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魔道祖師完結編最終話の後日談的な。
2人の日常みたいな感じです。
近々別のお話も載せようと思います!
それではどうぞ。
一応読み方⤵
魏無羨→ウェイウーシェン
藍忘機→ランワンジー
魏嬰→ウェイイン(親しい者同士で呼ぶ名)
藍湛→ランジャン(親しい者同士で呼ぶ名)
暖かなふんわりとした風が頬を撫で、辺りを優しく照らす春の光。
今日は魏無羨と藍忘機2人きりで花見に来ていた。道侶なのだから。
魏「藍湛」
藍「うん?」
魏「花すごく綺麗だな」
藍「うん」
何気ない会話をしながら2人口元を綻ばせる。この幸せな時間がずっと続きますように、とお互いが密かに心の中で願った。
藍「魏嬰」
藍忘機が名を呼ぶと応答するように振り返る。その顔や眼差しはいつもとそう変わらないが、どこかいつにも増して儚げにみえた。
藍「綺麗だ」
魏「そうだな藍湛」
藍「違う。君が」
そう言うと魏無羨は目を丸くして、その後大袈裟に笑った。
魏「あはは!藍湛!さすが俺の旦那様だな」
照れを誤魔化すかのように魏無羨も負けじと言い返す。
藍「……ああ」
と、照れた様子で応える。その様子を揶揄うように魏無羨は言葉を紡ぐ。
魏「なぁ藍湛?俺の藍湛は優しくて美しくてかっこよくて最高の旦那様だ!」
といいニヒヒと首を傾げて笑ってみせる。
藍忘機からの返答が無いので目を開けると……
魏「おおお!?藍湛!?」
藍「ほら」
魏「……」
黙り込んだ魏無羨の目の前には両腕を広げて待っている藍忘機こと’’旦那様’’がいた。
魏無羨は少々照れくさかったが、嬉しさが勝ち喜んで腕の中に収まる。
ただ、魏無羨は心の中で考えていた。
魏「(俺がこんなに幸せになっていいのか…?俺は幸せになるべきじゃないんじゃないか?多数の命を奪った俺が、こんなに幸せになっていいはずなど…。でも藍湛は受け入れてくれている。それでもこう思ってしまう。やはり俺は独りで苦しむべきなのか。)」
「…イン……」
藍「魏嬰」
魏「(姉さんの命を奪ったのも俺のせいだ。俺があそこであんなことをしなければ…)」
藍「魏嬰?」
藍忘機から心配が混ざるような声で名を呼ばれ魏無羨はハッと我に返る。
藍「どうした?」
魏「あ、あぁ、少し考え事をしてただけだ!なんでもない!」
藍「そうか…」
魏「あー、いや、、こんな俺が幸せになってもいいのかって……ただそれだけだ」
納得がいかない様子の藍忘機を見て、魏無羨は心の内を明かす。
藍「何を言っている。いいに決まっているだろう。」
魏「でも、姉さんを殺したのだって俺だ。それで…だから、」
いつもはよく動く口が今は動かない。
藍「江厭離(姉)を殺したのは魏嬰ではない。全て自分の責任だと思わなくていい。もし思うなら、私も一緒に背負おう。」
魏「…藍湛、こんな俺を受け入れてくれてありがとな。俺はこれからもお前と一緒に過ごしたい。それを許してくれるか…?」
藍「うん。私も君と生涯を過ごしたいと思っている。」
暗かった顔の魏無羨に、再び笑顔が戻る。
魏「あははっ!これからもよろしくな藍じゃ………いや!旦那様!」
2人はその後もしばらくお互いの体を抱きしめ合い、暖かな風を浴びながら花見を続けたのだった。