テラーノベル
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私は、村上義清殿を訪ねていた。
「関東管領の上杉憲政殿は、今どちらにいらっしゃいますか?」
「……派手に北条に追い出されたところで、私の記憶は途絶えておりまして……」
村上義清が答える
「長尾景虎殿のところに逃げ込んだと、聞き及んでおりますが」
「……」
「そうですか。いえ、どいつもこいつも――」
「……コホン」
私は咳払いをひとつする。
「愚かな北条を叩き潰し、私が元の関東管領の権威を取り戻して差し上げたいと思っておりまして……」
「民を大切にする姿勢は正しいですが、関東管領をあそこまで追い詰めるのは正しくないので」
村上義清殿は、少し考えるように黙った。
「そうですな」
「民からの信頼は得ており、それは正しいと某も思います」
「ですが、北条が関東管領にやったことは……その……」
「大丈夫です」
私は笑顔を向ける。
「続けてください」
「……」
村上義清殿は、少し言い淀んだ後に続けた。
「……方円殿の兄君がやられていることと同じこと……」
「それはやはり、宜しくないかと」
「……なるほど」
私は静かに頷いた。
「それと……小笠原殿から聞き申したが」
村上義清殿が、少し言いにくそうに続ける。
「諏訪の民衆に、兄君は……」
「ええ」
私はにっこりと微笑む。
「今もしっかり水牢で教育されていますよ^^」
「……」
「ただ、あの軍師と信繁は、未だに抵抗しているようですがね」
「┐(´-д-`)┌」
私は肩をすくめる。
「間違いを認めない身内は……」
そして、にこやかに笑った。
「怖いですわね……」
富来 えび
122
#自分用
富来 えび
20
һагυ_彡
238
コメント
1件
読み終えました。この語り手の方、笑顔の裏に何か秘めてそうでぞわぞわします……!「水牢で教育中」の台詞と、にっこり笑いながら「怖いですわね」の緩急がたまらなく好きです。村上義清が言葉を選びながら話す感じも、この時代の重みが伝わってきました。続きが気になります!