※死ネタ(大量に死にます)、不穏です
1人目【哀蔵 翠嵐】
仇を討とう思った
親友を晴哉を殺した相手を、見つけて
絶対に、絶対に殺してやると
でも、それはただの悪足掻きだった
無駄な抵抗、全て水の泡となった
彼奴の目ん玉を撃ち抜いた犯人を追い詰めようと、殺した奴を探しまくった
そして漸く、憎むべき、恨むべき犯人を見つけることが出来た
見つけた瞬間、怒りと殺意が抑えられなくなりそうだった
が、そんな事をしてしまったら、折角のチャンスが台無しになってしまう
だから俺は、静かに、回り込むように
相手の隙を伺おうとした
したんだ
ザク……ッ
「……は?」
背中が生暖かい、と思ったと同時に激痛が走る
「がッ、ぁ゛あ゛っ゛!!!」
痛い、痛い、痛い、痛い、 背中が痛い
なんで、こんなに、痛い
激痛に耐えながら、力を振り絞って首を後ろに回す
グジゃ゛っっ
振り返った途端、眼鏡を貫通したナイフが右目を貫いた
「がっ、ぁ゛あ゛……ッ!!!」
「ぁ゛あ゛あ゛!!ぁ、ぐ、あ゛あ゛っ! 」
砕かれた眼鏡の破片が目に入り、更に痛みが増す
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い
なんでこんな目に遭わなきゃならないんだ
痛い、背中も刺され、右目も刺され
血は大量に垂れ、痛み増して
俺はただ、晴哉の為に、親友を殺した犯人を捕まえる為に、頑張っただけなのに
憎むべき、恨むべき、犯人を追っていただけなのに
このままじゃ、無駄足じゃないか
痛い、なんで、こんなに、苦しい、痛い
彼奴は、俺を庇って死んだのに
こんな辛い痛みを背負って死んだのに
それなのに、俺は、何も出来ない
仇を討つ所か、恩を仇で返してるだけじゃないか
馬鹿だ、くそ、くそ、くそ
「ふグ、ぁ゛、ひゅ゛ぅ゛ーっ、ひゅぅ゛う゛ーーっ゛……!!!」
「ぁ、ふ、っう゛、ぉ、のれ゛、ぁ゛、クソ……ッ」
言葉がまともに喋れない
言いたいことが言えない、クソ、クソ
あああああ!!!!なんで!!!どうして!!
クソ、無駄足掻きだって言うのか!!!
ただただ殺されるしかないって言うのか!!!
クソ、約立たず、無能
彼奴の事を叱ってる自分の方が、余っ程
余っ程駄目じゃないか!!!
「(俺の馬鹿……クズ、晴哉……晴哉゛…っ。ほんま、すまん……オノレは、俺の為に…頑張ってくれ…はった……のに゛…。) 」
目と血が混ざり合い、顔も服も髪も全てグチャグチャになる
鉄苦くて、塩っぱくて、気持ち悪い
嗚呼、俺、死んでまうんや
あー、無駄だったな
頑張って後追いかけたのに、見つけたのに
仇討てると思ったのに、彼奴の……
なんだ……っけ…
なんで、脳、動か……な…ぁ゛……っ
「……ごめん、ほんま…」
俺は地獄に行くよ
2人目【薆原 阿秦】
いつも通り、事務所に行こうと歩いていた
最近、事務所の先輩達が仕事を辞めてしまったらしい
少し寂しいけれど、お別れに感謝を言う事が出来なかったけど、頑張って自分達のやりたい事をして欲しいなと、心の中で思った
そしてルンルンで事務所に着くと、 中はガランとしていた
「……あれ…、あっ、なるほど、皆依頼してるんだな!!!」
何時もの様に依頼を頑張っている仲間に関心しつつ、俺はソファへと腰を下ろした
スマホを見たり、掃除したり、皆を待ったり
一人は寂しいけれど、皆を待っていると考えたら、ウキウキして、興奮が抑えられなかった
待つこと数十分、扉が開かれる音がした
「!!!」
寂しかった空間に、仲間が帰って来た
そう思い、はしゃぎながら扉へ向かった瞬間
ビり゛ビリぃ゛っっ゛!!!
「ぁ゛ガッ!?」
腹部に激痛が走り出した
何、何が起きた、何をされたんだ???
俺は腹部を抑え、痛みが無くなるよう、必死に祈った
「(痛い、何、何……っ、ビリビリって…ぁれ、誰……?何、持って…)」
視界がぼやけて、マトモに判別ができない
だが、こんなこと仲間がするはずが無い
じゃあ、誰が、誰がこんなことを
どうして、どうして?こんな事して、何に……なるって、言……
プスッ……
「!!!」
考え事をしていると
俺の腕には注射が刺されていた
注射……?何、何を……一体刺し…入って……
「……ゥグッ!?ぁ゛、ああ゛っっ……!!」
「こヒュッ、ぃ゛、あ゛っっ、…はぁ゛……っ ふぅ゛っ、グ……ッ」
……あれ、俺、もしかして、今日、死ぬ?
死んじゃうの???
なんで、まだ、俺
やりたい事、たっくさんあんのに
何で、こんな目に、どうして、嫌だ
皆と一緒に居たいのに
まだ、まだ、ま、だ……っ
ごめん、母ちゃん、父ちゃん
俺、何も出来なくて、ごめ、ん
美優、ごめん、な、俺、兄ちゃ、ん さ、死んじまうかも
死んだ、時はさ、泣かないで……ほし、ぃな
笑顔で、さよなら、って、ぃって、ほし、い
俺、皆のために、病気治す為に、無理させない、為に、頑張ったのに、さ
全部、意味、なくなっちゃ、ったや
俺、馬鹿だから、さ
何も、出来なかった、けど
役に立てたか、わかんない、けど
でも、お…、れ……居れ、て
「……たの、し゛…か…ッ」
3人目【涛夙 奏斗】
言いつけを守ればよかった、約束を破らなければ良かった
そしたら、俺は、まだ
珍しく部活が無しとなり、何時もより早い時間帯に事務所へと向かった
歩いて数分、ふと視線を右へ動かす
すると、ソコには見覚えのある男の顔が見えた
「…!!あれ、って……」
見覚えのある男とすれ違った瞬間、俺は男を追いかけていた
カツカツ……っ
「(きっと、あの男、犯人の……!)」
普通なら知っているはずもない、犯人を顔を俺は知っていた
本当は知らない、知ってはいけないことを
前々から、ある事を思っていた
先輩達が何か、怪しい事をしていると
怪しいとは言え、犯罪とか、法律とか、そういう方向で怪しい事をしている、とは思っていなかった
ただ俺は、先輩達が俺らに隠して
危険な事をしているんじゃないかと、そう思っただけだった
けど、ある日
先輩から、こう言われた
「……あの、さ。奏斗君、気をつけてね?」
「…危ない、からさ?……まぁ、そんな感じかなぁ〜……っ?あは、ごめん、説明下手かも」
……嗚呼、気づかれてたんだな、と俺はそう思った
俺はただ、手伝おうと 先輩達を
支えようというと思っただけなのに
心配だとか、迷惑をかけちゃうだとか
そんな気持ち、俺には必要ないのに
「……っ」
犯人を追いかけて、数十分
気づけば廃墟に足を進めていた
「(……こんなとこに来て、一体何…)」
「!!!」
少し目を離した瞬間、犯人が視界から消えていた
「……っは、彼奴、何処」
パん゛っっっ゛!!!
犯人を探そうと、壁から離れた奏斗を
後ろに隠れていた、別の犯人が監視し
そして、奏斗の脳天を銃で”撃ち抜いた”
血が飛び散り、撃ち抜かれた頭から流れ出る血で、地面と体が赤色に染まり出す
血の海に溺れた瞬間、奏斗はもう、生きてはいなかった
1人目…刺殺
2人目…毒殺
3人目…射殺
コメント
1件