jmside
あぁ、、、、風邪ひいちゃった、、、、
起き上がった瞬間に襲った吐き気と頭痛、信じられないくらいの寒気に
また後ろに倒れ込んでしまう。
でもそこは社長らしく、倒れたままでも、
さーっと今日のスケジュールをまず思い出したが、
運良く、、というか昨日無理したおかげか、
早急の対応が必要なものは思いつかない
休むか、、
気だるい身体を頑張って動かして寝返りをうち、落としてきてもおかしくなかったのに、かろうじてベッドの上に投げ捨てられていた携帯を、
んーっと手を伸ばして手繰り寄せた。
正直携帯の画面すらもチカチカとして、見るのが辛かったが、
会社に連絡しなきゃとメッセージアプリを開く。
すると、1番上にはテヒョンの名前。
そこまで忘れていた、昨日のことがうっすら思い出される。
グクと会ったような気がしたけど、、
あれは夢だったかな、、
ぼんやり考えながら、とりあえずテヒョンの名前をタップしてみる
🐻「無理やりなことしてごめん。
もう俺らは帰るけどまた会おうな」
無理やりなこと、、、、俺ら、、、、
やっぱ夢じゃなかった、、
僕、グクと再会しちゃったんだ、、、
あ、、、公園、、、?
あれ、僕昨日、公園にいなかった、、?
泣いちゃって、
グクに頭を撫でてもらったような、、、
なんだったんだろう、、
夢だったとして、
なんでそんな生々しい夢を、、。
そこから色々考えようとしたけれど、
じわじわと先程の寒気が襲い、
じっとり雪で濡れたまま乾いてしまったスーツでは余計に酷くなりそうで
さっさと会社にメールを送り、シャワーを浴びて着替え、
そのままぐったり3日もの間寝込んだ。
身体がそんな感じでしんどかったから、何となく自分の中で、
あの公園でのグクとの会話は夢だったんだって結論づけて、考えることをやめてしまった。
jkside
会いたかった、、か、、、
あの後、
酔いすぎと泣きすぎでぐったりとしてしまい、
でもかろうじて意識があったヒョンを背負って、
呂律の回らない彼に家を教えて貰いながら、
やっとのことで部屋に送り届けた。
その時、無防備な彼に、安心しきったように身体を預けられてから、
彼に言われた言葉がずっと引っかかっていた。
独り身だって言ってた。
なんだか寂しそうだった。
元々華奢な人だったけれど、
三十路の男性とは思えないくらい痩せて軽かった。
やっぱり僕のことまだ待ってるのかな、、
なんて自惚れた考えが浮かんでは、
そんなわけないだろバカ、と揉み消す。
会社に、社用車ふたつも出すの大変だから一緒に帰ってこいと言われ、
今隣には、
僕が今さらぐるぐるとジミニヒョンのことを思い詰めなきゃいけないきっかけを作り出した、
テヒョニヒョン、その人が平気な顔して座っている
思わずその顔をぶすっと睨むと、
🐻「なんだその不満げな顔。」
視線に気づいたのか、
携帯から顔を上げたテヒョニヒョンと目が合ってしまって、慌ててそらす
🐰「いや別に、、なんでもないです、、」
🐻「なんだよ、変なやつ。
そういえば、俺を先に帰らせてあの後なにしてたんだ?
もしかしてジミナに会った?」
🐰「そんなわけないです、前に友達に教えてもらって行きたかった店が会ったので、」
咄嗟に嘘をついた。
だってジミニヒョンにも、このことは忘れると言ったし、
何よりこんな、なにをしでかすか分からないテヒョニヒョンに言う筋合いはない
🐻「なんだよつまんない、
せっかく会わせてやったのに2人とも冷めてんな〜」
あれだけ久しぶりに会った親友を怒らせて、
挙句の果てに凍える空の下で独り泣かせたというのに、
このヒョンはなんにも懲りた様子がない、
隠れて小さくため息をついた
🐻「あ、ジミナもう怒ってないみたい、よかった。
おい、なんかあいつ、熱出して寝込んでるみたいだぞ、今返事きた」
こんなヒョンでも一応怒らせた自覚はあるのかと感心しながら、
思わずえっ、と反応してしまう
確かに背負って歩いている時、
少し体が熱い気がしたが、まさか本当に熱があったとは、、
正気に戻ったヒョンにどんな顔されるのかが怖くて、
部屋に入るのを見届けたらすぐに帰ってきてしまった自分を今更恨んだ。
彼はすぐに無理をするから、あんまり自分の看病が上手ではなかったはずだ。
🐻「ほらやっぱり気になってんじゃんか、なんで自分から会わないんだよ〜
もうここで降りて、看病しに行ってやれよ、
あいつ、自分の世話なんかできないだろ。」
同じことを思っていたらしいテヒョニヒョンに少し驚く
彼も、流石の付き合いの長さで、ジミニヒョンのことは知り尽くしてるらしい。
加えて今も連絡取り合えている仲であることに、少し悔しくなって、ぶっきらぼうに返す。
🐰「何言ってんですか、行くわけないです。
僕ら、二度と会わないって約束したんですから。
それに、ヒョンに許してもらえるようなこと、僕はまだできていない、、」
最後の方は、自分でもわかる、消え入りそうな声でぼそぼそ言って、
車の窓に頭をもたせ掛ける
隣の車線から僕らを追い越していく車の屋根に、昨日の雪が溶けずに残っているのを見つめながら、
やっぱり心配で気になってしまい、
大丈夫かな、、と彼のことを考えた。
🐻「相変わらず頭の固い2人なんだな、まだどうせ好き同士なのにさ。
ま、それでも俺はいいけどね。」
ボソッと横で呟かれた言葉を理解するのに時間がかかり、
どういう意味、と頭をあげた時には
テヒョニヒョンはもうフードを被って寝入ってしまっていた
僕だって、本当は会いたい、、でも、、
jkside
あの日。
ヒョンに別れを告げられた日。
僕は事務所を出るべきだった。
そう言って、ヒョンを引き止めるべきだった。
でも僕はそれをしなかった。
それが僕にとって、
1番の”間違い”であり、
ある程度この道が板に付いてきた今でも、
ずっと引っかかっている。
どこでバレたのか、
なぜ僕らが恋人同士だと分かったのか、
今になっても何一つ分からないが、
週刊誌に僕らのことがちらっと載ってから
僕らの幸せな生活は崩れた。
ただ、
事務所の人にはイメージダウンするから早く別れろと言われ続け、
世間からの心無い言葉にも気づいてはいたが、
僕はそれを全部頑なに無視し続けた。
僕が我慢すればいいと思っていた
いつか収まるだろうと軽い気持ちで見ていた。
でも、
僕に殺害予告が出た日、
無視しとけばいい、と大して気にしていなかった僕とは違い、
ヒョンの方に限界が来てしまったのだ。
僕は、
自分のどうしようもないエゴで、
全てが上手くいくと思い上がって、
自分を想ってくれる人の気持ちを全部踏みにじって、
欲しいもの全部を手に入れようとしていた。
だから僕は、ヒョンの存在を失ってしまった。
そんな自分の傲慢さに、
1番大事な人が去ってしまうまで気づかなかった。
いや、
僕はまだ、未だに気づいていないんだろう
だってあんな事があったのに、
この貪欲さを消すことが出来ず、
ヒョンに最後に言われた、
“グクはもっと有名になれる”
その言葉を理由にして、
それを叶えることが償いになる、だなんて綺麗事にして、
今までずっと芸能活動を続けているのだから。
当たり前だが、そんなことしてもいつまでたっても、僕の気持ちは晴れなかった。
こんなどうしようもない僕も、
心のどこかで分かってたのだ。
死ぬまで守り続けなきゃいけなかったのはこっちじゃなかったって。
ジミニヒョンの方だったんだって。
ヒョンが、僕と別れたあと、立ち上げたブランドの名前、
「yooseong(ユソン)」、
意味は韓国語で「流れ星」。
僕らにとって、流れ星は大事な思い出だった
ことある事に、街の光が届かない森林に出かけては、
2人で芝生に寝っ転がって流れ星を眺めた。
冬の寒い日も、夏の生ぬるい日も、
2人でそうやって星を眺めて、
都会の雑駁から逃れられたあの時間は、今なお、心の支えになっている宝物だった
だからこそ、その、彼の作り上げたブランドの名前を知った時、
僕はまた懲りずに、
ヒョンの中にはまだ僕がいるんだって思い上がった。
でも、当然と言えば当然か、
彼のブランドのCM起用の話が持ち上がった時、何度もよく分からない理由で揉み消されたと聞いて
僕は、その思い上がりが独りよがりの空想だったことを悟った
ヒョンはまだ怒っているのだ。
僕が芸能活動を辞めればよかったことをしっかり気づいてて、僕のことをまだ許していなかっんだ。
あんなブランド名にしたのは、彼なりの復讐なんだ。
そう思うと、もう顔向けできないと
その時だけは、頭を抱えて落ち込んだ。
有名になればなるほど、
あんなに大事だったヒョンとは、もう二度と会えないと気持ちが落ちていく
その気持ちを誤魔化すために必死で働くから、また僕は人気が出てしまう
さっさと辞めて、ヒョンのところに行けばいいのに、
僕はただ、来るはずのない彼を待つばかりだった。
自分の弱さと、
ヒョンの優しさに甘えていた自分は、
いつまでたっても子供のままだった。
だから、そうやって顔向けできないって思ってたくせに
昨日、テヒョニヒョンに、
ジミナが会いたがってるって言われたら、
それを信じて、のこのことついて行ってしまったのだ。
本当に馬鹿だと思う。
自分の絶え間ないエゴで、ヒョンの世界をまだかき乱そうとしている。
その自覚があるからこそ
酔って弱ってるヒョンにしか、
顔向けできなかった。
コメント
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丁寧な描写と、心持ってかれる💓(๑° ꒳ °๑)沢山のセリフ、1話の長さが本当に本当に有難くて、何度も読み返しながらドキドキ💞してます(*•͈。•͈) 🐰と🐻の言葉の端々が気になる~ゆっくり待ってますね~💜寒くなってきたから、Reo.さまも、風邪ひかないよーに🏥💊💜
Reo.さんが心の中をたくさん言葉にして描写してくださるおかげで、それぞれの登場人物の考えや気持ちがたくさん伝わってきて、ありがたいです🌼 今回は、今まで見えなかった🐰くんの心がわかり、嬉しかった❁¨̮ 🐥ちゃんが怒ってると思ってるのかぁ…😖
お互い想い合ってるのに素直になれないもどかしい感じ🥺🥺 今後の展開にドキドキ💗ワクワク💗気になります!!! 本当に素敵な作品☺毎回引き込まれてもう抜け出せません😍 これからもずっとずっと応援してます♡