いつもと何も変わらない通学路を私はいつもと変わらない足取りで歩く。
ちょっと前まで綺麗だった桜も今では散ってしまっている。
「はぁ…」
私は小さなため息を吐いた。
高校生になってから早一ヶ月。私は友達という存在がいない。
友達どころか話し相手すらも作れずにいた。
こんなはずじゃなかったんだけどな…
そう思いながら私は小石を蹴った。
私は高校生になったら高校生らしいことをしたかった。
友達を作って、いつもきらきらした日々を送って、ちょっとしたことで恋をして…
でも現実はそう甘くない。
実際、私は友達もいなくていつも白黒な日々を送って、ちょっとしたことも起こらない。
「友達ほしいな…恋もしたいよ…」
誰もいないその道で私はそう呟いた。
次の日の朝。
私は寝坊してしまった。
最近人間関係などで悩むことが多くて眠れなかったせいだと思う。
「なんで起こしてくれないの〜!」
私はこちらを向かないお母さんにそう行って家を飛び出した。
いつもよ私は運動が苦手。
急ぎたいのに体力のかけらもないせいで速く走れないし、もう疲れてきた。
なんでこうなるの…!
そう思った瞬間。
目の前に人が現れた。
突然のことだったので止まることもできずその人に突っ込んでしまった。
転びそうになりながらもなんとか持ちこたえることができた。
「あぶなかった……って、すすすすみません!!!大丈夫ですか…!?」
私がそう言ってその人を見ると、私と同い年くらいの男子生徒だった。
私の学校の制服を着ていて、とてもかっこよく見えた。
ドキン
私の心臓が高校生になって初めて大きく鳴った。
髪がボサボサになっていることに気づき、恥ずかしくなって顔を俯けた。
緊張やら恥ずかしいやらで顔は赤くなって鼓動が大きくなる。
「こちらこそすみません!怪我はないですか?」
彼がそう聞いてきた。
震える口でなんとか答える。
「だ、大丈夫です、!ごめんなさい!!」
そこまで言って私は駆け出した。
毎日、会えたらいいな
目の前の世界が変わったような気がした。
あんな人は始めてだ。
高校生になってから会ったことはない。
私は嬉しかった。
入学式。
桜がきれいに舞い落ちていた。
周りからは新入生たちの声が聞こえ、新しい生活が始まる、というのを実感した。
その日に私は事故に遭った。
最後に聞こえたのは新入生たち、その道を歩いてた近所の人の悲鳴だった。
そのまま私は…………
気づいたら通学路のあの道にいた。
誰もいなかった。
でも学校にいって、家に帰って、毎日成仏できずにいた。
誰も私に気づかない。
そんなことを思って毎日悲しくなった。
そんなときに私に気づいた彼。
私がいることを見つけてくれただけであんなに嬉しいなんて思わなかった。
そして私は霊感の強い彼に恋をしてしまった。
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