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「、、計算合わない」
「どれ?」
宇治はノートを私に見えるように向けた。
「ここのミスかも」
「、、うわ、引き算なのに足し算してる」
式が複雑すぎて、計算で凡ミスをすることが私もよくある。どこでミスしてるのか自分で探すのがほんとに面倒。
「これ、こっちのやり方もあるってこと?」
宇治は問題集の解答を指さして言った。
「それでもできるけど、今やった方のがやりやすいと思う 」
「じゃあ覚えなくてもいい?」
「うん、大丈夫」
「珍しいね、文系で数学好きって」
「、、そうかな」
去年の数学の先生が好きで、それがきっかけで好きになった。
「宇治は、好きな 教科は?」
「最近は科学ちょっと好き」
「、、珍しいじゃん、文系で科学好きって」
「確かに」
宇治は小さく笑った。
「じゃあ」
「ん?」
「あ、いや」
勢いで、科学教えてほしいなんて言うところだった。科学苦手だから。
「苦手なのは数学?」
「うん、数学。幡中は?」
「あー、か、がく」
なぜか少し焦ってしまい変な言い方になってしまった。
「科学?」
「うん、理科は基本あんまり」
「じゃあ、、いや 」
宇治は数学の問題集に視線を戻した。
「「教え」」
やばい、被った?
「、、ふはっ」
宇治が軽く吹き出すように笑った。
「今科学持ってるなら」
「あ、うん」
私はかばんから科学の教科書を出した。