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春高から1ヶ月、木兎さんが事故にあった。
 飲酒運転の車が歩道に突っ込んで木兎さんを轢いたらしい。
 幸い、命意識ともに別状は無い、目の前にいる木兎さんは包帯だらけだけど身体を起こし普通に話している、
 赤「生きてて良かったです。」
 兎「こんなんじゃ死なねぇよ!」
 赤「すいません、そうですよね(笑)。これ木葉さん達からお見舞いだそうです。」
 兎「やったぁ!ありがとう!」
 元気な人だ、ドーナッツでこんなに喜ぶなんて。
 赤「早くその怪我治して下さい、それでまたバレーしましょう。」
 ドーナッツで喜ぶあなたを見たから漠然と大丈夫だと思った、いつもと同じ元気な声だったから。
 兎「…」
 またいつも通りに戻るのだと思っていた。
 赤「木兎さんどうかしました?」
 兎「…あかーし、」
 いつも通りの滑らかに動く唇に綺麗な声。トスを呼ぶあなたの声をずっと聞いていたいと思ったこともあった。
 でも
聞きたくない言葉、脳が処理できない、事実だと受け止められない、嫌な汗が出てくる。
 なにかの冗談だと言ってください。
嫌です。
そんなの…
 赤「俺…もっと木兎さんのバレーをしたいッ。」
 兎「…ごめん。」
俺はもうバレーを出来ない
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兎「歩けるし多分普通のサーブなら打てるけど…走れないし飛べなくなっちゃった。」
 お願い、何も言わないで下さい。
 赤「ッ…俺、あなたとバレーしたくて梟谷に来たんですッなのにッ…」
 分かってます。泣きたいのはあなたですよね…分かってます、分かってるんです。
 兎「あかーし、泣かないで」
 でも、許してください、涙が止まらないんです、まだバレーをしたいんです。
 赤「ごめんなさッ…」
 兎「…あと、もう1個だけ言わないといけないけどいい?」
 まだ何かあるんですか?もう無理ですよ…
 兎「聞いてくれる?」
 嗚呼ずるい、あなたはずるい。少しは俺の事考えて下さい。
 あなたにそんな顔されたら俺が断れるわけないじゃないですか。
 赤「ッはい」
 幸せそうな顔をこちらに向ける、本当にずるい。
 綺麗な笑顔だ。
 いつもの豪快な笑顔とは違う大人しい笑顔。
嗚呼俺は…
え゙?