (みどり) でも青龍と言われるらしいのだ。
名前は ”アオチャン” ね。
そんな、まんまな名前ってどうなの? とも思ったがメアリーが「これがいい!」というので仕方がない。
覚えやすいから、まあいいけど。
『アオ』ではなく『アオチャン』な!
アオと呼んでも見向きもしないから。
あれはそう……、今から2年程前だったか。
朝の散歩を終えて邸に戻ってみると。
「ゲンパパ、見てー! 拾ってきちゃった!」
メアリーは直径1mはあろうかという大きなタマゴを頭上に掲げていた。
「メアリー、さすがにそれはダメだよ。親が襲ってきたらどうするんだ? 元の所に戻しておいで」
俺の言葉にメアリーは顔をふるふる。タマゴは持ち上げたままだ。
――かなり重いと思うのだが。
詳しく話を聞いてみると、
この卵はある鉱石群の中に埋もれるように置いてあったそうで、もう30日程放置されたままらしいのだ。
しかしなぁ、う~ん。
何のタマゴだろう? このデカさだし。
タマゴが孵って、俺たちをエサだと勘違いして襲ってきたらどうすんのよ。
うう~~ん。
メアリーを見ると、目をうるうるさせて『すてちゃうの~?』と訴えてくる。
あぁ――――っ、もう! わ か り ま し た。
――俺は根負けしてしまった。
「タマゴから何が生まれてくるのかわからないけど、確りと自分で面倒を見るんだぞ」
「うん、大事に育てるね。ゲンパパありがとー」
馬屋の隣に新しく小屋を建て、敷き詰めた藁の上にタマゴを据えた。
それからというもの、
メアリーは散歩に出かけるたび、今度は蒼い鉱石を採取してくるようになった。
話によると、タマゴはこの蒼い鉱石と一緒にあったそうなのだ。
う~ん? 環境を整えようとしているのかな?
まあ、害はなさそうだしメアリーも楽しそうだから、このまま好きにさせとくか……。
俺はやさしく見守っていた。
ところが、それから40日程たったある日。
アランさんの要請により、メアリーは王都の魔法学校へ通うこととなった。
その為、王都にあるアランさんの屋敷に戻ってしまったのだ。
やれやれ、結局俺かよぉ。
タマゴのある小屋を見にいくと、例の蒼い鉱石がギッシリと敷き詰められていた。
よくもまあ、これだけ集めてきたものだ。
俺はその鉱石を一つ手に取ってみた。
んんっ、これって見たことあるかも。
生前だったが、趣味で天然石のブレスレットなどを作っていたことがある。
いろんな鉱石をネットで買い集めていた時のことを思い出した。
【ラピスラズリ】 ?
いや、もっと色が濃いかな……。
【アズライト】 だ!
パワーストーンとしても人気が高かったはずだよな。
少々お高くて、なかなか手が出なかったんだよなぁ。懐かしい。
確か『龍が好んで食べていた』なんて伝説もあったような……?
いやいや、ただの伝説だから。 あちらの世界での。
「…………」
いやいやいや。