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俺と黒猫と紋章樹

9 - 第Ⅰ章 地下探索 第8話 再び旅へ

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2024年09月08日

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第Ⅰ章 地下探索 第8話 再び旅へ


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2024 910 12時45分 投稿

2024 911 07時23分 最新開始

2024 913 16時46分 最新完了

2024 919 21時29分 色々な描写方法変更


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ちょっとスランプ発生

ビミョーかもしれません、すみません、、

◆◇◆◇


これからどうしようか。

俺は自分の肩に乗るアルを見た。

新しい仲間が増えたんだし、そろそろ移動したいところだ。


この城塞都市フィルアに来てからの9日間は、何も起こらない平凡なつまらない暮らしだった。

不便もなく安定した暮らしだった、と捉えることもできるが。


だからちょうどいい機会だ。

ここは封印されていたとはいってもアルが長年居た場所だ。

言葉が通じているのかはわからないが、一応聞いておこう。


「アル、今からこの城塞都市フィルアから旅に出ようと思うんだが、ついてきたいか?」


するとアルは、当たり前だにゃ!!と言うように


「にゃぁぁ」


と鳴いた。

じゃあアルもついてくると言っているし、持っていく荷物をまとめるか。


◆◇◆◇


俺は寝泊まりしていた家の中で、持っていくものを確認していた。


ここ城塞都市フィルアで入手した背嚢。

女神セリアから貰った硬貨。

同じく女神セリアから貰ったステータス本。

狩りで手に入れたモンスターの血が完全になくなった、所謂乾燥肉。

命がけで手に入れた松明。

女神セリアから貰った、紋章が彫られている木箱。

あとは、この都市の「赤蛇の宿」という看板が垂れ下がっていた建物の中から調達したガラス瓶数本。

あと、ガラス瓶と同じく赤蛇の宿だった建物から調達した、所々破けている服。


今着ている服だってこの世界に転生した時に着ていた服だから、いつか服が新しく必要になる。

まあずっと裸で過ごすなら要らないんだけど、、、

流石にそれは嫌だ。

結構汚れているが、地下では貴重な物資。ありがたくいただいていくことにする。


「よし、じゃあ行くか」と言いながら、俺は背嚢を背負って歩き出した。


アルは「にゃぁぁ」と嬉しそうに鳴きながら、俺の肩に飛び乗ってきた。

アルの体温が肩に伝わって、めっちゃ可愛いもふもふしたい、、、という気持ちが込み上げる。

ここが好きなのかな?

いつもより視界が高い位置になるから、「私は背が高いのにゃ~!」なんて思ってるのかな。


俺も小さい頃はよく高い所に上っては、なんか自分が大きくなったような気がして、今なら何でもできる!って思って「それゆけ!」って叫んではそこから勢いよく飛び降りて、怪我とかしてたっけ。


懐かしいなぁ。


俺は過去の記憶に浸りながら足を前へと運んだ。

幼少期に高い場所から飛び降りていた記憶が鮮明に蘇る。

あの時の無謀な冒険心が今の俺にどれだけ影響を与えたのか、とか、いろいろなことを考えていたらすぐに城塞都市フィルアの砦の外に辿り着いた。


過去の俺は無謀で、冒険を全力で楽しんでいた。

過去の俺にできて今の俺ができないわけがない。

俺の心には、過去と向き合うことで新たな冒険への決意、自信が芽生えていた。


「うっしゃ、なんでもかかってこい!」


気合を入れて先の見えない暗闇の中へと歩き出そうとしたが、、、

少し寂しくなって、思わず砦を振り返った。

短くても、しばらく自分の家のように過ごした場所だ。寂しくなるのは当たり前か。

だが、ずっとここで暮らしてるわけにもいかないしな。


そういえば、モンスターは砦の中を移動している時には偶然にも合わなかった。

というか、アルが仲間になってから一回も城塞都市フィルアの中ではモンスターに遭遇していない。

もしかして、アルを避けていたのかな。


まあ逆に時間を無駄にせずに済んだから、避けてくれると有難い。


もしかしたら砦の外でもモンスターは避けてくれたりするのかな?

と、少し希望を持ったが、そんなに現実は甘くなかった。


砦から出て暫く歩いていると突然、豚のような顔を持つ巨体のモンスターが視界に現れた。

巨大な角が生えた大きな頭部が異様な威圧感を放っている。

モンスターたちは獰猛な目つきで俺達を睨みつけ、凄まじい勢いで武器を振りかざしながらこちらへと走ってきた。


流石に巨体が複数体はキツいって。

今までだって、ゴブリンが複数体居てギリギリ勝てる。っていう感じだったのに。


結構前のゴブリン集団との戦闘は偶然場所が良かったのもあるし、そこまでゴブリンが強くなかったのもある。


でも、この目の前にいる豚顔の巨体モンスターは普通に強い。

1対1で右腕持ってかれて勝てるかどうかっていう相手だし、城塞都市の中で行っていた狩りでも何度も遭遇してはボコボコにされた。


出来れば戦いたくなかった相手だ。

でも、相手はいつの間にか完全に俺たちを包囲している。


あれ、包囲されている。

やばい。流石にやばい。


俺は普通にボコボコにされて肉とか食い千切られたとしても、再生できる。

でも、アルは多分再生能力はない。

やばいな。


もうどうにでもなれ。



俺は豚顔のモンスター達へと突っ込んでいった。


豚顔のモンスター達は俺が突撃してきたのを見て手に持つ斧を投擲してきた。

そして俺は、人生で1番の痛みを味わうことになる。


あ、やべ避けられない。


俺は正面から斧を受け、衝撃で背中から地面に叩きつけられた。

目の前が真っ暗になり、全身に激しい痛みが走る。


「うがぁっ!」


斧の切っ先が右肩を貫通して背中の肉が引き裂かれる感覚に、痛みで思わず声が漏れた。

痛みが全身を駆け巡り、視界がぼやける。

やばい痛すぎる、、!


だが流石はヴァンパイア系、徐々に再生しているようで、段々と痛みも薄れてきた。


そしてしばらくすると完全に再生し、なんとか起き上がれた。

そしてモンスターの追撃を身構えるが、そこにあの豚顔のモンスターは居なかった。


そして俺の横には、心配そうに俺の顔を覗き込むアルの姿。


「モンスターは、、、去ったのか。」


良かった。

あのまま追撃されていたらアルに怪我を負わせるところだった。


やっぱりもっと、戦闘の腕を上げないとこの世界じゃ通用しないんだな、ということを俺は痛いほど痛感したのだった。

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