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【笑うあの子の裏事情】
Episode.1 Prolog
《🎼🌸side》
朝、中学校の保健室は、いつも静かだ。
カーテン越しに差し込む光は柔らかくて、消毒液の匂いと混ざり合いながら、眠気を誘う。
俺は机に肘をつき、今日の予定表に目を落とした。
🎼🌸「特に変わりなし、…か」
来室予定の生徒はゼロ。
保健室登校の子もいない。
つまり──少なくとも、表向きは、何事もない一日。
🎼🌸「今日も平和だなぁ…」
そう呟いた、その瞬間。
ガラッ
勢いよく、扉が開いた。
🎼☔️「おはよー!らんくん!!」
🎼🌸「うわっ」
反射的に椅子から少し跳ねる。
🎼🌸「…相変わらず、朝から元気だな」
🎼☔️「だって朝だよ?!元気ださなきゃ損じゃん!」
にこにこ笑いながら、ずかずかと入ってくる少年。
紫雨こさめ《シバウ コサメ》。1年3組。
ノック?
そんなもの、彼の辞書にはない。
🎼🌸「今日も一番乗り?」
🎼☔️「うん!たぶん!!」
たぶん、じゃない。
ほぼ毎日、確実に一番だ。
🎼☔️「らんくん、今日寒いねー」
🎼🌸「もう冬だからね。上着ちゃんと着てる?」
🎼☔️「着てる着てる!」
そう言って、ぶんっと腕を振る。
……その拍子に、袖がずり上がった。
🎼🌸「…こさめ」
🎼☔️「なーに?」
🎼🌸「その腕。」
🎼☔️「ん?ああ、これ?」
こさめは気にも留めず、さらに袖をまくった。
新しい擦り傷。
薄くなりかけた古い跡。
数が、多い。
🎼🌸「昨日、何したの?」
🎼☔️「昨日?えーっと……」
少し考える素振りをしてから、ぱっと笑う。
🎼☔️「覚えてない!」
🎼🌸「……覚えてないで済ませる数じゃないよ」
🎼☔️「らんくん、細かいなぁ」
へらへら笑って、ベッドに飛び乗る。
🎼☔️「今日もお願い!」
🎼🌸「はいはい」
消毒液とガーゼ。絆創膏、諸々を準備して、こさめの前に椅子を向ける。
🎼🌸「染みるよ」
🎼☔️「へーきへーき!」
🎼🌸「本当に?」
🎼☔️「らんくん、優しいから!」
……また、そういうことを言う。
消毒液を当てると、さすがに少し肩を跳ねさせた。
🎼☔️「いった!」
🎼🌸「…ほら」
🎼☔️「でも、ちゃんと我慢できた!」
得意げに胸を張る。
🎼☔️「えらい?」
🎼🌸「……偉いけど」
その明るさが、逆に引っかかる。
🎼🌸「授業は?」
🎼☔️「行かないよ」
即答。
迷いも、躊躇もない。
🎼🌸「今日は体育があるらしいよ」
🎼☔️「へー」
まったく興味なさそうだ。
🎼🌸「緑瀬くん、こさめと野球したいって言ってたよ」
🎼☔️「あ、すっちー?」
こさめの顔が、ぱっと明るくなる。
🎼☔️「すっちー元気?」
🎼🌸「元気そうだよ」
🎼☔️「そっかー!」
少しの間。
ものを片付けている時、こさめが口を開いた。
🎼☔️「…今日はさ」
何事もなかったみたいに、こさめは笑う。
🎼☔️「お昼まで、らんくんといよーかな」
🎼🌸「…いいよ。」
🎼☔️「やった!」
無邪気な笑顔。
明るくて、よく笑って、遠慮がない。
――なのに。
🎼☔️「ね、らんくん」
🎼🌸「ん?」
🎼☔️「らんくんって、いつもここにいるじゃん?」
🎼🌸「仕事だからね」
🎼☔️「それでもさ」
こさめは、足をぶらぶら揺らしながら言った。
🎼☔️「飽きない? 」
🎼🌸「…どうだろう」
少し考えて、答える。
🎼🌸「こさめが来るなら、飽きないかな」
🎼☔️「えへへ」
嬉しそうに笑って、こさめは言った。
🎼☔️「じゃあさ、明日も来るね!」
当たり前みたいに。
……それが、
俺にとっての「いつもの日常」。
元気で、明るくて、
扉をノックしない少年。
でもその笑顔の奥にあるものを、
俺はまだ、知らない。
next.♡100
両立がんばります!!
コメント
33件
時差コメ失礼しますm(_ _)m 新作嬉しすぎます!!✨️✨️ 大変だと思うけど、両立頑張ってください!! あと、サムネのこさめちゃんの傷とか2人の関係?とかめっちゃ気になる!👀 続き待ってます!
遅くなりました こうゆう系マジ好きです🩵元気やけど闇のありそうな感じがね(^○^) それに🎼☔️🦈ちゃん推しやから嬉しいです♪ 主様のペースで投稿してくれたら嬉しいです!!応援してます!
わぁぁ!!新作!?!?!? 嬉しすぎる!!🤦♀️ こさめちゃんかわいい… でもアザだらけ…??何を抱えているのだろうか😭😭 連載ふたつで私は大歓喜だけど大忙しだ!?🥲 毎回クオリティえぐ杉でびびってます( ᐛ )無理しないでね!!自分のペースで!! 応援してまっっす!!(*´˘`*)♡