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本気にさせたい恋

162 - 第162話  新しい家族のカタチ②

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2024年10月17日

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「親父来た」


そしてようやく部屋に入って来る親父の姿が見えて、透子に伝え、席を立って迎える。


「待たせたか?」

「いや。オレ達もさっき来たとこだから」

「あっ、悪いな。立たせて。座ってくれ」

「あぁ、うん」


親父にそう言われ席に座る。


「親父。こちらがオレの今お付き合いをしている人」


そしてオレは早々に伝えたいことを伝える。


「望月 透子です。実は樹さんと同じ会社で・・・」

「プロジェクトで樹と頑張ってくれたそうで」

「あっ、はい・・」


透子が挨拶しようとした途端、それを遮るようにして声をかける親父。

それに少し動揺しているような透子。


「活躍は秘書の神崎の方からも聞きました。かなり優秀だとも聞いてますよ」

「いえ・・・とんでもない。プロジェクトでは本当に樹さんに助けてもらって」

「途中でオレは抜けることになって申し訳なかったけど」

「でも樹さんのサポートがあったからこそ、成功出来たプロジェクトです」


だけど、さすが透子。

ちゃんとしっかり親父へ受け答えしている。


「これからもかなりの即戦力になって頂けると上司からも報告受けてますよ」


だけど、オレはそんな堅苦しい話をしに来たワケじゃない。

職場の人間として紹介したいのではなく、結婚相手として紹介したい。


「親父・・・仕事の話はもうそれくらいでいいんじゃない・・・?」


ただ透子はこの会社にいるだけ。

今はそんなの関係なくオレの大切な人。


「いや、それほどの方が樹を選んだのが少し不思議でね」

「それは・・・何が言いたいワケ?」


親父のその言葉がまだどういう意図で言ってるのかがわからない。

あえて最初から透子を会社の人間として接して来るなんて。


親父はいつもこうだ。

いつもオレに考えさせるような方向に持って行く。

いつだって親父の中で、オレがどうやったって言い返せないように、いくつもの答えを用意している。

それでオレはその親父の最もな意見に言い返すことも出来ず、結局親父の思惑へと持って行かれる。


だけど、今はオレがここで動揺する訳にはいかない。

親父がどんな風に導こうとしても、絶対透子との幸せは守ってみせる。



「お待たせしました」


すると、遅れていた母親が個室の部屋に入って来た。


「ごめんなさい。遅れてしまって」

「いや。こっちこそ、ごめん。母さん。忙しい中時間作ってもらって」

「予定開けてたんだけど急遽仕事入っちゃって」

「親父もさっき来たとこだし」


「あら、そう。・・・お久しぶりです」

「あぁ・・・」


少し目を合わし合い、軽く挨拶を交わす親父と母親。


「この前は創立パーティー来て頂いてありがとう」

「いえ。あの時はまさかお話させて頂けると思わなくて本当に光栄でした」

「えっと・・・お名前なんだったかしら?」

「あっ、すいません! 申し遅れました。望月透子と申します」

「あっ、そうそう。望月さんだったわね」

「あの時はまだ樹さんともお付き合いする前で、仕事のパートナーとして樹さんにご招待して頂いてご挨拶させて頂いただけなので・・」

「そうでしたね。あの時いろいろお話伺えて私も嬉しかったわ」

「まさか樹さんのお母様だとは存じ上げてなかったので、ただの一ファンとしてお話してしまってすいませんでした」

「透子。大丈夫。それはちゃんとオレが事前に話してたから」

「ええ。樹にあの日は大切に想っている人を紹介したいって言われて。その彼女が私のブランドのファンだともお聞きして、私もあの時はお会い出来るの楽しみにしてたの」

「すごく光栄です。あの日はずっと憧れていた方にお会い出来て、その上お話もさせて頂けるなんて思ってもいなくて・・。まさか樹さんがそんな風に伝えてくれてたなんて知らなかったです」

「まだ透子には母親だって伝えていなかったしね」

「うん。後から聞いてホントにビックリした」

「今日もいろいろお話聞かせて頂けるかしら?」

「はい。ぜひ」


あの時のパーティーの時も思ったけど、二人がこんな風に言葉を交わしているのがやっぱり少し不思議な感じがして。

だけど穏かな雰囲気を纏う二人のその姿がオレには嬉しくて。


今まで親父にはもちろん母親にも誰か異性を紹介したいだなんて思ったことなくて。

特に母親は、なんだかんだ言ってオレの中でずっと夢を追いかけて輝き続けている姿がオレにとっては自慢で憧れで。

きっとオレの中で、一番身近な女性である母親が、こんなにも輝いている大きな存在だから、どこかしら付き合う女性を母親と比べてしまっていた部分もあった。

母親みたいな女性というよりも、一人でここまで頑張って輝き続けていた母親に紹介する存在として、オレがやっぱり少しでも尊敬出来て恥ずかしくない自慢出来るような相手を選びたいという気持ちがどこかにあったような気がする。


だけど、今まで付き合って来た相手は、当然オレがいい加減だっただけに、同じような女性しか寄って来なくて。

そんな女性たちに、親父や母親をいざ紹介するとなると、きっと見方を変える。

気に入られようと取り繕って、いつの間にかオレじゃなく親父や母親を意識する。

外見だけで寄って来たヤツは、本当のオレの姿なんて知ろうともせず、上辺だけで付き合っていただけ。


でもそれはオレも同じで。

外見や身体の相性や、そんな外面だけ満足出来れば、相手の中身なんて気にもしなかったし、知ろうともしなかった。


だけど、透子だけは違った。

透子だけは、最初に会った時からオレの中身を本質を気付いてくれた。

初めて心から信頼出来る女性に出会えた。

そんな透子なら、母親にも紹介出来ると思った。

いや、透子だから母親に紹介したくなった。

こんなにも素敵な女性がオレのパートナーなのだと。

きっとあなたも気に入ってくれると、そう自信を持って。



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