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その日は暑苦しい夏が終わり、葉の色が染まり始めた頃で天気は快晴で涼しく快適だった。 山の中は見慣れた風景で道も分かりきっているため、私たちは迷うことなく歩き始めた。 桃海山を登り始めて約3時間が経過した。
友人と私は凄く焦っていた。なぜなら、 行き慣れたいつものルートで来ていたので、1時間半程で着くはずだった。「道を間違えるわけないよな」看板も確認したし、地図も見ていたのに…。友人と少し休憩した後、改めて友人としっかり地図を確認して歩き出した。
気づけば桃海山を登り始めて5時間が経過した。
「…予定変更して、今日は山で夜を明かそうか。」ひどく疲れ切った私たちは夜を越す準備を始めた。私たちにはテントまではないが一応、寝袋と多めの食料は準備していた。夜は少し冷えるかもしれないが我慢するしかない。友人と共に薪用の枝などを拾い終わって火をつけ、休憩している最中のことだった。「おーい!」 少し遠くから聞こえる男の声が聞こえ、私が「おーい!」と返事をすると何故かぴたりと声が止んだ。
(遭難者か?)そう思いつつも、しばらくしても返事がないので声がした方向に向かい、声の主を探した。焚き火が見えなくなるそのころだった。そろそろ暗くなってきたし、危ないから引き返そう……。そう思った直後、耳元で「ぁ゙あ゙ーー!!」** と誰かに叫ばれた。私の顔は一瞬で恐怖で歪み、気づいた時には走り出していた。焚き火に走って逃げ込むと友人が不思議そうに首を傾げて「どうした?そんなに焦って………遭難者はいたのか?」と聞いてくる。私は違和感を感じた。なぜあの叫び声が友人には聞こえなかったのだろうか………。そう尋ねると**「僕は何も聞こえなかったよ。疲れているだけじゃないか?」と言われてしまった。疲れているんじゃない…。絶対に何かが………いた。
気が向いたら続き書きます