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翌朝。
シェアハウスのリビングには、穏やかな寝息が響いていた。いつもより少し早く目を覚ましたえとさんが、どぬの様子を見守る。どぬの額に触れると、じんわりと熱い。体温計を挟んでみると、37.2℃。微熱だが、まだ少し熱が残っている。
「どぬ、大丈夫…?」
えとさんが優しく声をかけると、どぬがもぞもぞと体を動かした。そして、ゆっくりと目を開けた、その瞬間だった。
「えとさん…?」
どぬの声は、いつもの小学3年生の甲高い声ではなく、聞き慣れた、少し低めの、しかし確かに高校生のどぬの声だった。
「どぬ!?」
えとさんが驚いて声を上げる。目の前には、見慣れた高校生のどぬが、まだ寝ぼけ眼で横たわっているではないか。着ているTシャツはぶかぶかだが、その顔は紛れもなく、いつものどぬさんのものだ。
えとさんの驚きの声に、リビングで寝ていた他のメンバーも次々と目を覚ます。
「どぬくん!戻ってる!?」
るなちゃんが目を丸くして叫んだ。確かに、その姿は幼いどぬではなく、いつもの頼れるどぬさんの姿だった。
「うわぁ!マジかよ!」じゃっぴが飛び起き、たっつんも「すごい!なんで!?」と興奮する。
「やっぱり…体調不良と、元の姿に戻るのが関係あるんじゃないか…!?」
もふくんが、なお兄と顔を見合わせながら、確信したように呟いた。のあさんも、ロリ化した姿のままだが、どぬが元に戻ったことに喜びの表情を浮かべる。
「どぬ!元気になったの!?」
そばにいたヒロくんが、目を覚ましたどぬの顔を覗き込む。ヒロくんはまだ小学3年生の姿だが、その表情は心底嬉しそうだ。ショタ化して以来、二人は特に仲が良かった。どぬが体調を崩せばヒロくんが心配し、ヒロくんが倒れた時はどぬが必死に世話を焼こうとした。まるで、本当の兄弟のように寄り添っていたのだ。
「ヒロくん…」
元の姿に戻ったどぬは、まだ幼い姿のヒロくんを見て、ぎゅっと抱きしめた。高熱で苦しんだ自分が元に戻ったという喜びと、まだ幼いヒロくんへの愛おしさが入り混じった、特別な抱擁だった。
からぴちメンバーは、目の前で起こった奇跡に歓声を上げた。どぬが元の姿に戻ったことで、彼らの仮説は確信へと変わった。体調不良は、ショタロリ化が解除されるための、あるいは体質が不安定になっているが故の「症状」であり、元の姿に戻るための重要なステップなのではないか?
この虹色の結晶、そして体調不良の連鎖の謎が、ついに解き明かされようとしていた。彼らの夏休みは、いよいよ終盤に向けて、大きなクライマックスを迎えようとしていた。