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#エルフ
桜井正宗@オートスキル1巻発売
6,950
上野文
4,013
あのち
226
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第15話
次の日。
今日は僕が産まれた日。フリオを含めて殆どの人が知らない。毎年、ソフィーとお祝いするけど今年はもう祝わない。
そう思っていたけど「おめでとう。ソフィーから聞いたの……間違って無いかな?」とアニカがプレゼントをしてくれた。
多分耳まで真っ赤になっているだろう。アニカはそれを見て楽しんでいるようにも見える。
僕はぎごちない動きでプレゼントが入っている紙袋を受け取った。中身を見ると耳飾りが入っていた。
あのソフィーにあげたような石が使われていて、でも、ソフィーのより少し薄いようにも見えた。
「貴方の瞳に似ていると思ったの。ソフィーより少し薄いように思ってたから……」
僕はアニカが全部言い終わる前に耳飾りを着けた。どんな感じかは分からないけどアニカは頬を染めている。
「似合ってる。良かった」
そう言って微笑んでいる。
僕はあの日からずっとこれを着けている。もちろん、外さないといけない時は外すけど、大体の時は着けている。
僕が家族以外から貰った初めてのプレゼント。とても嬉しかった。
あと一ヶ月でアニカと出会ってから一年が経つ。
冬の間はそんなに大きな問題は起こらずに平和だった……とは言い難い。色々な魔獣の被害報告やがあった。
僕も魔獣を倒したり色々と楽とは言い難い感じだった。
朝は、勉強をする。あれから結局王城の一部屋を貸してもらっている。
何ヶ月か続けているけど一向に喋りの技術が上がる事は無かった。その他はなんとなく形になってきた気がするけど、まだまだやらないといけない。
背は、全然伸びない。夜はなるべく寝ているし、牛乳も飲んでいるけど、伸びない。
ちょっとショック。
喋りと高くない背は僕にとってかなりのコンプレックスであった。
勉強が終わると朝食をとって、鍛錬を始める。仕事が入ったらそっちに行くし、無ければ素振りや手入れをしたりする。
日が暮れると夜の支度をしてからまた自習。日をまたがない内に寝て日が上がる前に起きる。
それを繰り返していた。
「ロルフ。最近、無理をしてない? なんだか、夜部屋の前を通ると明かりがついたままだったり、朝も私が起きて眠れなかった時にはもう物音が聞こえたり、それに、疲れているように見えるから……」
アニカが山道を歩いているとポツリ、そう言った。
え? そんな風に……
僕は一瞬びっくりしたけど、首を横に振った。
「なら良いんだけど……あまり、抱え込まないでね。相談とかだったらいつでも乗るから」
そう微笑んで言ってくれた。
その日はアニカの散策と近くの村の視察をして日が暮れた。
僕はアニカに言われた事を心の中で繰り返していた。
疲れているように見えるか……実際はどうなんだろう?
……分からない。
いつも出る答えは一緒。『分からない』ただそれだけ。
次の日、夜にアニカの部屋の前を通るとすすり声が聞こえた。
僕は思わず立ち止まってしまった。部屋の中には一人でいるのだろう。アニカ以外の気配はしない。
「おかっさま……私はっ、どうすれば……力がつかっえるように……」
僕は気づかれない内にその場を去ったけど、気になった。そんな事、僕には感じられなかった。
今まで、全然そんな気持ちに気づけなかった。
悔しかった。やるせなかった。拳を握って持ち慣れない剣で傷ついた手の手当てを始めた。
一週間後。
僕はグローブを買った。使い慣れていた剣が折れてしまったので代わりの剣を使ったら手が傷ついてしまった。なので、作ってもらったけど、これはこれで掴みづらい。
う〜ん……我慢するか……
僕は剣を置いて、槍に持ち替えた。
槍だったらそんなに違和感は無いけど、やっぱり掴みづらい。
そんなこんなで慣れない練習でどっと疲れた。
夜はゆっくりお風呂に浸かってから部屋に戻ろうとしたけど、アニカに呼び止められた。
「最近、手の傷が気になったけど……一体何をしているの?」
「剣が折れたから持ち慣れない剣に変わっただけ。大丈夫」
「そう……呼び止めてごめん。おやすみ」
「おやすみ」
そう言って僕は部屋に戻った。
何だか心配されちゃった……何かすれ違わないといいけど……
僕はそんな心配をしながら薬草について勉強した。
次の日はアニカが一人で過ごすというので、僕は鍛錬をする事にした。
だけど、グローブのせいか、それともほかの何かが原因なのか分からないけど、思った通りにいかず、落ち込んでいた。
ここ二ヶ月くらい、弓にも手を出しているけど、全然当たらない。僕は必死に練習した。
「大丈夫か? 最近、やけに頑張っているようだが……何かあったのか?」
団長が後ろから話しかけてきた。
「いいえ、家族の事で色々とありまして……大丈夫ですよ。そんな心配する程ではありませんから」
「そうか。何かあったら必ず言うんだぞ」
僕は頷いていなくなった事を確認してから大きなため息をついた。
家族、の事だけかな? ……分からない。
空に向かってまた大きなため息をついた。
コメント
1件
第16話、読み終えたよ〜!!😭💕 アニカからの誕生日プレゼント、めっちゃエモい…!!ロルフの耳元で揺れる石、アニカの視点が込められてるの最高に尊い…。それでいて、お互い無理しちゃってる感じがじわじわ切なくて…アニカのすすり泣きに気づいて拳握るロルフにこっちまで胸がぎゅっとなったよ…。二人の距離が縮まってるのに、すれ違いも見えてきて続きが気になる〜!!🌸✨