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絹ごし木綿豆腐
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sik「 」のみ 他の人 名前+「」本文中にキャラクターの死亡描写が含まれます。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
カゲツくんが亡くなってからずっと快晴だ。ずっと曇ってたのに、今まではこんなこと、良くて晴れだ。初めてこんなに晴れた。
日差しが痛い…
真夏のように太陽がギラギラと輝き、世界を焦がす。ここは現世?元いた場所?みたいなコンクリートジャングルでは無い自然溢れる場所ではあるが日陰が少ししかない。現世は秋だったよな。残暑か…?
太陽の下で焼かれていると、
hsrb「大丈夫ですか〜?」
「ぅわ゛あーー゛!!るっるるッるべくん?!」
視界の上側からにゅと顔が出てくるので思わず驚いてしまった。るべくんはそんな俺の反応にうんともすんとも言わず隣に座る。
「どうしたの?」
hsrb「いやぁ〜、別に…ただ心配になって来ただけですよ〜。最近テツ落ち込んでるようだし」
彼は心配してきてくれたようだ。何も考えて無さそうだけど彼は考えて行動してくれてる。
「そっか、ありがとね…」
二人の間に沈黙が生まれる。だがその沈黙は気まずいものではなく安心、リラックスしている沈黙だった。
少したってるべくんが口を開く。
hsrb「…凄い、晴れてますね…」
軽い雑談のようだ。
「そうだね…」
お互い受け答えがゆっくりだ。
hsrb「俺、この晴れ方…嫌いです…」
「どうしてだい?」
hsrb「なんか、カゲツが死んだからこんなに 晴れたような気がして。カゲツがいる時は全然晴れなかったくせに…居なくなった途端晴れ始めるなんて。彼の病気のせいで、曇ってたって、言ってるような気がして。」
るべくんは空を見上げ言う。
hsrb「けど、天気なんてもんはランダムだしこんなことただの偶然だと分かってはいるのですが…こんな考えを持ってしまう俺も、この天気も嫌いなんです。」
そんな不安や不穏な考え、誰でも思いついてしまう。皆考える事は同じだ。
「…俺も嫌だな」
風がサーッと頬を撫でる。
そろそろ見回りの時間だ。行かなければ。
「るべくん、俺見回りに行かなきゃ。」
hsrb「…そうですね。俺も戻ります。」
そういい二人は立ち上がり、施設へ戻っていく。まだ太陽はさんさんと煌めいていた。
るべくんの経過観察を終え、他の人のところに行く。るべくんは特に変わった様子が内容だが、話を聞く感じ、また少し忘れっぽくなっているようだった。落ち込んで何も手につかないのか、どうなのかは分からないが、少しサポートをしてあげよう。
次はロウくんだ。最近彼の気配があんまり感じられない。呼びかけても気づいたら後ろにいる感じ。なんだか、存在が消えてってる?けど、話してるとはっきりしてるんだよな。
そんなことを考えながらロウくんの部屋の前へいく。
コンコン
「ロウくん、入ってもいい?」
ガチャっと扉が開く。ロウくんが扉の隙間から顔を覗かせる。部屋が明るい。まだ真昼間なのに部屋中のありとあらゆる電気をつけていた。
「大丈夫じょうぶ?ロウくん、」
ロウくんの顔色が悪いような気がする。
ロウくんはゆっくり一回頷き筆談ノートに書き始める。
『経過観察だな』
話がはやい。
「そう。なんか、自分で前と違うみたいな事ない?」
ロウくんは少し考えて、
『ないな、』
と書く。俺的には病気が結構進行してるように見えなくもない。気にかけてあげなくては。と、思うがもしかしたらそれがロウくんにとっては負担なのかもしれない。彼の心情を探ってみなければ。
「ところでさ、なんで電気つけてるの?まだ明るいのにさ」
彼は表情一つ変えずノートに書き始める。
『気分。だが、理由を強いて言うなら少し暗闇が怖いってことだな』
「へー、それはどうしてだい。」
『分からない』
「そっか」
多分、多分だが彼はなんで暗闇を恐れているのかを自分で分かっているはずだ。話してて思った。けど、何故怖いのかは俺には分からない。
とりあえず、今日はここまでにしとこう。
「ありがとね、ロウくん!」
俺はロウくんの部屋を後にする。
彼は小さく手を振ってた。
kyng「………」
次はライくん。彼はとくに変わりがないように見えるが…
コンコン
言葉を発する前にガチャっと扉が開く。
inm「テツ、経過観察の時間だね」
何も言わなくても彼は分かったように部屋へ誘導する。
「じゃあ…ライくん、前から変わった事はあるかな」
ライくんはすぐ、
inm「ないよ」
と、答える。その返答はまるでロボットのように義務的で、素早い回答だった。
なにか違和感を感じる。彼はいつも答える時はもっと優しく、そしてどこか悲しげにしてた。
「…ねぇ、ライくんは…さぁ、マナくんがいなくなってどう思ってる?」
踏み切った質問をしてみる。
inm「人が少なくなったと感じる」
あぁ、そうだ彼はもう心まで機械になってしまったんだ。ホントのライくんは悲しがる。悔しがったはずだ。もう、感情がなくなってしまったんだ。機械病が進行して…
「そっか、ごめんね変な質問しちゃって」
inm「ううん、経過観察だから」
「じゃあ、ゆっくりしてね」
彼もまた、二人みたいに…
なんて考えてはいけない。どうすればいいか考えなければ。
リトくんの部屋につく。
コンコン
「あれっ?留守か?」
反応がない。なんか不安なので申し訳ないが扉を開けて見る。前みたいなことになってると大変だからな。
「失礼しマース」
いない…どこか行ったのか?とりあえず先にウェンのとこに行こう。なにか知ってるかもしれないし。
コンコン
「ウェンくーん?いるー?」
声をかける。
akg「はいは〜ぃ」
陽気な声が返ってくる。扉が勢いよく開く。
oh!クリティカルヒット!
「ぃッだーーぃ!」
顔は無事。だが、足の指がぁ指がぁッ!
痛みで蹲っていると、上から
akg「あっ、ゴッメーン☆そんなんなると思わなくてぇ」
usm「コ!コッコッコッ、コケーw!」
と、陽気な声が聞こえた。
慌てて顔をあげるとウェンくんの後ろにリトくんがいて爆笑していた。
「ぁぁぁ゙ーー!リトくんいた!」
名前を叫ばれたリトくんはビクッとし、アワオロしてる。
「経過観察!の時間!」
二人は《あー》と声を揃えて言う。
akg「じゃぁ、二人一緒にすれば楽ぢゃ〜ん!」
usm「そうだな、いいよなテツ?」
「君たちがいいなら…」
その言葉を聞いた二人は俺を引っ張って部屋の中へ連れてった。
「はい!じゃ、まずリトくんから、前と変わった事はある?」
usm「少しだけ電気の量が増えたかな?」
リトくんも病気が進行してる。少しだが、一歩一歩着実に、けど今はそこまで気にしなくても良さげではある。
「OK、じゃあこまめな放電意識だね。他には?」
usm「特に、強いて言うなら星導が心配かもだな。なんか最近物忘れが酷くなってるからな。」
akg「おじいちゃんじゃんw」
リトくんもるべくんの事を気にしてる。より長い期間一緒にいるから異変は察知しやすいのだろう。彼も要観察かも…
「次にウェンくん、君はどうだ?」
今、正直彼が1番心配だ。兄弟のようなカゲツくんと喧嘩別れしてしまったのだから。もう一生会えないのに。けれど、彼は俺の予想とは反対に、
akg「大丈夫。確かにカゲツきゅんの事は悲しいし、とてもショックだった…けど、最期にカゲツきゅんの言いたいこと聞けたし、お兄ちゃんがいつまでも暗いと心配しちゃうでしょ!」
彼はなんて、逞しいのだろう。目の前で兄弟同然の大切な人が無くなったのに前を向いている。凄いよ…ウェンくん。
「OK…じゃあ身体に変化ってか不調はない?」
akg「う〜ん、なんか、鱗が広がってってるのかな。少し背中が痒いかも。けど、それ以外はな〜んも。」
痒い…確実に進行してる。絆創膏だけじゃ足りなくなってきてる。とりあえずは多分いちばん酷い背中に貼っておこう。
「はーい、ありがとね」
経過観察を終えた俺は戻ろうとするが、二人に止められてしまった。
akg「待って。テツもさ、隠してるよね…辛いの。」
痛いところを突かれる。
usm「お前この頃あんまり寝れてねぇだろ。」
更に痛いところを突かれる。
「ぅ゙、なんでだい?」
誤魔化せないかと聞いてみる。
akg「だって、隈が日に日に濃くなってってる。色んなことあったから寝れないだろうけどさ。」
usm「後、お前泣きそうな時裾ギュって掴むだろ。ずっとそれしてる。」
ぁーあ、バレちゃった。確かにそうだ。最近全然寝れてないし、みんなの前では泣きたくない。それが俺の本音だ。何を言えばいいだろう。そう、俺が言葉を出すのに迷っていると、
ギュッ
暖かいものが俺をつつむ。ウェンがギュッとしてくれてる。いつものチョケじゃなくとても暖かい抱擁だった。
akg「テツもさ、泣きたい時は泣いていいんだよ。一人で全部抱え込まなくていいんだよ。」
リトくんが背中に手を置く。
usm「迷惑上等ってお前が言ったんだろ。俺らはお前に迷惑をかける。そしたらお前も俺らに迷惑かけていいだろ。大前提、これは迷惑とは思ってないけどな。いくらでも頼って欲しい。」
格好悪いところは見せたくない。けど、これは格好悪くない。二人は本当に優しいなぁ。
…やだな、死んで…欲しくないな……
そんなことを思いながらゆっくりと瞼を閉じる。安心したのか眠気が襲ってきた。俺の意識は段々と朦朧としていき、
akg「お休み、テツ」
という声が最後に聞こえた。
目が覚めるどれくらい時間が経ったのだろう。外は夕日がさしていてとても美しい景色が広がっていた。
usm「おはよ、テツ」
横から声が聞こえる。リトくんがいた。俺の隣にはウェンくんが寝ていた。短い時間だったがいつもよりしっかり寝れたような気がする。
「おはよう、リトくん。」
挨拶を交わし、ベッドから降りる。日記を書かなければ。
usm「もう行くのか?」
「あぁ、日記を書かなきゃだからね」
usm「そうか、んじゃな」
彼は軽く手を振って見送ってくれた。
コメント
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第9話、読み終わったよ…。ずっしり来る回だったな。 るべくんが「カゲツが死んだから晴れたみたいで嫌だ」って言うところ、すごく分かるよ。天気が偶然だって頭では理解してても、気持ちが追いつかないもんな。 テツがみんなの前で泣けないで裾をギュッと握る癖、ってリトくんにバレてるのがまた切なかった。ウェンくんの優しい抱擁でやっと眠れたシーンは、こっちもほっとしたよ。 みんなそれぞれに進行する病気と向き合ってて、見守るテツの辛さが伝わってきた。次も読みたい…続きが気になる!🔥