さて、とサーフィーは腕を鳴らすと
加害者にこう言った。
「貴方は差別をしたことがありますか?」
「いいえ。」
「…ほう。それは嘘ですね?」
「……そんなことが、何故貴方に分かるんですか?」
「貴方の目が…私を見てないからです。」
加害者はハッとした顔をすると
火山が噴火したように怒った。
「そんなことございません!!
あまり変なことを言えば交渉を破棄しますよ?!」
「妙…そうだな。」
クルルのポケットから
カッターを取り出すと自分の腕を軽く切った。
「例えば…貴方はこんなことをしたような?」
「なっ…なんでそれを…」
加害者が唖然とした顔をすると
サーフィーは笑ってこう言った。
「交渉会社にぃ〜腕を切られましたぁ〜!
どうしてくれるんですかぁ〜??」
カッターを加害者に握らせると
腕を抑えて無理やり血を出す。
けれども、かすり傷程度でありそんなに痛くはない。
そして、交渉会社の部下たちが駆けつけて
驚いた顔をした。
「?!」
「社長、どういうことですか?!」
「し…し…知らないわそんなこと!!」
「私はやって…私はやってなんかない!」
コーヒーを投げ捨てて
加害者は逃げようとした。
するとクルルが加害者を押さえつけて
椅子に座らせる。
「数年前、貴方は友人にカッターキャーをした。
自作自演だったのだが相手の人生を狂わせましたね。」
「相手は誰にも認められなくなって
ネットで拡散されたりして居場所がありませんでした。」
「その状況を作ったのは…貴方です。」
「貴方はそれから整形しました。
…そして整形して男遊びをしました。
後に男の財布から金を巻き上げ貴方は会社に入る。」
「社長に上り詰め部下を残業させては
男遊び、ギャンブル。」
「分かりませんか。社員が実は苦しんでいるとか。」
「貴方に惑わされたのか。」
クルルが口を開けば開くほど
加害者は唇を震わせて口をパクパクしていた。
「だ…ま……れ…黙れ…黙れ黙れ!!!」
クルルの肩を掴むと無理やり接吻させられた。
加害者はニヤリと笑って言う。
「アンタがキスしたのよ。これは訴えられるわ。」
「…お前からだろうが…」
クルルが殴りかかろうとすると
サーフィーがクルルの肩を掴んだ。
「…おい!クルル、落ち着いて。
口は後で洗いなよ。」
「魔性の女ってのはこんなもんだから。」
サーフィーは笑って、加害者の顎に触れた。
「整形して、顔は良くなったね。
つぶらな瞳は変わらない。」
「…何よ。ナンパ?」
「いいや。お前みたいな性格ブスは嫌いだよ。
てかそれ何?ナンパされるって期待した?」
「は?ウッザ」
「お前がウザいよマジ。
良い女の面してるけどクズ女じゃぁん!」
「というか〜クルルにしたの…モラハラですよ。モラハラ。」
「訴えれますよ。司法で。」
そう言うと加害者はサーフィーの頬を叩いた。
「黙りなさい!!さっきから
ゴチャゴチャゴチャゴチャうるさいのよ!
あの黒人も気に入らなかったの。
皆に人気者で…黒人のくせに…」
加害者が言いかけると
サーフィーが口を開く。
「…黒人だから、何?
俺もイギリス人だけど黒人のことはよく思ってるよ。
白人黒人って言葉すら気に入らないね。
犬の模様みたいなもんじゃん。」
「お前みたいな悪女のほうが質悪いよ」
正論をかましたと思えば
クルルがこう言った。
「接吻…お前が初めてじゃないから良かったぜ。」
「じゃ、警察には連絡している。
出所してから覚えてろよ。」
「へ?」
外にはパトカーが並んでいた。
パトカーからグルが出てくると、男たちが出てきて
会社に入ってきた。
「クルルさん!サーフィーさん!
お勤めご苦労さまです!」
「悪女ってのはコイツですか?」
「そうだ。」
「ありがとうございます!現行犯逮捕!」
加害者は捕らえられて、パトカーに乗せられた。
グルは澄ました顔でクルルに言う。
「散々だったな。」
「散々ですよ。もう。」
「ふぅん。サーフィーも疲れたろ。」
「疲れたよ。殺る気にもならなくてね…」
「ひたすらクルルが可哀想だった。」
サーフィーは心配そうな顔で
クルルを見ると、クルルが舌打ちをした。
「口直しがしたいんですよ。
水道水ありません?あ、グルさんでもいいですよ。」
「…はぁ…水道水なら近くの公園にでも行ってこい。」
呆れた顔をして向こうを指差すと
クルルは「ありがとうございまーす」と言って
公園まで走っていった。
コメント
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黒人でもそういう言葉はだめだよね!