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便箋。(wr×2短編集)

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便箋。(wr×2短編集)

5 - ep,5 freigeben

♥

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2023年12月09日

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注意等は今までと同じです。

流血シーン等があります苦手な人は戻ることをおすすめします。

今回は結構長いかもしれないです…!!

前回の投稿から期間が空いてしまいすみません。

これが最終回ではなくあともう1話あります💦是非お楽しみください〜。




zm視点

寒く冷たい冬がようやく眠り、外が大分暖かくなってきた頃。時間はあっという間に過ぎるものでショッピくんがw国に来てから半年が経った。

俺はというと今は、ぽかぽかした陽だまりが差す中庭でイフリートのブラッシングをしながらのんびり過ごしている。 さらさらとした狼特有の白銀の毛並みを撫れば気持ちが良かったのか目を細めて嬉しそうにしている。時間は丁度正午を回ったぐらいで、少しお腹が空いてきたが正直ここから動きたくない。 というか自分で飯作れないし、大先生は多分、監視の仕事中だから仕事を中断してまで作って欲しいと頼むのは申し訳ない。街の方に買いに行くのも面倒臭いしなぁ…。あーどうしよう。この後も特に予定ないからこのまま昼寝でもしてしまおうか…

なんて考えているとかさりと遠くの方から音が聞こえた。思わずそちらの方を見ると少し大きなピクニックバスケット抱えたショッピくんがいた。

zm「ショッピ君?ここまでどうしたん…?」

syp「これ、大先生からゾムさんの所に持って行って欲しいと頼まれたので。」

zm「大先生から、?わざわざありがとうな」

立ち上がってピクニック受け取り、その中を覗けば思わず中身に驚いてしまった。

まず丸い瓶にはひとらんらんが作った野菜がふんだんに使われたサラダ。モッツァレラチーズまで入っていて美味そう。ちゃんとトマトは少なめに入っている。流石大先生や。他には色んな具材が挟まったサンドウィッチ。食事系から甘い系まで色々入っている。しかも中身によって挟んでいるパンの種類まで違う。何処までこだわるんや大先生。こんなに沢山作るの大変やったやろうな…。今度お礼に食害してあげよ。あとは飲み物と胡椒やサラダのドレッシング等のちょっとした調味料。そして2組ずつ入っているお皿やフォーク等のカトラリー類。2組入っていると言うことは、多分ショッピ君と一緒に食べてという大先生からのメッセージなんやろな。 ということは、この感じだとショッピ君も昼食をまだ食べていないのだろう。

zm「なぁ、ショッピ君。まだご飯食べてないよな…?もし良ければ一緒に食べへん?カトラリーも全部2組ずつ入ってるし、めっちゃ量あるからな。」

syp「俺食べてもいいんですか…?」

zm「全然ええで!!むしろ1人やと寂しいからな。まぁイフリートはおるけど」

そんな事を言いながら日陰のある木下に移動すればふわりと布のピクニックシートを広げその上に2人とも座る。真ん中にピクニックバスケットを置いてしまえばもう完璧。自分のお腹の虫も音を立て始めているからこちらも準備万端だ。1組のカトラリーをショッピ君に渡してお皿にはサラダを盛る。あ、トマトは全部ショッピ君にあげたで?

俺も自分のお皿にサラダを盛り、サンドウィッチを選ぶ。どれも美味そうだが1番目を引いたローストビーフがたっぷり挟まれた奴をチョイス。チラッと隣を見ればじっとサラダを見つめるショッピ君。

zm「ショッピ君。サラダもサンドウィッチも全部好きなだけ食べて大丈夫やで。」

こくりと頷いてサラダを食べ始めたショッピ君を横目に俺もサンドウィッチにかぶりつく。

この半年間でショッピ君は少しずつ成長していった。口数は最初より増えたしスナイパーの腕前は幹部の中でもトップレベルに。最近はナイフなど近接の戦い方を教えたりもしている。そして俺と一緒によく任務に行くことが増えた。そのお陰でツーマンセルとも言われるようになった。

でも。それとは裏腹にまだ抜けていない癖はある。許可がないと行動できないことだ。さっき俺が言った通り、誰かが食べていい。休んでいい。と何をするにも許可を、命令を貰えないと彼は動いてくれない。むしろこの許可を貰うために毎日生きているのかもしれない。

この癖が消えることはこの先あるのだろうか。俺はいつかこの癖が消えて自由に自分の意思を、行動を伝えたりできる時を信じて待つしかない。それとアメジストのような瞳にはハイライトは入る事は無かった。

少し雑談しながらもこんな事を考えながらもぐもぐサンドウィッチを頬張っていればもう、籠の中身は空っぽになっきていた。最後にホットコーヒーを飲みながらまた隣を見れば、彼は苺などのフルーツが美しく断面を作るフルーツサンドを夢中で頬張っていた。そのせいなのか、彼の左口の方には生クリームがちょこんと付いている。何処か幼さを感じながらぐいっと口を拭ってやれば、ありがとうございますと一言。

2人とも食べ終わってしばらくまったりしていれば急にインカムが鳴った。今日特に会議とかの予定は無かったはずやけどな…。

gr「全ての幹部に伝える。至急会議室に集合してくれ。今さっき宣戦布告された。詳細は後で話す。」

zm「ショッピ君会議室行こか。」

syp「はい。」




会議室

いきなり戦争とか何事なんと少しざわつく会議室を一瞬で沈黙に変えたのはあのバリトンボイスだった。

gr「皆、集まったな。」

「今回はさっき言った通り戦争だ。3日後、いや2日後にはもう攻めてくるかもしれない。最近少し怪しい動きをして目を付けていたB国が予想通り先程宣戦布告してきた。しかもこんな目的があるみたいでな。その目的は…











“外資系”お前だ。





前滅ぼしたあのZ国と友好国だったみたいでな外資系を連れ戻したいらしい。」

sha「じゃあショッピ君、今回の戦争どうするん?戦場で戦って下手したら連れてかれるんじゃ…」

gr「だから今回は俺と一緒に総統室で待機だ。それで大丈夫か、外資系よ。」

syp「はい。大丈夫です。」

gr「担当や配置は作戦が出来次第報告する。時間がないから無駄なく準備するように。なんとしても外資系を守り抜くぞ。」



『ハイル・グルッペン』




あの会議から2日。グルッペンが言った通りB国が此方に攻めてきて俺は今最前線で敵を捌いている。だが、あまりにも敵の数が多すぎる。聞いていた情報より遥かに多い敵の数にどこも少し手こずってるらしい。ロボロや大先生の指示を聴きながら色んな方向から攻めてくる敵の攻撃を避けながらか攻撃するのは思った以上体力の消費が激しい。やばい全然減らない。と少し焦っていると後ろから乾いた銃声が聞こえた。そして次の瞬間俺の横腹に銃弾が貫通した。さっき殺したと思っていた敵がまだ生きていて此方に銃弾を放ったのだ。くっそ。油断しなければ良かった。体力が削られているのと今の傷が相まってどんどん俺の動きは鈍くなっていく。時間が経つ度全身の傷は増えていき、黄緑だったあのパーカーは元の色が分からなくなるほど赤黒く染まっていた。ずっと無我夢中にナイフと銃で攻撃を続けた。


だから気付けなかった。


俺の近くに投げられた手榴弾に…。




突然訪れた宙に浮く浮遊感。耳には刺されるような轟音。そして後からやって来る熱と強い痛み。


気付いたときには地面に倒れている感触がして、そして全身が痛く耳鳴りも酷く周りの音が聞こえずらい。そしてごぽりと口からは真っ赤な自分の血液が溢れかえった。大量の出血により意識が朦朧としてくる。視界の隅には敵国の幹部が此方に銃を持って近付いてくる。もう俺には攻撃できるような体力なんかない。爆風でインカムも壊れた。


「───あぁ、もう俺、駄目や…。」




syp視点

戦争が開戦してから数時間。俺は黙っていることしか出来なかった。誰からも戦場に言っていいなんて許可を貰えてないからここから動いちゃ駄目だ。だから唯一貰った総統室で待機しろって命令を聞くしかできない。

···ずっと沈黙が続いたこの部屋を破ったのはインカムから聞こえたロボロさんの声だった。

『ゾムからの応答がない。』

gr「インカムの場所は分からないのか」

rb『何もかも消えてる。多分壊れた可能性が高い。しかもゾムが戦ってた場所周辺で爆発が起きてる。だから……。』

gr「誰か其方にカバーしに行くことは出来ないか。」

rb『何処も敵が思った以上多くて手こずってるっぽい。』

gr「まずいな…。」



インカムが壊れた…? 応答がない…?近くで爆発…?
















───ゾムさんが、死ぬかもしれない…?











嫌、や。そんなの。

まだゾムさんと過ごしたい。近接の戦い方とか沢山教えて欲しいことあるのに…。もっと沢山喋りたい。ご飯食べたい。もっと、もっと一緒にツーマンセルで任務に行きたい。

行かなきゃ、俺が。

この状況下で動けるとしたら俺しかいない。

手遅れになる前に俺が助けなきゃ、


もう今だけは命令なんて“どうでもいいや”。


ぷつり、と何かが切れたような気がした。





gr視点

戦況は少し、いや結構まずいかもしれない。味方最大の脅威と呼ばれる彼奴が、ゾムが音信不通なのだ。こんな事今までに無かった。どうしたらこの状況を打開できる。どうしたら、逆転できる。頭の中で考えを回転させていれば、ガタリと物音がした。音がした方を見れば、外資系が椅子を倒して立っていた。

gr「どうした、外資系よ。」

そう問いかけても一切返答なんてない。というのもこんな外資系を初めてみた。鋭く睨むアメジストの目に何かに酷く怒っている表情をした外資系を…。そして彼は少し走って総統室を出ていった。


gr「…これは面白くなってきたな」


するとしばらくすればインカムから焦る様な声をした鬱の声がした。

ut『グルちゃん…!ショッピ君が戦場に出てきてる!早く総統室に連れ戻さないと…!!』

gr「…いや、その必要はない。最後ゾムがいた場所を教えてやってくれ。」

ut『何言ってるん…!?敵国の目的わかってるよな…!?戦ってこいってグルちゃんが命令したんか…!』

gr「いや私は何も指示していないゾ?ここまで来たらお前もわかるだろう…?」

ut『何、言ってるんや…。』

gr「──鬱。黙って見てろ。あの紫のロボットが自分の意思を持って行動する瞬間を。」




zm視点

モブ幹部「まさかあの味方最大の脅威がこんな姿になるとはな…w」

そう言いながら俺の目の前に立って銃を構えている。もうトリガーには指を掛けているから少し力を入れれば簡単に俺は射殺される。

zm「…早く殺さんの。」

モブ幹部「お前を殺す前に1つ聞きたい事があるんだ。」

あの実験体は今何処にいる。

zm「そんなん言うわけないやろ…wそんな俺が簡単に言うとでも思ったんか…w?」

モブ幹部「お前を連れて拷問でもして情報を吐かせようかなんて考えたがこんなんじゃ無理そうだな。ここで死んでもらおう。」



─────さようなら。 



パンと乾いた銃声が聞こえた。目を瞑り打たれたと思ったが痛みはさっきと変わらなかった。 恐る恐る目を開ければ、俺の横にどさりとさっきの幹部は倒れていた。誰や、こんな状況で俺を助けられる人なんかおったんか…?


??「……ゾムさん。」


その酷く聞きなれた声がした方を見れば信じられない光景が広がっていた。ショッピ君がハンドガンを持って立っていたのだ。

zm「なんでここにおるん…?命令されたんか…? 」

syp「いえ、命令なんかされてません。

自分が行かないと行けないって思ったから来たんです。 」


そう言いながら後ろから来た沢山の兵士を避けて頭を目掛け撃ち抜いていく姿は避け方も何もかも綺麗で思わず見とれてしまった。踊るように綺麗な戦い方をする人は初めて見たかもしれない。

ずっと見ていたいが、傷の出血は止まらない。どんどん意識が朦朧としてくる。またごぽりと口からは血液が溢れる。折角ショッピ君が助けに来てくれたのに、俺がもう持たないかもしれへんな…w。

ショッピ君が俺の名前を叫びながら前に来るのと同時に俺は自分の意識を飛ばしてしまった。


この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

投稿お疲れ様〜!! フルーツサンド美味しそう、、( zmさんピンチか…!?って聞いたsyp君が初めて命令なしに動くのいいなぁ…!! grさんの保護者感…(

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