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それはそれは良い天気の日だった。
スパイダーマンことピーターは尊敬しているトニースタークの元へと足を動かしていた。
時刻は現在午前10時、朝御飯を食べ終わり少し眠くなる時間である。
そんな時間に何故ピーターがトニーの元へ行っているかと言うと、単なる暇潰しである。
しかもトニーには連絡せずいきなり会いに行っているのである。
ピーターはトニーの反応を想像しながら鼻歌を歌う程の上機嫌で横断歩道を渡った。
トニーの家まであと少しという所である男に声を掛けられた。
「hi!!ピーティ、そんな上機嫌でどこ行くの?」
狂った殺人鬼と云うレッテルが貼られているデッドプール。今の姿はウェイドウィルソンだ。
「今からスタークさんとこ行くの、一緒に行く?」
ピーターは御機嫌だった為、普段なら言わない事がスルスルと口から吐き出される。
「wow!良いの?じゃあ俺ちゃんも行く〜」
急遽同行することになったウェイドと2人で他愛も無い話をしながらトニーの家へと向かう。
無事到着し、セキュリティを難なくこなし侵入する2人。
やっとトニーの姿が見え、2人で足音を殺しながら背後へ回る。
せーの!
思い切り背中へ飛び込む。
流石にデッドプールはそこまでしなかったが、ちょっかいを掛けていた。
トニーは余程研究に集中していたのか飛び込まれてから2人の存在に気付いたようで、大層驚いていた。
「っ?!?何故ここに2人が居るんだい?」
そうトニーに問われ、ピーターはしたり顔の儘口を開いた。
「暇だったから!スタークさんを驚かせたくて連絡せずに来たんだよ!ちなみにウェイドとは途中で会って一緒に来たの」
「そ、そうか…珈琲を出そう、ゆっくりしていけ。」
トニーやウェイドにとって珈琲は唯の飲み物だ。しかし蜘蛛、即ちピーターにとっては酒と同じなのである。
「俺ちゃん結構前から知ってたけど、蜘蛛は珈琲で酔うんだぜ。多分鋼鉄野郎もそれ分かってて珈琲出すんじゃない?俺ちゃん酔ったピーティ想像してもう大興奮♡」
誰も居ない空間に話し掛けるウェイドを不思議そうに見るピーター。
そんな空間が寸刻続いた時、トニーが三つのマグカップを持ってきた。
「危ないよ!マグカップ落ちちゃうよスタークさん!」
と慌てて席を立つピーターを「大丈夫だ。」と制止するトニー。
そしてピーターの心配は全く意味を成さず三つのマグカップは無事机へと到着した。
そして元々机の上にあった角砂糖とミルクは三人の好みによって減らされた。
勿論一番角砂糖とミルクを使ったのはピーターである。
三人で他愛も無い話をしながら珈琲を胃の中へ放り込んでいく。
寸刻が過ぎた頃、ピーターは口を開いた。
「あの、スタークさん 珈琲になんか盛りました?いや、あの疑ってる訳じゃないんですけど…なん、かフラフラす、る…?」
顔を真っ赤にして目をぐるぐる回し話し続けるピーター。
少し可哀想である。
そこでデッドプールが口を開いた
「ピーティ意外とおばかちゃんなの?蜘蛛はカフェインで酔うんだよ?だからピーティだけいま酔っ払ってる状態なの♡」
そんなデッドプールの説明も聞かずピーターはトニーにだる絡みをしていた。
「スタークさぁんひどぉい!!こぉぉぉぉぉんないたいけな青年にカフェイン盛るなんてぇぇぇ!スタークさんのばかぁぁ!お仕置だぁぁぁぁ!!!!」
と大声で喚きながらトニーにキスの雨を振らせていた。
(お仕置というよりご褒美だな。また珈琲を出そう)
よからぬ事を考えるトニーの吹き出しを読んだウェイドが
「あー!!!ピーティこっちおいで!そこの人ピーティを× × × して× × × して× × × させようとしてる!ほら!はやく!」
と大声で喚き両手を広げてピーターを待っている。
しかし現実は非情である。
ピーターは
「何言ってんの!訳わかんないよ!トニーさんうぇいどやっつけてぇーーーー!!!」
とトニーさんの頭をポコポコ叩きながらウェイドを指さしていた。
この一日でピーターは酔っ払い、ウェイドは撃沈した。
結局得をしたのはトニーだけであり、後日ウェイドはトニーに戦闘を申し込みに行ったという。