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ロードストの一件が片付いてから数日。
新たな領主にはジェイドが就任した。
ダリア。
ガリレア。
クロウ。
バビロン。
彼らもロードストに残ることとなる。
一方でレンはロイド付きのメイドとしてサルーム城で暮らすことになった。
それぞれが新しい道を歩み始めていた。
そして。
セフィロスは天界へ帰還していた。
眩い光に包まれた神々の都。
そこへ足を踏み入れた瞬間。
遠くから慌ただしい足音が聞こえてくる。
「セフィロス様!!」
現れたのは第二使徒。
地獄の王ルシファーだった。
「どこへ行っていたのですか!?」
セフィロスは少し考える。
「散歩だ」
「散歩で数週間も姿を消さないでください!!」
天界中が大騒ぎだったのだ。
神々も。
天使たちも。
使徒たちも。
全員が捜索していた。
セフィロスは悪びれた様子もない。
「人間界に行っていた」
「またですか……」
ルシファーは頭を抱えた。
「それで?」
「ロイドと遊んでいた」
「予想通りでした」
「あと魔族を捕まえた」
「はい?」
ルシファーの視線が足元へ向く。
そこには黒猫。
猫ギザルムがいた。
「にゃ」
「……」
「……」
「……それが件の魔族ですか?」
「そうだ」
「本当に?」
「本当だ」
ルシファーはしゃがみ込む。
猫ギザルムを見る。
猫ギザルムも見る。
数秒後。
「ふっ」
ルシファーが笑った。
「ははははは!!」
「笑うな!!」
「喋れないのに怒っているのが分かりますね」
「にゃあああ!!」
ルシファーはさらに笑った。
ギザルムは泣きそうだった。
セフィロスはそのまま自室へ戻る。
巨大な部屋。
中央には天蓋付きの大きなベッド。
セフィロスは猫ギザルムをその上へ置いた。
ぽすっ。
「にゃあ!!」
途端にギザルムが文句を言い始める。
前足を振り回し、
尻尾を激しく揺らし、
耳を伏せる。
どう見ても怒っていた。
「にゃあ!」
「にゃにゃあ!」
「しゃー!!」
だが。
セフィロスは腕を組む。
「これでは何が言いたいのかわからんな」
「にゃっ!?」
ギザルムが固まる。
今更か。
今更気付いたのか。
セフィロスは軽く指を振った。
金色の光が舞う。
神力が猫ギザルムを包んだ。
「……?」
次の瞬間。
「――だから最初から言っていただろうが!!」
部屋中に怒鳴り声が響く。
ギザルム自身も驚いた。
喋れた。
普通に喋れていた。
「おお」
セフィロスが頷く。
「話せるな」
「話せるなじゃない!!」
ギザルムが飛び上がる。
「何なんだお前は!!」
「神だが」
「知ってる!!」
「なら問題ないな」
「あるわ!!」
ギザルムはベッドの上を走り回る。
「勝手に使い魔にするな!」
「うむ」
「猫にするな!」
「うむ」
「ペット扱いするな!」
「うむ」
「聞いてるのか!?」
「聞いている」
「絶対聞いてないだろ!!」
セフィロスは椅子に腰掛ける。
そして静かに告げた。
「安心しろ」
「何がだ」
「私はペットには優しい」
「安心できる要素が一つもない!!」
即答だった。
その時。
扉が開く。
ルシファーが顔を出した。
「失礼します」
そして。
流暢に文句を言う黒猫を見る。
沈黙。
「……」
「……」
「セフィロス様」
「なんだ」
「本当に飼うおつもりで?」
「当然だ」
「そうですか」
ルシファーは遠い目をした。
天界の平和のためにも。
この魔族には頑張ってもらうしかない。
そう思ったのだった。
コメント
1件
第4話読みました!ジェイドが領主になったり、それぞれ新しい道を歩み始めてるのが感慨深いです。でも何よりセフィロス様が黒猫ギザルム連れて帰って、天界で「にゃあ」って鳴いてるギザルムとルシファーの笑いが最高でした(笑)「ペットには優しい」って言い切るセフィロス様、絶対聞いてない感がもう…面白すぎます!次どうなるんだろう、続き気になります🖤