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#すのあべ
蓮の指が動くたび、下着の中で先端から先走りが滲むのが自分でも分かった。 理人は膝の上のケンジの鞄を指白くなるほど強く握りしめ、漏れそうになる熱い喘ぎを必死に押し殺した。 それでも、快楽に毒された身体はさらなる刺激を求めて、無意識に腰を揺らしてしまう。
(もっと、強く触ってほしい……)
そんな浅ましい欲求が頭をもたげ、危うく口走ってしまいそうになる。 駄目だ、何を考えているんだ自分は。こんな公共の場で、すぐ隣にはケンジもいるのに。理性では理解しているはずなのに、一度火がついた欲望は、どろりと身体の芯を焼き続けて収まってくれない。
蓮はそんな理人の葛藤を見透かしているのか、あろうことか大胆にもハーフパンツの裾から、熱い手を中に滑り込ませてきた。 下着を割り込み、直接そこを握られ、ゆっくりと上下に擦られる。
「ぅ、ん……は……っ」
「エロいな。もう、ぐちょぐちょじゃないか」
「う、うるさいっ……!」
そんなことは自分が一番よく分かっている。大勢の人間がいる場所で感じてしまうなんて、恥ずかしさと情けなさで涙が滲みそうだ。
「……顔真っ赤にして。目の前に他人がいるのに感じまくって……変態だな」
揶揄するように耳元で囁かれ、カッと頭に血が上る。
(違う。俺は変態なんかじゃ……っ!)
反論しようと口を開いた瞬間、蓮の親指が鈴口を割り、尿道を抉るように突き立てられた。
「っ、ふ……ぁっ!」
鋭い刺激に全身が強張り、叫びそうになって慌てて自らの手で口を覆った。 周囲の視線が気になり、恐る恐る辺りを見回すが、幸いなことにこちらに注目している者はいなかった。
「んっ、ンッ……!」
蓮はニヤリと笑うと、理人が安堵したわずかな隙を狙い、執拗に亀頭を責め立ててくる。 「ここが、気持ちいいんだろ?」
「っ……は、ぁ……っ」
カリ首を爪で引っ掻かれ、裏筋をなぞるように何度も往復される。鼻から抜けるような声が漏れそうになり、理人は必死に両手で顔を塞いだ。 蓮は尚も、手の動きを止めようとはしない。それどころか、電車の揺れに紛れ、その指使いはどんどん大胆に、激しさを増していく。
あぁ、拙い。このままじゃ――。 ガクガクと脚を震わせ、耐えきれないと言わんばかりに首を振る。
「っ、蓮、これ以上は……っ」
「イキそうなのか?」
「う、うるさいっ! 言うな、バカ……っ」
本当は、もう限界だった。早く射精して楽になりたいという本能が、思考のすべてを支配し始めている。 しかし、ここは電車の中だ。こんなところで無様に果ててしまうわけにはいかない。 理人は奥歯を食いしばり、鞄の取っ手を壊さんばかりに握り締めて、せり上がってくる絶頂の波をどうにかやり過ごそうとした。
朝から中途半端に嬲(なぶ)られ、焦らされ続けてきたのだ。まともな神経で我慢できるはずがなかった。 だが、理人の瞳が潤み、いよいよ限界を迎えたその時――蓮はあっさりと、その手を離してしまった。
(え……?)
あと少し。あと一突きで、すべてが弾けていたのに。 あまりの物足りなさに、無意識に蓮の手を掴もうとして――理人はハッと我に返り、慌てて鞄を握り直した。
何をしているんだ。これではまるで、続きを期待しているみたいではないか。理人は激しい動揺を隠すように、わざと大きく溜息をついて視線を逸らした。 そんな理人の無様な醜態を、蓮は愉快そうに見下ろしている。
こいつは、本当に性格が悪い。理人が困り果て、快楽に溺れかける姿を見て楽しんでいる。それが手に取るように分かる。 ムカつく。殺してやりたい。……でも、今はそれよりも。
中途半端に放置された熱が、疼いて、疼いて、仕方がなかった。