テラーノベル
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ー空舞sideー
僕らは**通りにやってきた。でも、ここは治安が良いと有名な場所だ。殺し屋が居るなんて思えなかった。
「1本裏の道に入ってみようよ」
「あぁ。愛楽に会えればそのまま話す。やばそうな人だったら道に迷ったって言う。いいね?」
「ラジャ」
待っても待っても人1人通らなかった。すっかり日が落ちて、真っ暗になってしまった。
「母さんたちに怒られるね」
「だね」
でも、それでも別に構わないと思っていた。今だけは悪い子になってでも、愛楽に会いたい。
20時ぐらいになり、足音が聞こえた。軽いくて小さい。大人でも男の人でもなかった。なら子供で女の人。やっと、このときを待っていた。
「愛楽!」
その人は振り返らずに歩いていく。僕らの横を通過しようとして、腕を掴んだ。
「愛楽」
「あーちゃん」
暗くてよく見えない。けど、何となくわかる。13年間も一緒にいたのだから。
「なんで…2人が」
「色々調べて、やっとここまで来れたんだ」
「大変だったんだよ?」
「帰れ。2人が来ていい場所じゃない」
「なら、殺し屋の愛楽は来ていい場所なんだ」
愛楽は驚いたような顔をした…気がした。
「今日は、さよならを言いに来たんだ 」
「…え?」
「ほら、卒業式の日はいつでも言えると思って言わなかったから」
「大丈夫だよあーちゃん。俺たちは深くは聞かないから」
「愛楽、もう僕らには会えないんだよね」
「でも、会いたいって思ってくれてるよね」
だんだん目が慣れてきた。愛楽の顔が見え始める。
「それでもいいと思ってる。だから、今までの感謝とこれからの別れをちゃんと伝えたい」
「…ごめんっ、わたしッ、」
愛楽の涙が僕の手に落ちる。僕はそれを舐めた。すごくしょっぱくて、愛楽の顔に触れてボロボロ出てる涙を拭った。
「愛楽」
「あーちゃん」
「「今までありがとう。バイバイ」」
「…こちら、こそ…」
僕らは家に帰った。愛楽がその後どうしたのかは知らない。あの涙は流しきるべきもので、一度流したらもう流れないものだと思う。
「レヴィも殺し屋だったんだね」
「そうみたいだな」
「あーちゃんかっこいいね」
「うん。かっこいい」
ーティナsideー
愛楽を探して、でも危ない世界に関わってると知った。私たちは愛楽には会わず、空舞たちと別れた。
翌日、空港に向かってお父さんたちと別れる。私と光平はラウンジでゆっくりしていた。
「日本の空港ってご飯が美味しくていいね」
「カナダは美味しくないのか?」
「ふふ…これから思い知るといいよ」
「マジかよ笑」
こんな日々が続くために愛楽には会わないって決めた。はずなのに、ふとした瞬間寂しくなる。
「やっぱ会えばよかったかもな」
「…そうだね」
「私に?」
「…え、えぇ!?」
「愛楽お前っ、なんで」
目の前に愛楽が居る。帽子を深く被って、伊達メガネもしているけど。でも本物の愛楽がいるんだ。
「双子が会いに来てくれたから、じゃあ私が会いに行かなきゃかーと思って」
「いいのかよ」
「私は、ただラウンジに忍び込んだ15歳の少女だよ」
「ふふっ、ずる賢いね」
「2人とも、幸せになってね」
「あたりめーだろ」
「愛楽も、幸せになるんだよ」
「うん。もちろん」
会ってから別れるまで数分しかなかったけれど、愛楽に会えてよかった。
ー愛楽sideー
ラウンジをスタッフエリアを通って出る。レヴィと合流して外へ向かった。
「会えて良かったな」
「うん。よかった」
「愛楽、大丈夫か?」
「なにが?」
「今、つらくないか?」
考えた。だから言った。
「幸せ」
「よかった」
私は幸せになった。
だから、これで終わりにする。
なぜか?
これは、私が幸せになるまでのお話だから。
コメント
5件
みぅです🤍🥀 第55話、読み終わりました…。 空舞とレヴィが愛楽に会いに行って、ちゃんと「さよなら」を伝えたシーン、すごく胸に来たよ。涙を舐めたって描写が、空舞らしいというか…彼なりの愛おしさの表現なんだろうなって思った。 ティナと光平のところにも最後に来てくれた愛楽の「ずる賢いね」って言葉に、彼女の強さと優しさが詰まってる気がした。 「幸せになるまでのお話だから」って締めくくり、すごく好き。泣けるけど、あったかい気持ちになったよ。
輝瀬黒(ペア画中
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