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大森視点
背中に感じる壁の冷たさと、目の前にいる涼ちゃんの、見たこともないほど冷ややかな目線。
「……っ、ん、あ……」
耳元で囁かれるいつもより低くて強引な声。
いつも優しくキーボードを叩くその指先が、今は俺の肌を容赦なく支配している。
手首を固く押さえつけられて、逃げることなんて最初からできない。
身体は正直で、こんな状況なのに涼ちゃんに触れられている場所から、火がついたように熱くなっていく。
「涼、ちゃん……っ、だめ、誰か……来たら……」
必死に声を抑えて抗議するけど、彼は俺の言葉なんて聞いていない。それどころか、わざと意地悪く、僕の敏感なところを触っくる。
(なんで……ただ、若井と笑ってただけなのに……)
でも、涼ちゃんの瞳を見ればわかる。そこにあるのは、嫉妬の色。
普段の穏やかな彼からは想像もつかないその強引さが、俺の奥底にある、彼に愛されたいという本能を激しく揺さぶる。
「あ……っ! や、だ……そこ……」
涼ちゃんの指が俺の衣服を乱し、さらに深いところへ侵入してくる。
外ではまだ、若井とスタッフさんたちが談笑している。若井かスタッフさんが俺たちを呼びに来るかもしれない。
そんな恐怖が、逆に感覚を研ぎ澄ませて、触れられるたびに身体が痺れるような快感に突き落とされる。
「……声、漏れてるよ。我慢しないと、外まで聞こえちゃうかもね?」
涼ちゃんが意地悪く笑って、口を塞ぐように深くキスをした。
強引な舌の動きに、思考が真っ白に塗りつぶされていく。
鼻に抜ける涼ちゃんの香りと、口の中に広がる熱。
頭の中は、目の前にいる涼ちゃんのことでいっぱいだった。
「ん……んぅ……っ!!」
俺は自由にならない手で、せめてもの抵抗のように涼ちゃんの手に爪を立てた。
でも、それは彼を制止するためじゃなく、もっと強く求めてしまう自分の弱さをごまかすためだったのかもしれない。
「……いい声。ねぇ元貴、今、誰のこと考えてる?」
耳たぶを甘噛みされながら問われて、俺は涙で滲む視界の中、彼を強く睨みつけた。
「……っ、涼ちゃん、の……ばか……っ」
その言葉が合図になった。
涼ちゃんの瞳にさらに深い色が宿り、彼の手がいよいよ容赦をなく俺を追い詰める。
ただひたすら、彼から与えられる快楽に翻弄されるまま、声を殺して、震える身体を彼に預けるしかなかった。
藍月