「 ええ 、勿論です。 」
「 ……あの日。裁判が終わって 、宍戸は週刊ジャーナルに晒された 。……もう 、全て終わったんだ 。そう 、思った 。 」
彼は 軽く息を整えて言葉を紡ぐ
「 だが 、あいつは 、っ 宍戸は 、 」
呼吸が段々と荒くなっていく
「 突然 っ 、俺の まえに 現れた 、 」
「 もう 、あんなことはしない 。させない 。と誓ってくれれば、それで 、よかった 。だけど あいつは …!! 憎ったらしいあのツラで 、ボールを俺に 、見せつけてきた
目の前で 溶けたはずの 、あのボールを
勿論 、奪い取ろうとした 。でも 、無理だった
……俺が 宍戸に使った 、麻酔と同じものをあいつは持ってた 。…あの時みたいに 、肩に思いっきり刺さって 、身体の自由が効かなくなっていった
そこからが本当の地獄だった 。
あの忌まわしいボールを口の中に押し込まれて 、被害女性の話を永遠に聞かされる 。彩られて 、美しい言い回しで物語になった彼らの話 。時には 『こうやって 殺したんだ』って 、俺に 実践してくる 。何度 “いっそのこと今死んでやろうか” と思ったことか 。死なない程度の麻酔だから 、死ねない地獄は 、ずっと続いた 。
…今日みたいに 、何もせずに俺を弄ぶことも少なくはない 。はじめは 、ラッキーだと思っていた 。でも 、そういう日は ゆっくり 、俺の顔を凝視しながら 、愉しんでいるように見えた 。で 、ある時 トラウマがちゃんと植え付いてるかの確認のために来てることに気づいた 。
クズだと思った 。
実際 、あいつが行う拷問を俺の身体が受付けなくなっていた 。あいつを見るだけで顔が強ばった 。あいつの足音を聞いただけで手足が震えて 、動けなくなった 。あいつが 、麻酔を使う前から 、抵抗する気が…起きなくなった 。俺が ひとに触れられるのが怖くなったのは 、全部あいつのせいだ 。
宍戸は 、ひとの心をいとも簡単に弄ぶ 最低な男なんだよ … 」






