コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昔々、あるところに妖と人間がともに暮らす村がありました。
その村にいいた妖が、突然、裏切りを起こしました。
“食料がないから、人間を食べる”――と。
でも、それは嘘でした。
本当は、人間が裏切ったのです。
“食料が尽きてしまった。さぁどうするか。” ”妖が食べる分を、人間が食べればいい。” ”妖はどうするんだ?” ”そうだ、殺せばいい。”
実は、食料がなくなったのは人間のせいでした。もともと妖はそんなにたくさん食べません。
人間が欲張ってたくさん食べてしまった結果がコレです。
ですが、人間は自分たちの失敗を認めない、卑怯者です。
もちろん、このことは全て妖のせいにしました。
さらに、このことが他の村にも伝わり、数年後にはついに”妖討伐隊”という政府公認の組織が作られました。
妖は、本来自分たちの領地であった森ですら奪われてしまいました。
“妖”は、今は人間に化けて暮らしています。
もしかしたら、あなたのそばにいる人、”妖”かもしれません。
💗「ねー、りうらくん、どっか行っちゃうの?」
❤「…なんで?」
💗「さっきね、先生たちがね、りうらくん、”買い手”が見つかったって言ってたんだよ!…僕達、もう会えないの…?」
❤「…”買い手”?」
💗「うん。”親”って言ってた。たぶん、”買い手”っていうのは、”親”だと思う。」
❤「知らないよ、そんなの…。」
💗「りうらくん!」
❤「なぁに?」
💗「僕たち、はなればなれになってもずっといっしょだからね!」
❤「…うん!」
💗「約束だよ!」
施設の人「りうらくん、ちょっとお話があるんだけど…」
❤「なぁに?ママ?」
※施設の子供は施設の人のことを”ママ”と呼ぶ※
施設の人「あのね、りうらくんの、”親”ができたんだよ。」
❤「…それって、”買い手”?」
施設の人「…知ってるのね、そうよ。買い手。でも、今日からあなたの親です。」
❤「僕の、おや…。」
施設の人「うん、仲良くしてあげてね。」
❤「…うん!!」
施設の人「それじゃあ、荷物をまとめましょ。」
❤「うん。」
数分後…。
施設の人「りうらくーん、まとまった?」
❤「うん。」
施設の人「それじゃあ、行こっか。」
❤「まって、その前に、ないくんに言いたいことがあるの!」
施設の人「言っておいで?」
❤「うん!」
❤「ないくん!」
💗「りうらくん!」
❤「あの、ね。」
💗「…もう、行っちゃうの…?」
❤「…うん、でもね、約束しに来たんだ!」
💗「やくそく…?」
❤「うん!10年後、またここで会お!やくそく!!」
💗「うん!」
❤「それじゃあね!僕、もう行かなきゃいけないから…。」
💗「…うんっ、ばいばい!またね!」
❤「ばいばーい!!!」
施設の人「…お別れは済んだ?」
❤「…ううん、」
施設の人「お別れしてないの?」
❤「…うん、お別れじゃなくて、やくそくしてきたの。また会おって。」
施設の人「…そっか、よかったね。いつでもおいで」
❤「はい!」
施設の人「…それじゃ、またね。いつかまた来てね。」
❤「うん!またね、ママ!」
施設の人「ばいばい。」
❤約束してから、明日で10年…。ないくん、覚えてくれてるかな…?
―――でも、それよりも…。
妖討伐隊「いたぞ!捕まえろ!」
❤「…チッ。」
❤りうらは、妖だ。生まれたときから妖。
親に捨てられて、施設に入った。
妖ということは伏せていたが、ないくんと仲良くなれて本当に良かった。
…あのあと、親に引き取られてからは、地獄のような日々だった。
家からは出させてくれない。親は”過保護”と言っていたが、そんなんじゃない。監禁だ。
早く独り立ちしてないくんに会いたかった。
りうらは、脱走するしかないと思って、脱走を何度も測った。
…でも、無理だった。どこから出ても、警報がなる。
どんなに頑張っても、捕まっての繰り返し。
諦めかけていたその時に、抜け道を見つけた。
そこから逃げ出したはいいものの、その後にすぐ妖かしということがバレてしまい、通報された。
あいつら―――、”妖討伐隊”は、どこに逃げても追ってくる。
それこそ、海に逃げようが、海外に行こうと。
❤「はッ、はッ…、」
プシューッ「ドアが閉まります、ご注意下さい。」
❤入れた…、なんとか。
妖討伐隊は、電車の中にいたとしても絶対に捕まえない。
それは、周りの人に危害が及ぶかもしれないから。
出た瞬間、捕まえられることもあるけど…。りうらは”兎”だから、細いとこも通れる。ラッキー。
…どうしよう。約束した場所に行くのはいいけど…。
ないくんに迷惑かからないかな…?
―――もし、りうらのせいでないくんに迷惑がかかったら?ないくんが、怪我したら?
…そんなことは、絶対にさせたくない。
だったら、りうらは行かないほうが――。
いや、でもないくんとの約束を破るわけには――。
プシューッ「ドアが開きます、ご注意下さい。」
妖討伐隊「――いたぞ、追え。」
❤「チッ、バレたか。」
妖討伐隊「妖が出ました、避難をお願いします!」
❤こんなとこで、死んでたまるか…よッ!
妖討伐隊「避難が完了しました!打っても構いません!」
妖討伐隊「よしっ、打てッ!」
パンッパンッ!!
❤「…ッ!」
妖討伐隊「今だ!取り押さえろ!」
❤ないくんに、会うまでは、死なない…!絶対…!
パンッ!
❤「いッ…!」
❤ちき、しょ…おッ、足…、打たれ…ッ!
妖討伐隊「早く!」
❤まだ、まだ…!……今だッ!
ヒュッ!
❤よかった…っ、ギリ左足のほうが生きてた…!
兎は、スピードとジャンプ力だけはあるからな…!
妖討伐隊「あっ!」
妖討伐隊「逃げました!」
妖討伐隊「追えッ!なんとしてでも捕まえるんだ!」
❤「はッ…、はッ…、」
ズリッ、ズリッ…
❤この血の量じゃ、隠れても、捕まるだけか…!
妖討伐隊「いたぞーっ!捕まえろ!」
❤「早……⁉」
妖討伐隊「よしッ!確保完了!」
❤な…?これ、…?ふわ、ふわして…?
バタンッ
妖討伐隊「効いたか…、妖にのみ通用する睡眠薬…!玉に仕込んどいてよかった…!」
バッ!
❤ここ…、どこだ…⁉地下…?窓が一つ…、牢屋?
妖討伐隊「起きたか。」
❤「…誰?」
❤念の為、声を少し低くする。
妖討伐隊??「そう警戒するなって。」
❤「…りうらに、なんの用…?」
妖討伐隊??「俺はいふ。妖討伐隊の一員だ。よろしくな。」
❤「よろしくって言ったって、どうせりうらを殺すつもりでしょ?」
💙「そんなことしねーよ、俺だって…」
❤「…なんだよ?」
💙「いや、なんでもねーや。」
❤「…ふん、好きにしろ。」
💙「ま、これからよろしくな、りうらくん?♡」
❤「チッ、語尾に♡付けるなよ…気色わりい。」
妖討伐隊「…」
スッ
❤「…何?」
妖討伐隊「スケジュールだ。コレをしっかり読んでおけ。」
❤「…すぐに殺さなくていいの?りうら、悪い子だから逃げちゃうかもよ?」
妖討伐隊「その心配なら無用だ。ここの地下は絶対に出れない。窓の鉄格子には電流が流れている。ドアもそうだ。ここの管理人じゃないと開け締めできない。」
❤「開いてるすきを狙って逃げたら?」
妖討伐隊「それはできない。このカードを持ってなければ、絶対に弾かれる。…なんなら試してみるか?」
❤「…いい、痛いんでしょ?どうせ。」
妖討伐隊「あたりまえだろ、そりゃそうだ。窓よりも強い電流が流れてる。」
❤「ふーん、」
妖討伐隊「…それよりもお前、感謝しろよ、いふさんに。」
❤「は?」
妖討伐隊「本来ならお前みたいな弱い兎なんて、すぐに殺されて終わりなんだよ。でもいふさんがお前は地下に入れておくって、殺さないように上に頼み込んだんだからな。」
❤「あいつが…?」
妖討伐隊「ま、どうせ死ぬ運命なんだから。最後くらい楽しめよ。なんか欲しいものあったら、自由時間に言え。」
❤「自由時間なんてあるんだ…。」
🐇タイムスケジュール🐇
8:00 起床
8:10〜8:40 朝食
8:40〜9:00 自由時間
9:00〜12:00 労働
12:00〜12:30 昼食
12:40〜14:00 労働
14:00〜18:00 自由時間
18:00〜18:40 夕食
19:00〜19:30 風呂
19:40〜20:00 読書
20:00〜22:00 自由時間
22:00 就寝
❤「…思ったよりも自由時間多いな⁉」
妖討伐隊「それも、いふさんのおかげだからな。本来なら朝5時に起床、朝食は10分。その後すぐにきつい肉体労働。午後1時から10分間昼食、また肉体労働。午後9時に夕食、風呂は3日に一回、10分。就寝は早くても午後11時だ。」
❤「…げ、最悪じゃん。」
妖討伐隊「それ、全部いふさんが上に頼み込んだの。…お前のために。」
❤「なんでそこまでするの…?」
妖討伐隊「いや、俺に聞かれても知らねぇよ。そういうことは直接いふさんに聞けよ。」
❤「…そっか、あんがと。」
妖討伐隊「なんか、そこまでおとなしい妖初めてかも知んねぇな。」
❤「そうなの?」
妖討伐隊「ああ、普通は喚いたり泣き出したり、”能力”使い出すやつもいるからな。」
❤「そいえば、りうらたちを”狩る”人とは違うんだね、管理者って。もう少し気性の荒い人かと思った。」
妖討伐隊「俺らをああゆうのと一緒にするなよ、そんなに馬鹿じゃねえ。」
❤「…ところでさぁ、」
妖討伐隊「話聞けよっ!!」
❤「今は午後1時だから今から働くの?」
妖討伐隊「あー、続けるのね。…今日はいいことになってるよ。明日からだ。ちゃんと休んでおけ。」
❤「はいはい。わかりましたよー。」
❤とはいいつつ、どうしよう…。ないくんに会いに行けなくなった…。
ないくん…、りうらが、妖だって知ったらどう思うのかな…?友達やめられるのかな?
友達……。りうらは、友達じゃない、それ以上になりたいと思ってる。でも、でも。
りうらは、妖だから、ないくんと対等じゃないい。なら、気持ちだけでも…、と思ったけど。
妖斗討伐隊「おい、お前。今日は9時には就寝だ。少し早くなってる。風呂で必要なものとか、あるか?」
❤「なんでもいいの…?」
妖討伐隊「まぁ一応、なんでも頼めるはずだが…?」
❤「それじゃあ、シャンプーとリンス、トリートメントは〇〇会社ので、洗顔のは△△、ボディーソープは、◇◇。あとーーーーーで、よろしく。」
妖討伐隊「多いな?まぁ発注しておくけど。」
❤「あ、忘れてた!それと、リップも!10個お願い!」
妖討伐隊「なんでそんなにリップがほしいんだよ⁉」
❤「いや、なんかリップないと落ち着かなくてさ。」
妖討伐隊「ふーん、どうでもよ。」
❤「いや聞いた意味よ。」
妖討伐隊「それじゃあ、俺は仕事あるんで。」
❤「はいはーい、お仕事がんばれーw」
妖討伐隊「こいつうぜぇ…。」
リリリリリリ!
❤「ん…、もう朝か…。」
💙「いうて8時だけどw」
❤「…なんでいんの!?ここりうらの部屋…ハッ!まさか…、ストーk」
💙「違ぇよ!一応俺りうらの担当なんだけど…。」
❤「なんか呼び捨てやだな…。」
💙「ん?じゃありうらちゃん?」
❤「やっぱ呼び捨てでいいや。」
💙「なんやねん…。」
❤「そういえば…、なんでりうらを助けたの?まぁ死ぬけど。」
💙「…俺はな、人間じゃないんよ。」
❤「―――え?」
💙「だから!俺は、人間じゃないんだって!」
❤「いや聞こえてるわ!それより、お前は何をやってるんだよ!人間じゃないってことは、妖ってことだろ⁉」
💙「まぁそうやけど…。」
❤「なんで妖がこんなとこで働いてるわけ?」
💙「さぁ?なんでだろうね。」
❤「…意味わからない。」
💙「…俺さ、好きなやつがおるんよ。」
❤「え⁉マジ?」
💙「…おん、めっちゃ食いつくな…。付き合ってはいるんやけど、やっぱさ、人間界で生きていくにはさ、働かないとだめやん?食事は人間と一緒やし。」
❤「まぁそりゃね。…でもだかっらってこんなとこで働かなくても。」
💙「――ま、ええんよ!どうせ明日でやめるし!」
❤「え!そうなの⁉」
💙「おん、んで、りうらも明日出る。」
❤「え⁉出れんの?」」
💙「いや?わゆる”脱獄”する。」
❤「脱獄?できるの…?」
💙「いや、難しいだろ。」
❤「うん、だよね。」
💙「でもりうら、会いたいやつ、おるんやろ?」
❤「え?」
💙「だって、りうらがここに来たとき、『ないくん…』って言ってたやん。」
❤「…だから何?」
💙「いや、会いたい人がいるなら、会っとかないと、いつまでお後悔するから。」
❤「ま、そうだけど…。りうらは妖だけど、ないくんは人間だしなぁ。」
💙「ま、いいんじゃないの?」
❤「でも…。」
💙「もし振られたら俺らんとこで一緒に過ごそうや。」
❤「振ら…ッ、」
💙「え?好きなんやろ?その子。」
❤「ん、まぁ好き、だけど。…男なのに、男が好きって、引かないの?」
💙「んー?別に。俺だって付き合ってるの、男やし。」
❤「それ、は、妖…?」
💙「うん、そう。」
❤「ふーん…、ま、当たって砕けろか!」
💙「そうそう!――俺もさ、この機会に、ココやめようかって思って。」
❤「…いいの?」
💙「ん?」
❤「いや、だってお金…。」
💙「んー、まぁいいんよ。アテはあるから。」
❤「ふぅん…。」
💙「んで、明日のことなんやけど…。」
❤「うん、」
💙「これが―――」
❤「ん…、6時か…。」
💙「お、起きた。6時に起こそうと思ったけど、綺麗に起きたな。」
❤「なんかりうらが寝坊してる人みたいじゃん!」
💙「ごめんって。」
❤「ところで辞表は書いて出してきたの?」
💙「おん、寝てる社長の頭のとこにおいてきたよ。」
❤「で、どこから出でるの?」
💙「ここ。」
❤「は?」
💙「だーかーらー、ココ!」
❤「え?いやココって…。」
💙「だから、ココの窓から出るの!」
❤「でもココ電流流れてる…。」
💙「そんなの切るに決まってるじゃん、電気。」
❤「すげ。」
💙「ま、これででも一応ここの責任者ですので。」
❤「でもココでれんの?めっちゃ高いけど。」
💙「んー、まありうらのジャンプ力ならいけんじゃね?」
❤「そっか。」
💙「俺は正面玄関から出るわ。」
❤「おっけ。」
💙「それじゃ、またあとで。」
❤「…わかった、じゃ。」
💙「ん。」
バッ!
❤「っ、ふぅ。」
❤結構低かったな。思ってたよりは。
💙「りうら!」
❤「あ、まろ。」
💙「…まろってなに?」
❤「いや、なんか適当につけた名前。」
💙「俺の名前はいふなんですけどー!!」
❤「何その声…」
💙「あんだよ。文句あんのかよ!」
❤「いや…、引くわ〜。何その…なんだろ、女声?赤ちゃん声?」
💙「いいだろ別にーっ!!!!」
❤「まぁいいや。」
💙「てかりうらそれより、”ないくん”に会いにいくんじゃなの?」
❤「そうだ!」
💙「場所とかわかるのか?」
❤「…わからん。▼▼施設ってわかる?」
💙「…▼▼施設?それって確か、8年前くらいに無くならなかったか?」
❤「え⁉マジ⁉」
💙「おん、ココのすぐ隣。」
❤「は⁉だって、ココ…。」
💙「うん、妖討伐隊の本拠地。」
❤「え…?潰れたあとすぐにできたってこと…?」
💙「まぁ、そういうことじゃない?」
❤「でも、待ち合わせしてるから。」
💙「行ってき。」
❤「うん。」
💙「なんか受験に送り込む息子みたい。」
❤「受験生じゃない!まだ年齢的に中2だ!」
💙「はいはい。」
❤「ふん!」
❤「たぶん、あの砂場はココらへんのハズ…。」
❤妖討伐隊に見つからないようにしないと…。
💗「りうら…?」
❤「…ないくん?」
💗「りうら!久しぶり!」
❤「ないくん!!ごめん!!ホントは、昨日のはずなのに…。」
💗「ううん、いいの。りうらが来ないってことはないと思ってたから。」
❤「うん、それでね、ないくん。言いたいことがあるんだけど…。」
💗「何?」
❤「実はね、りうら、妖なの。」
💗「妖…?」
❤「うん。気持ち悪いでしょ?今そこの牢屋から脱獄してきたの。で、もう一個。ないくんがね、りうらのことをどう思ってるかわからないけど。りうらね、ずっとないくんが好き。会ったときから一目惚れでさ。妖だったからいつまでバレずにいれるかホントに不安だったんだけど。…伝えられてよかった。」
💗「りうら、あのね、俺はね、あの――、」
妖討伐隊「おい、あいつら誰だ⁉」
妖討伐隊「妖のセンサー反応してないか?」
❤「やべ、ごめん、ないくん。りうらココまで。」
💗「なんで、」
❤「りうらは、ココで殺される運命なの。」
💗「そんなこと、」
❤「ばいばい…。」
バンッ!
💗「りうらッ!!」
❤「ないく…、ごめん、」
💗「…やだ!りうらっ…、りうら…!」
💙「お困りのようで。」
💗「誰…。」
💙「そう警戒しないで下さい。」
💗「でも…。」
💙「あぁもうめんどくせぇなぁ!この下り2回めだよ、ったく。ほらいくぞ、”ないくん”?」
💗「なんで、俺の名前知って…。」
💙「りうらから聞いた。」
❤「ま…ろ、来たんだ…。」
💙「お前は大人しく寝てろ。」
❤「…ん。ないくん…、」
💗「何?りうら?」
❤「…ありがと。」
💗「…、うん。」
💙「ってことで、とっととずらかるぞ、りうら貸せ。」
💗「…、りうらは、俺が持ってく。」
💙「そんな細い腕で?」
💗「これでも力はある方…!あの筋肉バカのせいで…(ボソッ」
💙「なんか言った?」
💗「いや、別に。急ぐ。」
💙「あー、まって、そこ駄目。こっちに抜け道ある、こっちから行くぞ。」
💗「…なんでそんなこと知ってんの?」
💙「まぁ、色々ありましてね。」
💗「…ふーん、そうなんだ…。」
💙「やめろや、なんか、そういう…、疑いの目!」
💗「別に…。」
💙「はい、ココ先入って。」
💗「…っしょ、」
ズリッ
💗「…ってかこれ、血で場所バレるんじゃ…。」
💙「おーい、通っていい?」
💗「あ、うん、ごめん。」
💙「っしょ、と。」
💗「…」
ビリッ!
💙「っちょ、おま…何してんの?いきなり服破って…。」
💗「や、りうらの止血しなきゃ、このまま血で場所バレるでしょ?」
💙「そっか…、考えとらんかった…。」
💗「ま、血がなくてもなんか妖のセンサー?みたいのあるみたいだけど。」
💙「んー、ま、あれはしょうがないけど…。」
バフッ!
💗「…何かけたの?りうらに。変なのだったら許さないから。」
💙「妖の匂い消すやつだよ。妖センサーは匂いで判別してる。」
💗「そうなんだ…。」
💙「…にしても、これからどうする気?」
💗「…取り敢えず、俺んちに連れてく。」
💙「親は?」
💗「…チッ」
💙「あ、今舌打ちしただろ…。」
💗「まぁ、本当の親じゃないし…。」
💙「よし!こうなったら、俺の家、いくぞ!」
💗「は⁉やだよ、初対面の人の家に行くとか!」
💙「まぁ、でもりうらとは約束してるし?」
💗「やくそく…?」
💙「おん、りうらがないこに振られたら、俺んちで一緒に住むって約束してたしな。」
💗「ほんとだね…?」
💙「おん、まあ警戒しないでよ、俺も、一緒に住んでるやつも妖だからさ。」
💗「ふーん…。」
💙「さ、行くぞ。っつってもすぐそこなんだけど。」
💗「すぐそこ…?」
💙「きて。」
💙「ただいまー!」
💗「お、お邪魔します…。」
💙「アニキーっ!!」
💛「おかえりっ!まろっっっっっ!!!!!」
💙「ただいまーーーっ!」
💗「ぅえ…?え⁉アニキ⁉」
💛「ないこ⁉」
💗「なんでこんなとこにいんの⁉」
💛「ないここそ…ってか、誰?その担いでるやつ。」
💗「まぁ、色々あって…。」
💙「手当しながら話すわ。」
💗「え?てかまって、さっき一緒に住んでるのも妖って…、てことはアニキも妖⁉」
💛「おん、狐。」
💗「へー…。」
❤「ん…、」
💗「りうら⁉」
💙「あんまおっきい声出さんといて。」
💗「ごめん…。」
❤「ないくん…、ごめんね、巻き込んじゃって…。」
💗「ううん、いいよ、全然いい。」
❤「りうらね、ないくんとの約束守ろうって思ってココまで来たの…、でも捕まっちゃった…。来るの2日も遅くなっちゃってごめんね。」
💗「ううん、いいよ。」
❤「それに、あんなことまで言って、混乱させちゃってごめん。…きもいよね…。」
💗「ううん、そんなことない。俺も、りうら…好き、だよ?」
❤「…え?」
💗「りうらがいない間ね、ずっと寂しくて。りうらに会いたい、ってずっと思ってたの。」
❤「嘘…じゃなくて?」
💗「うん、ホントだよ。」
❤「無理…してない?」
💛「りうら…?ってうのか?、ないこなぁ、ずーっと”りうら、りうら”ってうるさかったんやからな?」
❤「ー…そっか…、ごめんね、ホントに。ずっと、好きだった…、付き合ってくれる?」
💗「…うん。」
💙「おし!そうと決まったらないこ!お前すぐに家から荷物もってこい!」
💗「えぇ…」
💙「今日からお前ら二人も一緒に暮らすぞ!」
💛「急すぎん⁉」
💙「まぁまぁいいじゃん…。」
❤「りうらは荷物ないからいけど…、ないくん、手伝おっか…?」
💗「大丈夫、そんなにないから。」
💙「部屋は二階が開いてるから、そこの部屋使って。」
💛「結構広い部屋やから、二人入ると思うで。」
💙「あ、ベットは買うか。」
💛「あー、でも今日は遅いから明日買いに行くか。」
💙「それまでは悪いけど、布団使って。」
💗「ていうか金、ないんだけど。」
❤「りうらもないよ。」
💙「お前ら養えるくらいは金あるよ!」
❤「でも今日仕事辞めたんでしょ?」
💙「あー、まぁそこはあてがあるから…。」
💛「変なところでは働くなよ…?」
💙「ん、わかってる。大丈夫。」
❤「まぁとにかく!りうらはどっかで働く!」
💙「妖なのに?」
❤「う…。」
💙「しゃーない、俺と同じとこで働かせてもらえるように交渉してみるか…。」
❤「マジ⁉ありがとまろ〜!」
💛「取り敢えず!二人が寝れるように布団出すか!」
❤「どこにある?りうらが出す!」
💗「りうらは怪我してるんだから駄目!」
💛「そうやで!無理せんといてな…。」
❤「でも…。」
💙「今日はこっちで出しとくから。」
💗「りうらは休んでて。」
❤「ー…わかったよ。」
💙「布団は二階の押入れの中にあるから、そっから出して。」
💛「そんじゃ、こっちは夕ご飯でも作っとくか!」
💙「りうらの分はおかゆみたいのがいいよな…。」
💗「りうら、ごめん担いでもいい?」
❤「…りうら重いよ?」
💗「そんなことないよ、めっちゃ軽い。」
ヒョイッ
💗「軽っ!…ちゃんと食べてた?」
❤「まぁ、色々あったから…。」
❤まろに出会うまで、ほとんど食事してなかったからな…。しょうがないか。
💗「ちゃんと食べてね…」
💙「アニキー!食材買ってきてくれないー?」
💛「おっけー、何買ってくればいい?」
💙「んー、っとL◯NEしといたからそれ見てー!よろしくぅ〜。」
💛「そんじゃ、いってきま~す!」
💗「りうらめっちゃ軽かったなぁ…、ちゃんと食べてるのか心配…。」
💙「ないこー、おかゆできたから、りうらに食べさせてあげてー。」
💗「え⁉まろ料理できんの⁉」
💙「できるわ!」
💛「まぁほとんど俺が作ったんやけどな。」
💗「まぁアニキは料理上手だしね。」
💙「まろも!うまいの!」
❤「ないくん…、」
💗「りうら!」
💙「もぉ〜、起きちゃ駄目!」
❤「でも…。」
💗「りうら、布団いこ…?アニキたちがおかゆ作ってくれたからさ、食べよ?」
❤「ん、わかった…。」
💗「ほら、んしょ、」
グイッ
❤「うわ…っ!」
💗「いくよー。」
❤「ん…、わかった…、から、」
💗「なに?」
❤「お姫様だっこは、やめて、ほし…ぃ。」
💗**可愛い…ッ!!!!!!!**キュウウン!♡
❤「おんぶ…して…」
💗「いいじゃん、、こっちのほうがよく顔見えるし!」
❤「う…でも…ぉ、」
💗「いいのいいの。」
❤「おかゆ、食べる…。」
💗「はいはい、あーん」
❤「ぅえ…っ?、普通に食べれるって…!」
💗「いいの、手も怪我してるでしょ?」
❤「そうだけど…、食べれるって!」
💗「まぁまぁ、はい、どーぞ?」
❤「ぅう…、んむ、」
💗「おいし?」
❤「…ん。」
💗「そっか。あとでアニキに伝えとくね。」
❤「うん…。」
💗「もう寝る…?」
❤「んー…そうする…。」
💗「じゃあ片付けて来るね。」
❤「一緒に寝ないの?」
💗「…え?」
❤「…えっ?あっ!ー…なんでもない、忘れて…///」カァアァアアッ!
💗ん゛…ッ!可愛すぎだろ…!
❤「おやすみ!」
バッ!
💗「…おやすみ//」
💗「アニキー、美味しかったって。良かったね。」
💛「おー、ありがとな。」
💙「ちょっと!まろも手伝ったんですけど⁉」
💛「つってもご飯炊いただけww」
💗「あ、そうだったの?」
💙「てつだったの!」
💛「あー、そうですね、まろは偉い!」
💙「ふふん!」
💛「ないこもそろそろ寝る?」
💗「あー、そうしよっかな。」
💙「それじゃあ、風呂入ってから寝ななぁ。」
💛「風呂は沸かしてあるから。」
💗「アニキ、何から何までありがとね、…まろも。」
💙「…!ないこたん!そうだよ!まろだって活躍したでしょ!」
💗「…そうですね、じゃ、入ってくるわ!ありがと〜。」
💛「おん!」
💗「おじゃましま~す…」
スッ(布団に入る)
❤「…ん」
💗「あ、起きちゃった?」
❤「ん…?ー…ん〜、」
ギュッ
💗「ぅえっ?」
❤「ないく…、好き…///」
💗あぁ〜、もう可愛すぎ〜。これ動画取っといて明日見せるか…。
💙「あにきぃ〜、…今日もヤる…?」
💛「ぇっ…、駄目!今日はないこたちいるから…!」
💙「でも別に付き合ってることは言ってるわけだし…。」
💛「でも…っ!」
💙「いーの。別に見せびらかしたりしないよ。…それともそういう方が興奮する?」
💛「ちが…っ!」
💙「うん、だいじょーぶ。…ベット行こ?」
💛「うん…。」
💛「…ん//」
💙「…挿れてい?」
💛「ッん、はい、」
クパァ
💙「ははッ…えろー…」
💛「ま、だぁ…?///」
💙「欲しがりだなぁ…んッ…」
くぷっ…。
💛「ぅあ…ッ//」
💙「まだ先だけだよ?」
💛「だぁ…って、まろの、おっきぃ、から…ぁ///♡」
💙「何?今日めっちゃ煽るじゃん?」
💛「煽って、なぁ…ッ!」
💙「奥まで入れるよ?」
💛「…ッ、うん、」
ズンッ!
💙「ぅっわ…ゆるゆる…」
💛「ッあ…っ゛///♡」チカチカッ
💙「なぁーんでこんなに緩いの?…風呂でいじってた?」
💛「…うん、///」
💙「可愛すぎ…」
💛「動かないの…//?」
💙「さっきまで嫌がってたくせに…」
❤「ないくん…」
💗「…ん…、」
❤「ないくん、ごめん…。」
💗「りうら?どうしたの?」
❤「トイレの場所わかる?」
💗「えっとー…、うん、一緒に行くか。」
❤「え、いいよ、一人でできる!」
💗「手伝うと言ってないよ?」
❤「ぅ…、まぁいいや!どこにある?」
💗「いこ!」
💛「まって、も、むり…っ//♡」
💙「まだいけるで…しょっ!」
ズンッ!
💛「あ゛ッ…♡」
❤「…?」
💛「やらッ//ま、…」
❤声聞こえる…?
❤「ん?」
💙「まだへバんないで?」
💛「まッ//、むりだって…っ//」
❤「…っ?」
❤え…?何やってんの?
💗「りうらー、どうした…の?」
❤「ぅえっ!ないくん、…え、あの…。」
💗まじか…、アニキたちバリバリヤッてるし…。俺とかりうら居るのに…。
❤「ないくん?もう行こ?トイレ…。」
💗「ねぇ、りうらはさ…」
❤「?」
❤「え…?」
❤「ねぇ゛…っ///♡ま、…って、//」
💗「アニキたちはもっとやってたけど」
❤「あいつら、んッ//♡とは、ちが…ぅ、」
💗「ま、俺らまだ中学生だけど。」
❤「…ん、おく…、ついッ、て…?///♡」
💗「うわぁ…、どこで覚えたんだよ…」
❤「アニキ、?が、ゆってた…♡」
💗「アニキめ…。」
❤「…しないの//♡?」
💗「…ッ、」
ズンッ!
❤「あ゛ッ…//?」
💗「りうら、が煽るのが悪い…」ニヤッ
❤「ッあ゛…っ、ぅ//♡」
💙「…で、デキたと。」
💛「そうなんや…、」
💛最悪…、見られてたんか…。
💙「まぁなにはともあれ、おめでとうな!」
💛「ところでりうらは?」
💗「あぁ、今やりすぎちゃって腰痛めてるよ…。」
💛「あぁ…確かに腰は死ぬし、声は枯れるしで散々やからなぁ…。」
💙「でも気持ちいでしょ?」
💛「…ぅ、それは、別//!」
💗「なんでアニキはあんなにヤってんのに腰痛めないの?声は少し枯れてる気がするんだけど…。」
💛「まぁ筋肉いっぱいついてるからな!」
💙「嘘、無理してる。」
💛「うッ、嘘じゃないもん!」
💙「今大量に湿布貼ってるでしょ?」
💛「…そうやけど…。」
💙「やっぱり、ヤった次の日は必ず早起きしてるもんね。」
💛「バレてたんか…。」
💗「まぁ幸せそうで何より。」
💙「てかないこお前中学生のくせになんであんな事知ってるんよ?」
💗「まぁいつかりうらとやりたいなー、とか思ってたら出てきたんんだよね。」
💛「何が?」
💗「ゲイビとBL漫画。」
💛「あぁ…なるほどね。」
💙「ないこ、ちなみにやけど、」
💗「ん?」
💙「兎は尻尾感じやすいからな、今度やってみ。」
💗「…ふっ、ありがと、ヤってみよ…。」
💛「変なこと吹き込んでないよな?…ないこがめっちゃやばいこと企んでる顔してる…。」
💗「そんなことないよ!うん。」
❤「な゛ん゛の゛話゛…?」
💛「うわ、めっちゃ声ガラッガラ!」
❤「う゛ぅ゛…。」
💗「ごめんね…?りうら?」
❤「う゛…、湿゛布゛と゛の゛ど゛薬゛買゛っ゛て゛き゛て゛…。」
💗「おっけ、行ってくるわ。」
❤「あ゛り゛が゛と゛…」
……あんなことは予想外だったけど。