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【お願い】
こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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ご本人様方とは一切関係ありません
【5日目】
がむしゃらに仕事を続けていたないこがキーボードに突っ伏すようにして意識を失ったのは、日付が変わった頃だった。
頭でキーを打ってしまわないように、そっと体を持ち上げる。
すーすーと穏やかな寝息を立てて幸せそうに眠っていた。
見ていた限り、仕事は大方片付いていたはず。
もう寝てしまっても後は明日何とでも挽回できるだろう。
「ないこ、寝るんやったらベッド行こ」
肩貸したるから、と付け足すと、うっすらと開いた目が寝ぼけた様子でこちらを振り返る。
「んー、まろも一緒に寝る?」
半分まだ閉じている目をこすりながら、ないこは俺の肩に手を回した。
その腰の辺りを支えて立ち上がらせ、隣の寝室へと歩かせる。
「何でやねん。ないこが寝たら帰るよ」
「えー」
最近仕事が忙しくてろくに眠れていなかったのか、今にも限界を超えそうなないこの声が不満げに漏れた。
それでも何とか連れていったベッドに、無遠慮にその身を放り投げる。
「…うぅ」とうめき声を零したないこはそのままぐるんと半回転し、仰向けに寝転んだ。
「まろぉ」
「…何」
甘えたように間延びする呼び声。
小さく応じると、今にも意識が飛んで行ってしまいそうなのを何とかつなぎ止めようとしている様子でないこはこちらを見上げた。
虚ろな瞳が、それでも正面から自分を映しているのが分かる。
「…もうこれで最後にする」
何を、とは聞き返さなかった。
その表情からないこの意図は十分読み取れる。
一旦目を伏せ、そして再び開いた時にはピンクの瞳はここ数日の楽しそうでふざけた光を一切消してしまっていた。
「…今キスしてくれなかったら、もう諦める」
寝ぼけたやつの戯言だと一蹴するには声が本気すぎた。
それが分かったから俺は小さく息をついてないこを見下ろす。
そんな俺を見上げたないこと視線が正面から交錯した。
逸らす様子もないそのピンクの眼差しを見つめ返したまま、俺はベッドに乗り上げて膝をつく。
染めすぎて少し軋むピンクの髪に手を伸ばし、それを一撫でした。
覆い被さるような態勢になり、ないこの顔の横にもう片方の手を突く。
そのまま唇を寄せ、そっと重ね合わせた。
「……まろ…」
触れ合うだけのその浅めのキス。
唇を離した後で、ないこがまたまっすぐ俺を見上げる。
「諦めなくていいの? 俺」
眠さが限界のせいだろう。
どれほど甘ったるいセリフを吐いているのか自覚はあるんだろうか。
「いいよ」
短く答えると、ピンクの目が細められてへにゃりと破顔する。
「…良かった。まろを本気で落とそうと思ってから…5日もかかっ…た…」
安心したのか、そのままこちらに伸ばそうとしていた手も力を失ってシーツの上にぱたりと落ちる。
再び目を閉じて、小さくすーすーと寝息を立て始めてしまった。
この様子だと、今のこの会話すら朝起きたときに覚えているのか怪しい。
「……おやすみ、ないこ」
小さく呟いて、俺はそのピンクの髪をもう一度そっと撫でた。
冗談っぽくでもふざけてでもなく、お前から本気の言葉を引き出したかったのは実は俺の方だ。
お前は5日かけて俺を落としたと思ってるかもしれない。
でも、そうじゃない。
本当は……
俺がお前を落とすまでの、5日間。
コメント
3件
最後青くんが、「俺が君を落とすまでの5日間」ってセリフが‥もう、かっこよすぎて(?) 桃くんもキスをしたら、しなかったら諦めるという選択(?)を青くんに持ちかける勇気がすごいです‥!! これからも更新頑張ってください!
合わせて5話も投稿ありがとうございます🙇♀️😊 コメント するの久々な気が…ッ 本当に毎度最高すぎて泣きそうになる😭 頑張って下さい🔥💪 これからも応援してます…ッ.ᐟ.ᐟ 大好きです…(*´`) いやぁ、もうとっくに堕ちてるんですね、青さん💕︎❕ キスしたら諦める、キスしなかったら諦める、…なんでこんなに可愛いんですか、桃さんは 青さんも桃さんも可愛すぎて👼💕
いいねもせずにぶっ通しで読んでしまった。大好きです