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鷹槻れん

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#極道
鷹槻れん

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月詠 涼
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「……芽生、すげぇ綺麗だ」
ややして芽生から離れた京介が、裸の芽生を見下ろしてそう言ってくれたことが、芽生はたまらなく嬉しかった。それと同時、自分の身体を京介にまじまじと見られていると実感させられて、全身が火照ってしまう。
「……ヤダ、そんなに見ないで? 恥ずかしい……」
唇を噛みながらぽつりとこぼした芽生に、京介がやんわりと笑う。
「すまん。……けど、あんまり綺麗で見惚れてた」
芽生の左手を取った京介が、指輪の嵌められた薬指にやわらかな口付けを落とした。
それから、彼自身も身に着けた衣服を惜しみなく脱ぎ去ってしまう。
「――っ!」
芽生は京介の肌を見るのがたまらなく恥ずかしくて、思わず目を逸らして……。
しばし後、芽生同様全裸になった京介が、再度芽生に覆い被さってきたことにびくりと身体を震わせた。
芽生は京介の引き締まった身体をちらりと見て、心臓がドクン! と音を立てて跳ねるのを感じてしまう。
(京ちゃんのこと、こんなに近くでちゃんと見たの……初めて)
見上げた京介の身体はあちこちに大小様々な傷痕があって、それは、古いものもあれば新しいものもあるように見受けられた。それだけで、彼が危険な稼業に身を置いているのだと実感させられた芽生は、にわかに怖くなる。
「京ちゃん、これ、痛くない?」
一番大きく見えた胸の痣へそっと触れて問い掛けたら、「ああ、古い傷跡だからな。大丈夫だ」と京介が芽生を優しく見返してくれる。
芽生は京介の身体から感じる体温、少し汗ばんだ肌の匂いを感じながら、いつか京介がこういう怖い世界から足を洗ってくれたらいいなと願わずにはいられなかった。
京介の優しい愛撫に、そんな雑多なことを全て追いやられて……芽生の意識がじゅわりと快楽に蕩け始める。
だが、京介の手がゆっくりと太ももを撫で、身体の奥へと指先が伸ばされた瞬間、芽生は思わず身体を強張らせてしまった。
「芽生、お前に触れてるのは誰だ?」
耳元で囁かれたその声に、芽生は「京ちゃん……」と小声で答える。
「ああ、そうだ……俺だ」
だから大丈夫だと言外に含めて、京介が続ける。
「芽生、お前にだけは俺、京介って呼ばれてぇんだけど?」
まるでそうされることで自分の名が〝相良京介〟なのだと確認したいみたいにも取れる京介の口ぶりに、そう言えばそうお願いされていたんだった。そう思いながら芽生が「京介……」とつぶやいたと同時、芽生の下腹部の敏感な突起に、京介の指先が触れた。
「やっ……」
思わず声を上げてギュッと身体を縮こまらせた芽生に、
「芽生。力、抜こう。――な?」
京介が空いた方の手で芽生の頭を優しく撫でてくれるから、芽生は懸命にリラックスしようと藻掻いた。
でも、今から訪れるであろうことを考えてしまうと、どうしても上手く力が抜けなくて……涙目で京介を見上げる。
京介はそんな芽生に優しく口づけを落とすと、キスに集中してふっと芽生の身体から力が抜けた瞬間を見計らったように芽生自身が吐き出したぬめりを指先に纏わせて亀裂に沿って指を前後させた。
くすぐったいような、でも妙に落ち着かない感覚に見舞われた芽生が、身体をもじもじと揺らせるのをじっと観察しながら、京介が手指の動きに強弱を加える。
京介の指は、ゆっくりと準備を整えるように優しく、何度も何度も芽生の秘所を撫でて……やがてタイミングを見計らったように固く閉ざされた隘路につぷっと指を入れてきた。
「んっ……!」
突如襲ってきた一際強い違和感に、芽生が呼吸を浅くして眉根を寄せる。
痛みはほとんどないのに、頭の奥底に浸透した〝知識〟が〝痛いかもしれない〟と訴えてくるのだ。――そんな不安が、どうしても頭を離れなくて、京介の指先が気遣わし気に芽生の入り口を慣らすように動かされるたび、身体にギュウッと力がこもってしまう。
「芽生。お前の中に入ってんのは俺の指だ」
京介にそっと告げられて、芽生が恐る恐る京介を見つめたら、「俺が今までお前を傷付けたこと、あるか?」と問い掛けられて、芽生はフルフルと首を横に振った。
「今回も大丈夫だ。俺を信じろ」
京介の言葉に芽生はそっと力を抜いた。
「いい子だ」
京介に褒められると、ほわりと幸せな気持ちが身体の奥底から溢れてくる。
子供の頃から慣れ親しんだ習慣のような感覚に、芽生がトロリと意識を溶かしていく。
「……怖くなったら、すぐ言え」
京介の優しい声音だけが、芽生の心のよりどころの全てだった。
どのくらい長いこと京介に入り口をほぐされていたのか、芽生には分からない。
分からないけれど、京介に長い時間かけて愛撫されたそこは、じんとした熱を持ってほんのちょっとの刺激にですらピクッと反応してしまうくらい敏感になっていた。
やがて、京介の身体がそっと重なって……。
芽生の脚の間に、熱を持った彼のそれが当たっているのを自覚した芽生は、その熱さにビクッと肩を跳ねさせた。
「芽生……挿入るぞ」
京介の宣言に、芽生は一度大きく息を吸って、それからゆっくりと息を吐き出すと、
「……うん」
小さく答えて、コクッと首肯した。
ほんのわずか、京介が動いて……京介の熱い昂りが隘路をこじ開けて入ってきた瞬間、芽生の瞳が見開かれる。
「……っ、あ……!」
激痛……というほど強くはないけれど、明らかに指とは質量の違うそれに、鈍い痛みがピリピリと走るようで、芽生は思わず腰を引きそうになった。
けれど京介がすぐに動きを止め、芽生の手を強く握ってくれるから……芽生はその手を握り返す。
「……痛いか?」
掠れた声で尋ねてくる京介の顔は、芽生以上に不安そうだった。
それが可笑しくて、でも嬉しくて――芽生はこくんと小さく頷いたあと、しっかりとした声音で答える。
「少しだけ。……でも、思ったほど痛くない。……京……介が沢山ほぐしてくれたから……大丈夫。それより……私、今凄く凄く幸せだよ?」
ニコッと微笑んで告げられた芽生の言葉に、京介の目が僅かに潤んだように見えた。
その後、芽生の反応を探るみたいに何度も何度も動きを止めながら、京介はとてもゆっくりと芽生の奥へと進んでいった。
痛みは確かにあった。あったけれど、すぐそばに京介の声があって、手があって、温もりがあって――。芽生はとにかく「愛されている」と感じさせられて、幸せだった。
やがて痛みの波が少しずつ緩み、息の仕方も変わってくる。
腹の奥底から込み上げてくるなにかに、芽生の唇から熱い吐息が漏れた。
「……あ、んっ。京ちゃ、気持ち、いっ……」
「……ああ、芽生。俺も、だっ」
芽生の言葉に京介も荒い息を吐きながら同意すると、我慢出来ないみたいに芽生の額へ口づける。
「京、介っ」
芽生の悲鳴に似た声とともに、京介も薄い皮膜越しに芽生の中へ精を放った――。
***
どうやら芽生は意識を手放してしまっていたらしい。
心地よい水音に意識を浮上させると、温かな湯船の中で京介に横抱きで抱き抱えられていた。
まだぼんやりした意識ではイマイチ現状が掴めなくてトロンとした目で京介を見上げたら、ホッとしたように京介が芽生の身体を労わってくる。
「……すまねぇな、芽生。どこも痛くねぇか?」
それが行為後のダメージのことを指しているんだと気が付いた芽生は、浴室内の明るさに今更のように気が付いて、慌てて胸元を隠した。パシャリとお湯が跳ねて、ふたりの顔を濡らす。
「こら、急に動くな……」
芽生が湯船に沈まないよう気遣ってくれたんだろう。京介の腕に力が込められて、それがより一層芽生の羞恥心を煽ってくる。
「あ、あのっ、……京ちゃん……私っ」
「京介」
浴室を出たいと告げたかったのだけれど、すぐさま京介に呼び名を訂正されて、芽生はオロオロと視線を彷徨わせた。
「で、身体は大丈夫か? 痛いところとかねぇか?」
間髪入れず、再度芽生の体調を問い掛けてきた京介に、芽生は裸で京介とこんな明るいお風呂場にいることにドギマギしつつも何とか答える。
「大……丈、夫」
ちょっと下腹部の辺りに違和感はあるけれど、動けないほどじゃない。
胸元を隠しながらしどろもどろに返答したら、京介が
「……ごめんな。ホントは微塵も痛くさせるつもりも、無理させるつもりもなかったんだが……俺もまだまだみてぇだ。――なんか……バカみてぇに歯止めがきかなくなっちまった」
と申し訳なさそうな顔をする。
「……え?」
芽生が顔を上げようとすると、京介は自分の表情を見られたくないみたいに芽生の頭をギュッと抱え込んだ。
「お前が……相手だったからな」
ぼそりと落とされた言葉が嬉しくて、芽生は京介に申し訳なく思われていることを払拭したくなった。
ぼそりと落とされた言葉が嬉しくて、芽生は京介に申し訳なく思われていることを払拭したくなった。
「な、慣れないことばかりでびっくりしたけど……でも……私、初めてだったのにすごく気持ちよくて……頭がぼんやりしちゃったの。だから、だよ?」
気を失ってしまったのはそのせいだと言外に含めたら、にわかに恥ずかくて堪らなくなった。
でも、そんな芽生の言葉に京介が「そうか」と嬉しげにつぶやいて彼女の額に何度目になるか分からないキスを落としてくれて……芽生は伝えられて良かったとじんわりと心の中が温かくなる。
芽生が気を失っている間に身体を洗われたのか、芽生の身体から石鹸の香りがふわりと立ち上る。それは背後の京介も同じみたいで――。
その時の状況を考えるとあまりにも恥ずかしくなって、芽生は諸々をシャットアウトしたいみたいに京介の腕の中で目を閉じた。
心地よい疲労感と、胸の奥に残るじんわりとした幸福感。ゆらゆらと揺れる心地よいお湯と、じかに触れる京介の肌の感触が、照れくさいけど気持ちいい。
このまま朝が来なければいいのに――。
そんなことを思いながら、芽生は背後の京介にそっと身体を預けた。
コメント
2件
大事に大事に抱いてもらえたね、めいちゃん! もぉ、京ちゃん甘々だぁ♥
うわ……すごく優しくて、丁寧なシーンだったね🥀 京ちゃんがずっと芽生の様子を気遣ってて、「痛くないか」「大丈夫か」って何度も確かめる感じが、本当に大事にされてるんだなって伝わってきた。芽生が「すごく幸せ」って微笑んだところ、こっちまでじんわり温かくなったよ。ふたりの信頼関係がひしひしと感じられる、とても美しいエピソードだった。 初めての瞬間をこんなに慈しみ深く描けるのは、れんさんだからこそだと思う。 素敵な作品をありがとうございます🌙💫