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#ベリアン・クライアン
ぷち
296
主は仕事終わりに指輪を着けて、執事達の居る世界に行く事が日課になっていた。
その日は休日前夜でユーハンと一緒にお茶を点てようと約束していたので、ユーハンが迎えに来てくれるまで部屋で待っていた。
準備をしながら待っていると、ドアをノックする音が響き渡った。
「どうぞ。」
主が返事をすると、ユーハンが入って来て迎えに来てくれた。
「失礼します、ある…いえ◯◯さん、お迎えに上がりました。」
ユーハンは主様と言いかけたが、すぐさま名前呼びをした。主に生命を救われてから主に恋焦がれていき、募り募った想いを主に思い切って伝えた事から付き合いが始まった。
「では別邸の和室に案内致しますので、足元にお気を付け下さい。もしよろしければ私の腕にお掴まり下さいね。」
主は頷くとユーハンの腕を抱き締め、部屋から出て別邸1階へと向かって行った。
ユーハンは自ら言ったものの、主が自身の腕に抱き着いている事に心臓の鼓動を高鳴らせて顔を俯かせていた。
(…っ、◯◯さんのお胸が私の腕に当たってしまっていますね。柔らかい…ではなく!考えてはいけませんね。)
「…?ユーハン?」
「あ、いえ大丈夫ですよ。段差がございますので足元にお気を付け下さい。」
別邸1階に着くと、ハナマルとテディがトランプをしていた。
「…あら?お2人は本邸で…」
ハナマルとテディはルカスとハウレスと一緒に飲む約束をしていたのだが、急な依頼がありキャンセルになったのだ。
「そうですか…では、主様。ハナマルさんとテディさんもいらっしゃいますが、お気になさらずどうぞ和室へお上がり下さい。」
ユーハンは少し残念に思いながらも、2人きりにならないで済む安心感もあった。いくら付き合っているとはいえ、手を出してしまう事の怖さがあったのだった。
主は和室へ上がり、ユーハンと一緒にお茶を点てて和菓子を食べていた。
「主様はお茶も出来るのですか?」
「母親から少しだけ習ってただけでそんな大して出来る訳ではないよ。」
ハナマルとテディは主の綺麗な所作に見惚れてトランプをする手が止まり、主に視線を送っていた。その様子をユーハンは見逃さなかった。
(…やはり◯◯さんには人を惹きつける何かをお持ちなんですね。流石は主様ですが…少々妬いてしまいますね。)
「…ユーハン?」
浮かない顔をしていたユーハンを心配した主はユーハンの隣に座り、顔を覗き込みながら問い掛けた。
「はい。如何なさいましたか?」
主は知っていた。ユーハンが2人きりになる事を危惧している事を何となくだが感じ取っていた。
その証拠にハナマルとテディが居たと分かるとホッとした顔をしていたからだった。主はその事をしっかりと見ていた。
主はユーハンの腕を掴み、目にいっぱいの涙を溜めてユーハンの方を見た。その様子にその場に居た執事達はどうして良いのか分からなかった。
「…ユーハン、何かした?」
「主様!?どうしましたか…?」
ハナマルとテディは何が何だか分からなかったが主を心配して、主の隣に座った。
ハナマルは主の頭を撫で、テディは主の背中を擦りながら元気付けようとしたがユーハンには何が原因なのか分かっていた。
「っ…ユーハンは、いつも何を考えてるのか分かんないよ…っ、私の事どう思ってるの?私達付き合ってるんじゃないの?」
ユーハンは主との関係を他の執事達に秘密にしていたが、主が口に出してしまいハナマルとテディは驚きが隠せなかった。
「「えっ…!?」」
「あ、主様!?何を仰って、」
主は主様と呼んだ事に胸が痛くなり、ユーハンの言葉を遮り口を開いた。
「主様って言わないでよ!!…っ、ユーハンのバカ!もう知らない!」
主は別邸1階の執事室を飛び出し、自室へ戻ろうとするとシロが姿を見せた。
「うるさい。…お前、泣いて居るのか?」
主はシロに部屋に連れて行ってもらい、シロは主が泣いている事には触れず立ち去ろうとした。
「…何も、聞かないの?」
「フン…お前が自ら言うのなら聞くが、我がわざわざ聞く必要はなかろう?」
シロは主を部屋に残し、別邸2階の執事室へと向かって行った。
ハナマルとテディはユーハンから事情を聞き出し落ち込むユーハンを宥めていた。
「なるほどねぇ〜…主様に手を出したら元に戻れないかもしれない、か。でも、主様は求められたいって思ってるから泣いたんじゃ…」
「でもユーハンさんは、主様の事も考えちゃってハナマルさんみたいに動けないんだと思いますよ。」
ユーハンはそのままベッドに潜り込もうとしていると、ハナマルに止められた。
「主様のとこに行った方が良い。このまま主様とぎくしゃくしたままじゃ、最悪の事態になり兼ねないだろ?…それに主様は元々強い方じゃない。」
テディは自身がそうであったように、絶望の淵に立たされた時に何をしようとしていたのかを思い出していた。
「っ…ユーハンさん!」
ユーハンの心が揺らぎ、急いで主の元へ向かって行った。
†††
コンコンコン
規則正しくドアがノックされる音が主の部屋に響き渡った。主はベッドに潜っていて力ない声で返事をするとユーハンが入って来た。
主はユーハンだと分かると、胸の中がざわつく感じがして背中を向けた。
「…申し訳ございません。◯◯さんのお気持ちを考えずに、私の事だけを考えてしまい傷付けてしまいました。
2人きりになってしまうと…気持ちを抑える事が難しくなってしまうと思い、避けてしまっていました。」
主は言い訳は聞きたくないと思い、耳を塞ぎ再び声を圧し殺して泣き出した。
「っ…◯◯さん、聞いて下さい!私は…っ」
ユーハンはベッドに潜っている主の顔を両手で包み込み、主の唇に自身の唇を重ねた。
突然の事で主は目を見開いたが、心の中で何かが解けていくような感じがし、頬に涙が伝わっていきゆっくりと目を閉じた。
「…んっ………っ!」
主の息が続かずに口元が緩むと、ユーハンは舌を入れより深いものにしていった。
「っハァ…ハァっ」
「…もう、我慢は致しませんので◯◯さんも覚悟して下さいね♡」
ユーハンはそう言いながら自身の服を脱ぐと主の服も脱がしていき、一糸纏わぬ姿になった主を見て見惚れていた。
「…お綺麗ですね。」
ユーハンはそう言いながら主の体に指を這わせていき、主の体が脈打つとクスリと微笑み主の胸を堪能していった。
今までの2人の時間を取り戻すかのようにお互いに求め合った。
「っぁ…ん゙っ…ハァっぁ、」
主の吐息混じりの甘く縋るような声が心地良くユーハンの耳を刺激し、ユーハンのものを大きくさせていった。
「◯◯さん、お慕いしております。既に私の身も心も全て貴女のものでございます。ですから◯◯さんの身も心も全て…私のものと思っていてもよろしいですよね…?」
主はユーハンの激しく動く指をキツく締め付けながら頷くと、ユーハンは頬を緩ませ指を抜き自身のものを主の中にゆっくりと入れていき主の頭を撫でながら激しく動き始めた。
「っん゙ぁ…ハァっぁ゙あ!…ハァっん゙ぅ゙…」
「私のものは…◯◯さんには少々大きかったようですね。大丈夫ですよ、直に良くなりますし私ももう止まれません。」
主は苦悶の表情を浮かべたが、やっとユーハンと繋がれた事の悦びが大きく、ユーハンに身を委ね嬌声をあげる事しか出来なかった。
(大事にしたかったあまりに◯◯さんを傷付けてしまった事、どうかお許し下さい。二度と同じ過ちは繰り返しません。)
ユーハンは主の中を掻き乱しながら、主の頭を撫でながら主の唇に自身の唇を重ね、 2人はひたすらにお互いを求め合い体温を感じあった。
†††
朝の光がカーテンの隙間からこぼれ落ちユーハンの脳を覚醒させた。
「…ん、もう朝ですか。昨夜は少々無理をさせてしまいましたね。私は、この上ないほどに幸せでございますよ、◯◯さん。」
ユーハンは隣で気持ち良さそうに眠る主の頭を撫でながら、頬を緩ませていた。すると主はゆっくり瞬きをし、起きだした。
「…ユーハン、おはよう。」
「フフ…おはようございます、◯◯さん。寝起きの◯◯さんもとても可愛らしいですね♡ お体は大丈夫ですか?昨夜は無理をさせてしまい申し訳ございません。
本日はお休みですし、ごゆっくりなさって下さいね。…何か私にして欲しい事などはございますか?私が◯◯さんの手となり足となりずっと隣に居させて頂きますよ♪」
朝からユーハンの過剰なまでの愛情を感じ取り気恥ずかしくなり、掛け布団に顔を半分埋めながらユーハンの方を見つめた。
「フフ…申し上げた通り、私はもう我慢は致しませんよ?」
主はユーハンと一緒に食堂へ行き朝食を食べていると、その日はあんまんの特売日である事をロノから聞いた。
主はユーハンの笑顔が見たいと思い、その日はユーハンと一緒にあんまんを買いに行こうとエスポワールの街へとくり出して行った。
omake
別邸1階執事室─
ハナマルとテディは和菓子を食べていた。
「…ユーハン、結局帰ってこなかったな。」
「ハナマルさん!…ユーハンさんに野暮な事聞いちゃダメですからね。」
fin.
次回🧸🗡
コメント
1件
第15話読み終えたわ。ユーハンが手を出すのを怖がる気持ちと、主が「求められたい」って泣いちゃうとこが切なくて…ハナマルとテディが仲裁役になってくれてよかった。後半の展開は確かに熱かったけど、お互いの気持ちがようやく通じ合えた感じがしてホッとしたわ。朝のユーハンの過剰な甘やかし、笑えるけど幸せそうで何より。次回も楽しみにしてる🔥