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「・・・あ、そういえば」
ふと、そうすまない先生がこぼした。その言葉にレッド達はため息を付き、答えた。
「ラヴェジャーにぶっ飛ばされて崖から落ちて頭打ってよくそんな呑気に言えますね」
と、ブラックはタオルですまない先生の血まみれの頭を拭く。
傷口はもう塞がっていた。
✵✵✵✵✵
「で、何がそういえばなんですか?」
と、バナナは夕食をみんなに手渡す。今日の夕食は、野菜と鶏肉のスープとパンだ。とても味が程よく、美味しい。
「ん、実はね。昔のこと?を少し思い出したんだ」
「思い出したのか?」
「と、言っても、僕が誰で、何者かは分からないけどね」
と、すまない先生は苦笑いする。すまない先生は自分が何者で、誰なのかを覚えていない。大切な子達がいた気がするとこぼすが、それすら名前も声も容姿も分からない。
そして、ブラック達は何故かすまない先生を“懐かしく”感じることが時折ある。それが何故か、ブラック達にも分からなかった。
「実はね、昔、“世界の記憶を写す魔道書”ってのを見たことがある気がするんだ」
「「「はぁ!?」」」
レッドとブルー、そしてブラックも驚いたように目を丸くし、大声を上げた。
「うぉっ!?どうした!?」
銀さんが驚いていると、レッドとブルー、そしてブラックは話し始めた。
「“世界の記憶を写す魔道書”は、世界中の盗賊が狙っている宝の1つなんだよ!!」
「すまない先生が“世界の知識を与える者”・・・様々な知識を与えてくれるのがすまない先生なら、その魔道書は人間の生き死が書かれている魔道書だ。それを手にすれば、人の生死も思いのままだと言われている」
「都市伝説で聞いた事ありますが・・・本当に存在していたのですね・・・」
と、レッドとブルー、そしてブラックは大層驚いたようにこぼした。
「ところで、なんでその“世界の記憶を写す魔道書”?を見た事あるんだ?」
と、マネーは首を傾げる。それにすまない先生はうーんと唸り、首を横に振る。
「ごめん、それ以外全然思い出せない。ただ、その魔道書とその“場所”は覚えてる」
「場所?」
赤ちゃんがよじよじすまない先生の元に登り聞くと、すまない先生は人差し指を下に向ける。
「・・・地下のディープダークに生成される古代都市の更に下・・・この世界の人々が、まだ到達した事の無い地下・・・最大“−64層”」
と、すまない先生はそうこぼした。