青桃
続き
今日は彼女であるないことデートをしていた
日々の疲れを癒すために2人で買い物をしたり、ご飯を食べたりして遊び、そろそろ帰るかと、話しながら帰っていた
その時、庇う間もなくトラックがないこ目掛けて突っ込んできた
俺はショックで半ば意識がない中、必死で救急車に電話をかけて一緒に病院へ行った
病院へ到着してすぐにないこは手術室に運ばれて行ってしまった
それから何時間経ったのかはわからない
やっと出てきたないこは頭を縫われ痛々しくなっていた
その後執刀医の先生から色々な話をされた
まず、ないこは記憶障害になっている可能性が高いこと
手術は成功したけどいつ目覚めるかわからない、次の日の可能性もあれば数年起きない可能性もあるということ
そんな、一気に聞くには耐えがたい事を聞いたからなのか自身も疲れていたのかは分からないがその後はないこの側にいながら眠ってしまった
目が覚めるとそこは無人の駅だった
そこはまだ夜明けの様な暗さで綺麗な星空が広がっている
青「なんで、こんなとこにおるんやろ……はよないこの事を確認したいのに…」
ここが現実である可能性はほぼ無い…となればここは夢の中だろう
そうなるともしかしたらもうないこが起きてしまっているかもしれない
どうにかして出れないかと駅を歩き回っているが一向に出られる気配がない
どうしようかと途方に暮れていた時、見覚えのある、大好きな姿が目に入った
一歩ずつ進み慎重に確認してみると向こうもこちらを見つめていた
その顔は、姿は…紛れもなくないこだった
俺は嬉しさでその場から動くことが出来なくなってしまった
そうするとないこが先に口を開いた
この後、俺は衝撃に包まれることになる
桃「あの、お兄さんのお名前は…?」
青「…ッぇ、?」
なぜ、名前を聞いてくるのだろうか
俺らは付き合っていたはずなのに…忘れてしまったのか…状況が上手く飲み込めない
だが答えないと怪しまれてしまう
俺は頑張って口を動かす
青「ぁ、えと…猫宮いふ…です、?」
桃「いふさん、?俺は乾ないこです、!」
青「ないこ…よろしく、」
桃「よろしくです!」
青「ッ…」
名前も口調もないこそのものなのに俺に敬語を使ってきて…いふさんと呼ぶ…
必死で頭を働かせてたどり着いた答え
この世界はないこの夢の中なのではないか
もしかしたらこの世界でないこが眠れば現実世界のないこは起きるのではないか
半ば上手く働かない頭でそんなファンタジックな事を考える
だが今はこの説を信じるしかない
俺は頑張って会話を続ける
青「…ここって俺ら以外の人おらんよね、」
桃「ですね…さっきから歩いてたんですけどループしてる感じですし…」
それは俺も薄々思っていた事だった
やっぱりないこは勘が鋭い
青「だよなぁ…」
青「……でも一応駅の外には出られそうやで?その先はなんも無さそうやけど…」
桃「あ、ほんとだ…あの扉開きそうですね、?」
青「開けてみるか…」
さっきから気になっていた扉を開けてみると
青「うわ寒ッ、!?」
とても冷たい風が吹き込んできた
桃「そっか…まだ夜明けだから気温的には10℃台なのか…?」
青「オリオン座見えるってことは冬やろうしな…」
桃「…でも綺麗ですね、♪」
青「冬は空気が澄んでるから空が高いしなぁ…♪」
やはりないこと会話するのは心地が良い
敬語なことには違和感を覚えるがこの感じが俺は大好きだ
桃「俺達、なんでここにいるんでしょうね…」
ないこが急にそんなことを投げかけて…というよりは独り言に近いのかもしれない
答えが欲しそうであって聞きたくないというような表情をしている
だから俺はこう言った
青「…ないこがなんでここにいるのかは分からない」
青「けど…俺は、大切な人を探しに来たのかもれんなぁ…」
そう言うとないこは
桃「…俺は見つけて欲しいのかもしれないです」
と続けてきた
もしかしたら本能的な何かが働いているのかもしれない
青「そっか、♪……大丈夫、いつまででも一緒にいてあげるから」
自分でもなぜこう言ったのかは分からない
でも、この世界のないこも、俺の大好きな彼女な事には変わりないから安心させてあげたかったのだろうと勝手に結論付ける
桃「…本当ですか、?……♪」
青「ほんまよ♪…ないこのこと大好きだから((ニコッ」
桃「嬉しいです…♪𓈒𓂂◌」
ないこは確認するように聞いてくる
俺は正直な気持ちで返す
ないこの顔を覗き込んでみるといつものように赤面はしていなかったものの眠そうな表情をしていた
青「眠い、?♪」
桃「ねむく…ないです、…寝ないです…から、」
青「ん、寄りかかってええよ」
寝て欲しいなんて、自分のエゴでしかないのかもしれない
早く現実世界のないこに会いたいなんて…。
でも、俺が好きなのはいつもは大人ぶっているのに俺の前だけで甘えてくる、可愛くて不器用で…でも頑張り屋さんなないこだ
敬語で、俺のことをいふさん呼びしてくるないこには…目を覚ましてもらおう
桃「起きても、一緒にいれますか…?」
青「いれるよ、♪」
桃「じゃあ…少しだけ、おやすみなさぃ…」
青「おやすみ……ッ…♪」
そう言ってないこが眠った瞬間に自身にも酷い眠気が襲ってくる
起きたら、ないこに会えるかもしれない
俺は星空の下で一筋の希望に縋るように、眠りに落ちていく
意識が途絶える寸前、1つの流れ星が俺の視界を横切った___________
コメント
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うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(? 切ない系のお話…珍しい! 夜の駅のホームってなんかエモいよねぇ 桃ちゃん!青さんのこと思い出すんだ! 青さん記憶のない桃ちゃんでも大事にするの大事にしてたのがわかるわ そして流れ星!青さんの願いを叶えろ!!!