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「ホント、私がその頃の樹に出会えてたらそんな思いさせなくて済んだのに。私が過去の樹救ってあげたかった」
なのに、透子はこうやってそんなオレを責めることなく、それどころか救ってあげたいとまで言ってくれる。
「だけど、今は透子が救ってくれたから。そんなどうしようもないオレだったのにさ、今ではホントそんな生き方してる自分叩き直してやりたい」
どうしようもないオレに、ホント透子は勿体ないくらいの人。
「でも多分。そういう樹がいたからこそ、今の樹なんだよ。私だってそう。過去にツラい想いして幸せになれなかったからこそ、今の樹に辿り着くことが出来た。樹だって過去の女性と幸せになれてたら、私と出会えないワケだし」
「いや、それはマジでない! っていうか絶対そんなんありえないし! オレは透子じゃなきゃ無理だし!」
だけど、やっぱりオレには透子しか考えられなくて。
透子じゃなきゃこんなにも満たされないし幸せにもなれない。
「うん。私だって樹じゃないと無理。だから、きっといいんだよ。過去は過去で。今の樹と私が幸せでいられるなら、それで」
「今の幸せに辿り着くのに、あんなどうしようもない男だった必要はなかったようには思うけどね(笑)」
「でも、過去の樹も樹。否定する必要ないよ。今の樹になる為に必要だったんだから」
あぁ。どこまで透子はオレを好きにさせるんだろう。
どこまでこの人は優しいんだろう。
どうしようもなかったオレでさえも、透子はこうやって受け入れてくれる。
「そうだね。そんなオレがいないと今の透子とはきっと出会えてないんだからね」
「うん。きっとね」
今こんな風に言えるのは、透子とこんなにも幸せだから。
だから今はそんなオレ達の過去も今の自分達に必要な時間なのだったと、そう思える。
そう。
今はあんなにも手に入れたかった人が目の前にいてオレの隣にいてくれる。
ずっと手を伸ばしても届かなかった人が、今はいつだって触れることが出来る。
そして気を抜いて安心してる透子の傍に近づいてすぐ目の前で透子を見下ろす。
「えっ?何!?」
いきなり近づいたオレに驚いた反応をする透子。
「そんなにオレのこと好き・・?」
透子を見つめると、見つめるだけこの気持ちは止まらなくて。
もっと触れたくなる。
もっと欲しくなる。
透子のその瞳も、声も、身体もすべて。
どんどんそんな想いが溢れ出したまま、透子を見つめながらそっと囁く。
「えっ・・?」
「ねぇ・・オレのこともう好きでたまんないんでしょ?」
オレはもう透子が好きでたまらない。
透子もそうでしょ?
「それ・・は・・」
いつものように戸惑う透子。
「透子・・。ちゃんと言って?」
だけど今はそんな戸惑った姿よりも、オレを求める透子を見たい。
「・・好・・き・・」
そして透子はオレの目を見てそう呟いてくれた。
愛しい人からのその言葉は、なんでこんなにも甘く響くのだろう。
その一言だけでどうしてこんなにも幸せになれるのだろう。
「オレも透子が好きでたまんない。オレが気持ちもカラダも欲しいのは透子だけ」
こんなにも留まらない想いがあるなんて知らなかった。
どこまで好きになってもその想いは尽きなくて。
どれだけ好きと囁かれても、もっともっと欲しくなる。
「今だってそんな素直な透子前にして、正直もう我慢出来なくなって来てるし」
そしていつもと違う素直な透子は、そんなオレの想いをさらに掻き立てる。
「いや・・でも今はホラ、ご飯食べたとこだしさ・・」
「うん。だからもういいでしょ。ちゃんとご飯食べ終わったし、今度は透子の番」
今日は逃がしてやんない。
「いや、それはまだそんな焦らなくても・・・」
「なんで? もう後は好きにしていいって言ったでしょ?」
ホントは透子もオレが欲しいくせに。
「だったらいいよね?」
「もうちょっと、ゆっくりしてからでも・・」
「何? 逃げられるとでも思ってるの?」
ホントに嫌がってるワケじゃないことくらいわかる。
ただ恥ずかしくて最初はこうやって絶対受け入れられないけど。
だけど今はどんな表情をしてたら、その言葉がホントじゃないかが、ホントはオレを求めてるのかがわかるから。
ホラ、今もそんな目で熱く甘く見つめているのはその証拠でしょ?
そんなのオレにとっちゃ逆効果で、もっと煽ってるってこと、なんで気付かないかな。
「もう無理。待てない」
そして透子の頭を強く引き寄せそのまま唇を重ねる。
「んっ・・!」
その甘く漏れる声に、オレはより一層透子を求める。
オレがこうやって激しく求めても、透子も同じようにやっぱり求めてくれる。
今は素直な言葉を聞けなくても、その瞳で、唇で、身体で、透子がオレを求めてくれるのがわかるから。
「さっ、もう限界」
唇を放して、そのまま透子を抱きかかえる。
「えっ! 何!?」
抱きかかえたことで、すぐ傍にある透子の顔。
いきなりの行動にさすがにビックリしている透子。
だけどその顔がまた可愛くて。
「もっとじっくり透子愛せるとこに運ばないと」
やっぱりそのまま我慢しきれなくなって、抱きかかえたまま唇をまた重ねる。
すると今度は透子もオレの首に腕を回してオレを求めてくれる。
そしてそのままベッドになだれ込み、もっと二人で唇もカラダも求め合う。
こんなにもいつでも誰よりもすべてが欲しいと思ったのは初めてで。
知れば知るほど、この蜜を甘さを味わえば味わうほど、その魅力にハマっていく。
「透子・・」
愛しさが込み上げて、溢れるこの囁きも。
何度呼んでも足りなくて、何度触れ合ってももっと欲しくなる。
この潤んだ見つめる瞳も、オレを感じて漏れる吐息も、透き通った白い肌も、華奢なこのカラダも、オレに抱き付くこの細い腕も、すべてが愛しすぎて。
今オレだけに見せてくれるこの表情も、声も、カラダも、独り占め出来てるのが死ぬほど嬉しくて。
もっともっと透子をオレでいっぱいにしたい。
もっとオレを求めてほしい。
もっともっとオレを感じて。
オレはその透子のすべてに狂いそうなほど溺れてどうしようもない。
こんなにも好きで愛しくて、狂いそうに切なくなるのも、幸せになるのも、透子だけ。
どんな時も幸せだと感じるのも、幸せだと感じてほしいのも、透子だけ。
だから、これからもっと透子に感じてもらいたい。
オレといて幸せだって。
透子がオレといて幸せだとどんな時も感じられるように。
オレはこれからも透子にこの想いをこの愛しさを伝え続けていくから。
いつでも、どんな時も、ずっと、ずっと・・・。