コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ふう、、、、これくらいで大丈夫かなあ、、、、」
私はほうきをもちながら、掃除し終わった境内をみて、一人つぶやいた。
私の名前は天音詩歌。
一年前に亡くなったうめおばあちゃんの跡を継いで、このほたる神社の若巫女をしている高校一年生だ。
けど、今は春休み中。
だから、若巫女のお仕事に集中できるんだ、、、、!
「わんっわんっ!」
「あっ、天!」
元気に叫びながら私の胸に飛び込んできたのは、飼い犬の天。いつもわんぱくな、私の大好きな家族だよ。
「もう、、天は朝から元気だなあ、、、、」
「わん‼️」
さらに飛び込んできたっ、、、、!
「ふふっ、、かわいいねえ、、、、」
そう言いながら、天とたわむれていると、
「あの、、、、ちょっといいか」
声が聞こえた方向を見ると、紅白髪で顔立ちが整っている一人の男の子が立っていた。
わっ!、、、、び、びっくりした、、、、」
「、、、、っ!わるい」
「いえ気にしないでください、、、、えっと、何かご用ですか?」
独り言のつもりがっ、、、、汗
「いや、その、(小声)かわいいなって、、、、」
え?
「あっ、この子のことですか?天って言うんです!かわいいですよね!」
私が思わず満面の笑みでしゃべると、その男の子はこくりと頷いた。
「あ、ああ、そうだな」
そう言いながら、その男の子はしゃがんで、天の頭を撫でた。
「わん〜」
うれしそうにブンブン尻尾をふる、天。
そんな天を見ていたら、ふっと笑みが浮かんだ。
「天、よかったね!」
「天、、、、っていうんだよな、この犬」
「あっはい!そうです!」
ちらりと男の子の方を向くと、幾分か表情が緩んでいた。
「やっぱり、動物はいいな」
「動物、好きなんですか?」
「ああ、大好きだ」
「へえ、そうなんですね、、、、」
ーシーンー
うう、、、、、気、気まずい、、、、
な、なんか話さないと、、、、
そう思って、口をひらいた瞬間、
「犬、、、、のことももちろんだけど、お前に声をかけたのは、聞きたいことがあったからなんだ」
「え?わ、私に聞きたいこと?」
「ああ、おまえもしかして、、、、天n」
と、その男の子が息を吸い込んだときだった。
「轟ー置いてくぞー」「遅れちゃうよー!」
突然、そんな声が聞こえてきた。
「!、、、、」
その男の子が、はっとしたような顔になる。
「早くー!」
男の子は迷っているようだった。
あっ、、、、、
「えっと、、、、誰かが待ってるのなら、いってももらっても私は平気ですよ、、、、!」
「あ、、、、ん、わりいっ!」
そう言い残して男の子は走り去っていた。
姿が見えなくなったとたん、私はへなへなと座り込んだ。
「び、びっくりしたよ、、」
天が私を心配そうに見る。
「わん?」
「あっううん、平気だよ、、、、ただ急に話しかけられて驚いただけ、、、、」
私は苦笑いを浮かべた。
「あの子、、、、何聞こうとしてたんだろ、、、、」
私はそのとき、まったく想像していなかった。
一ヶ月後、その男の子と、とある場所で再会するなんて、、、、。
そう、これは私の青春物語だ。
(主 次は転校初日のお話だよ〜!)