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プロローグ
舞台はヨコハマ_
私は異能力者だ。
顔はかなり整っていると自負しており
綺麗な顔には綺麗な髪を、と。
髪の手入れにはかなり力を入れている。
スラッと高い背丈は遺伝のおかげだろう。
ただスリムな体型は自身の努力で手にいれた。
……私の異能力というのは目を合わせた相手を惚れさせる、【蜃気楼の花】フルール・ドゥ・ミラージュ。
優れた容姿と異能力のお陰でいつも私の周りには人がいた。
どんなイケメンだって私に夢中。誰もが私に夢中。人々の憧れであった。
恋人には困らなかった。
街で見かけたイケメンをちゃちゃっと略奪。
上辺だけでのラブラブで幸せなカップルではあったが満足していた。
それが当然で、それが日常だったから。
ある日そんな常識と日常が崩れた。
地下鉄の爆発事故。
その日はちょっと遠出をする予定があったから少し多めの荷物を抱えて電車を待っていた。
ヘッドフォンを着用しお気に入りのプレイリストをかける。
小さくは無い音と共に電車がやってきたので黄色の線の上に立ちドアが開くのを待った。
風圧により髪が巻き上げられ反射的にきゅ、と目を閉じた。
再び目を開き足を踏み出す。
……あれ、周りに人が居ない?
刹那、轟音と熱気。
…私を呼ぶ声が聞こえる。
視界が赤に滲み揺らぐ。
声が出ない。はくはくと口を動かすも出るのは掠れた空気の音。
あぁ、体が熱い。熱いのにどうしてだろう、芯から冷えるような感覚がする。
顔の整った男性が私の肩を抱いて声をかけている_
目が覚めたらそこは病院だった。
電車の”爆発事故”に巻き込まれたらしい。
体はどこも痛まない。
爆風により皮膚は爛れてしまっただろうか、なんて考え指で頬をなぞる。
すべすべで、変わらぬ私の肌。
ナースコールを押して医師や看護師に色々説明を受けた。
“武装探偵社”という組織が私を助けてくれたこと、異能力により完全治癒しているが念の為入院する事。
鏡に映る自分は変わらない。
ヘッドフォンをしていた為離れろ、という注意も聞こえなかった。
風邪気味だったので異臭にも気がつけなかった。
こんな阿呆な私を助けてくれた探偵社とは一体_