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「……化け物」
自然とそう呟いていた。どうして?自分の息子が?化け、物……?
一緒に絵を描いて、一緒にかくれんぼをして、一緒にお菓子作りをして。今までのことが嘘だったのかと疑えるような発言をしただろう。自分は何を考えているのだろう。自分の息子が化け物な訳ない。……そう信じたかった。
「あはは!みいつけた!!」
自分の仲間を殺していく彼を見たら、そう思ってしまった。本当はそんなこと思いたくなかった。考えたくなかった。だが、仲間が死んでいくのは無視できなかった。自分はどうすればいい?彼に何か、言うのか?逃げるのか?今の自分の頭じゃ、決めることはできなかった。こうすればいいのか?それだけが出てきて、逆に頭が混乱する。
……そんなことを考えている暇なんてなかった。ここにはもう、自分と彼しかいない。考える前に、体が動いていた。
「あ、パパ!僕ね、今、みんなと鬼ごっこしてたの!!パパも一緒にやろう!!よーし、捕まえちゃうぞーー!!!パパ、ほら走って!歩いてたらすぐ捕まっちゃうよ~?」
もうなにも考えたくなかった。
「………ごめん」
「ぱ、パパ?…僕、ハグより鬼ごっこのほうがしたいんだけど……」
「…………………ごめん。」
何故だ、もっと他に言えることはあるはず。もっと他にできることがあるはず。そう思えるだけで、別のことはできなかった。……いや、今なら一言だけ言えるはず。
「わかった、鬼ごっこ、しよう。」
「やったあ!!!じゃあ、行くよ~!!!」
ああ、これが正解だったのだろうか、それより、今は走ろう…………走る必要なんてないか。そう思うと同時に、どんどん足は遅くなっていった。
「つかまえた!ありがとうパパ、みんな!楽しかったよ!!」
誰も返事はしなかった。できなかった。
初めて書いてやばい