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群衆が騒いでいた。
レンジはその中心に立っていた。そして同時に、どこかずっと遠くに。まるで彼と世界の間に、誰かが厚く濁ったガラスを嵌め込んだかのように。笑い声はそこを通ると鈍くなり、他人の声はぼやけ、感情は他人のものになり、本物ではなくなった。彼は視線をアスファルトに落とし、指を握り締めた。爪が掌の皮膚に食い込んだ。痛みは鋭く、具体的で、正直だった。
俺はここにいる。まだここにいる。
それだけが、彼にとっての理解の方法だった。
なぜ俺なんだ?
問いは再び浮かび上がった。いつものように、予告なく、答えなく。彼はとっくに論理を探すのをやめていた。論理などなかった。あるのはただ群衆と、その中心で、それが回転する点としての彼だけだった。
校庭は日常の生活を送っていた。数学のテストについて話している者がいれば、新しいスキャンダルについて囁き合っている者もいた。遠い壁のそばでボールを蹴っている者もいた。普通の日。普通の人々。しかしレンジの周囲では空間が違う振る舞いをしていた。視線は必要以上に一瞬長く留まり、彼が近づくと声が静まり、背後でまた鋭さを取り戻した。彼はそれを、靴底を通じて感じるアスファルトの冷たさと同じくらい、はっきりと感じ取っていた。
――おい。またあいつか?
――マジで?またいるの?
レンジは振り返らなかった。何が見えるか、もうわかっていた。
弱さの問題ではないと、彼はとっくに理解していた。誰が最初に始めたか、何のためにかは関係ない。重要なのは別のことだった。群衆が標的を見つけたのだ。血の匂いを嗅ぎつけた群れのように、彼らは個別には考えず、一緒に感じていた。一つの共通の敵、一つの共通の侮蔑、一つの共通の権力。スケープゴートとは人間ではない。それは機能だ。そしてレンジは、それを忠実に果たしていた。
その日、判決のように響く笑い声の轟きの中で、彼の学校での悪夢はその最終的な名を得た。
記憶に残っているのはイメージだけだった。鋭く、文脈なく、始まりも終わりもなく。
ほおに当たる脱衣所の汚れたタイル。白いユニフォームに残る靴底の跡。もう痛くなくなっても長く消えない、血の金属的な味。毎回、彼は自分に同じことを言い聞かせた。最後だと。そして毎回、間違えた。あまりにも安定していて、それはほとんど伝統になっていた。
ほとんど、だが。
――レンジ。
声が、近すぎた。
彼はゆっくりと頭を上げた。
見知った顔たち。同じような笑み。倦怠と期待以外には何もない目。彼の周りの輪が締まった。急にではなく、滑らかに、誰も急がないとき縄が締まるように。背後の世界は存在しなくなったかのようだった。
しかしレンジは彼らを透かして見ていた。
彼は別のことを考えていた。あの考えのことを。いつかひっそりと、気づかれないうちに根を張り、それ以来消えることのなかった考えのことを。それはただ育つばかりだった。
痛みが止まらないなら……方向を変えればいい。
彼の唇の端がわずかに動いた。
彼らは気づかなかった。彼の顔を見ることには興味がなかった。ただ彼が縮こまる様子だけに。彼らは特定の絵に慣れていた。何か新しいものを期待していなかった。
残念だったな。
その日が終わりに近づいたころ、すべてが起きた。
レンジは学校のトイレのドアを押し開け、すぐに感じた。何かがおかしい。空気が違う。普段騒がしいその場所にしては、静かすぎた。
彼らはすでに中にいた。見知った顔が数人、緊張し、怒り、何か自分たちのことを囁き合っていた。彼が現れると会話が途切れた。視線が馴染みの冷たい関心と共に彼の上を滑った。
しかしもう一人いた。
隅の、端の個室のそばに、レンジがこれまで見たことのない男が立っていた。生徒ではないと、一目でわかった。背が高すぎ、体が重すぎ、学校時代には生えない無精ひげが顔にあった。これらの壁の中では異物だった。それでも、ここにいた。
エージェント67
20
203
――お前は誰だ、とレンジの声は彼が望んだよりも静かに響いた。
男は急ぐことなく彼を見た。あらかじめわかっていて興味もないものを見るように。
――カオルからよろしくと言っていた、と男は淡々と言った。最近お前は緩みすぎていると。これを直す必要がある。自分の立場を忘れたか。
レンジは胸の中で何かが締め付けられるのを感じた。恐怖ではなく、完全には恐怖ではなく、もっと冷たい何かが。
――俺がやり返せるようになったとき……と彼は言い始め、言葉は重く、ほとんど荘厳に出てきた。誓う、俺は……
男の足が跳ね上がった。鋭く、突然に、そして彼の目の前の空中一センチで止まった。ただの確認。ただの素振り。
レンジは飛び退いた。
素振りに。
男は足を下ろし、ゆっくりと、満足そうに薄笑いを浮かべた。殴らなかった。なぜ必要があろうか?すべてはすでに言われていた。どんな言葉よりも雄弁に。
レンジはトイレを出た。振り返らずに。足早に歩き、学校の建物が遠く後ろに残るまで、空気がただの空気に戻るまで。彼は立ち止まり、壁にもたれ、息を吐いた。
触れられなかった。今回は触れられなかった。
それは安堵であるべきだった。おそらく、かつてはそうだった。
彼は自分の手を見た。爪が掌に小さな赤い三日月を残していた。