sy「ん〜…これとかどうや」
煤色のシャツを身体に押し当てられる
ci「俺この色大好きなんよ、結構いいかも」
放課後隣町の古着屋まで来たのだ
本当は新品のかっこいい服!と行きたいところだが、お金が無いため古着で我慢するしかない
ci「ショッピって服のセンスあるなぁ」
御会計を済ませると外で待っているショッピに声をかけた
sy「チーノも少しは服に興味持ちや、
お前の私服まだ見た事ないけど。」
ci「あっ、そうだじゃあ来週の祝日ん時遊ぼうよ」
sy「…俺は別にいいんだけどお前は忙しくないん」
少し渋ったように言うが、決して嫌そうな表情ではなかったので少し安心した
ci「忙しかったらこんなこと言ってないってば」
sy「そ、じゃあ後々予定決めよ」
そう言って足を進める
ci「ショッピとデートってこと…」
sy「はぁ?……まあ、別にええけど」
ci「なんで否定せぇへんの…」
sy「なんでって、そりゃあ……いや、やっぱりなんでもない」
少し顔をしかめて考えるが、はっと何かに気づいたような表情をして曖昧な答えを出した
ci「なにそれ」
そんなショッピが不思議で仕方なくてじっと見つめてしまうが、俺の目線が気になってしまったようで顔を逸らした
ci「…俺はさショッピともっと仲良くなりたいよ」
sy「もっと?それってこれ以上の関係のこと?」
ci「ショッピは俺の事好きやないし、今は友達としての関係のレベル上げしたいと思ってる。だからショッピも俺の事もっと頼ってええで」
古着屋で貰った紙袋を両手でぎゅっと抱きしめた
sy「…なんや少しくらいかっこええとこあるやん」
ちらっと俺の顔を見るとまた足元に視線を戻す
なんやねん少して!とツッコミそうになったが、ショッピがなにか含まれているような熱い目でこっちを見つめるのにツッコミもできずにただ顔を赤くすることしか出来なかった
ci「お前…そういうとこやで」
sy「なーに今ので照れたん?」
目と目が合うと顔が熱くなってドキドキして逃げ出してしまった
ci「…もう帰るから!!じゃあな!!」
…
つい、恥ずかしくなって全速力で逃げ出してしまった
少し申し訳ないと思ってショッピにmineで一言、<急に帰ってごめん>と返した
メッセージを送信すると直ぐに既読がついて
<気にしてへんで>と返信が来た
人をからかうことが好きなショッピだが俺の事となると過保護になって親密に寄り添ってくれるのが嬉しかった
少し安心してmineを閉じようとすると、ぴこんと通知が来た
通知はmineで名前にはうつと表示してある
<チーノく〜んいま時間ある?>
どういう目的で送ってきたのか分からないがこの後特に用事もないので<暇だよ〜>と返事をしてみた
<これから会わへん?>
次に表示されたメッセージには<もう家の近くに居る>と来ていた
日も沈んで、眠気がすぐそこまで来ているので正直早く寝たかったが、家の近くまで来ているのなら仕方ないので<いいよ>と返した
薄いカーディガンを羽織って玄関の扉を開けるとすぐ近くにうつくんの影が見えた
ci「ぁ、おまたせ…」
制服にカーディガンを着ているだけの俺に対して鬱くんは普段のかっこいい私服で来ていた
ut「あぁ、ごめんね急に家に来て。会いたくなっちゃってさ」
ci「ぅ、うん…全然大丈夫だよ」
やっぱり普段から話していない人と接するのは無駄に体力を使う
ut「少し、散歩しない?夕飯食べるにはまだ早いでしょ」
ci「そうだね、散歩しよっか」
突然呼び出されてなんだと思えばただの散歩か、顔を合わせて会話をしないだけまだいいのかもしれない
ut「…チーノくんその服装寒くないの」
ci「全然!俺寒いの得意だからさ」
愛想笑いでもと少し重たい空気を軽くするように笑いを促した
本当は全身に鳥肌が立つくらい寒いのだ
ut「もー、無理はあかんで?俺の上着貸したるから」
そう言って紺色の上着を脱ぐと、バックハグのような形になって背中から暖かい上着を被せた
ci「…ぇっ、あの、ほんとに大丈夫で……」
そんなうつくんの行動にびっくりして咄嗟にその上着を返そうとした
ut「え~?でもチーノくんの手めっちゃ冷たいで?」
腕を伝ってギュッと冷たい手を握られると
言葉では表しきれないくらい不安な気持ちになった
ci「っあ………ぁの、はなして…」
その手を振り払うと顔のすぐ近くでドスの低い声が鳴った
ut「…いやなん」
ci「…ぁ、ううん全然……嫌じゃない………」
このまま、否定すれば貴重な友達が失われてしまうかもしれない
ut「ほんまぁ?嬉しいなあ。ねぇここじゃ人目に付いちゃうからさ俺の家来ない?」
声色で分かるような態度の変化は分かりやすくて、扱いやすくて、でもそれが逆に怖くてひとりじゃどうすることもできなかった
ci「それってどういう…」
そう聞こうとしたところで目の前にショッピらしい影が見えた
買い物袋を片手にスマホを握っているようだった
小刻みに震える手が脳みそがこの場から逃れたいと叫んでいる
ci「ぁ、あ……ショッピ、ショッピ!!」
鬱くんの腕を振りほどくと、一目散にショッピの方へ駆けて行った
sy「チーノ…?」
俺がショッピの名前を呼ぶと唖然とした顔でこちらを見つめた
そんなショッピを無視して俺はぎゅっと抱きしめた
ci「ショッピ…怖かった、怖かったよ」
全身で呼吸をするのがやっとで絞り出したような声で訴えた
sy「え?なに?何があったん??」
戸惑いながらも俺の背中に手を添えて抱き返してくれた
ci「うつく…」
状況を説明しようとしたところで駆け足でうつくんがこちらに寄ってくる
ut「あーあ、チーノくんどうしたん急に~」
へな、と笑いながらさっきの悪意に満ちた顔とは違い如何にも自分は悪くないですよというような顔をするので、それがどうしても怖くて仕方なくて
sy「チーノに何したん」
そっと俺のことを話すと鬱くんの事を睨んでそう言った
ut「何って、少し散歩してただけですやん!
そんな怒らんといてよ」
sy「散歩しただけでこんなチーノが怖がるはずないやろ。なあ何したん?」
ut「…少し、少しだけ触っただけ。怖がらすつもりはなかったんや、ねえ許してよチーノくん」
うつくんの生温い体温が、俺の冷たい手を包んだ
ci「……うん、いいよ俺こそごめん、ね…」
ut「ううん、ありがとう」
俺が押しに弱いことを知っていたのだろうか
血色の悪い唇が吊り上がると、また気味の悪い笑顔を見せてじゃあ、とこの場を去っていった
sy「お前、なにされたん」
この状況を黙って見ていたショッピはやっぱり困惑していたようで少し不機嫌な口調で聞いた
ci「少し手触れられただけ。過剰に反応しすぎた俺が悪いんや、ごめんね迷惑かけて」
sy「…ふーん、その上着は鬱くんの?」
紺色のコートの裾を握ってじと、と見た
ci「俺が寒い言うたら貸してくれてん、ほんまは優しい人やと思うんやけどなぁ。俺のせいで悪者にしてもうたなぁ…」
sy「お前はさ、自分を悪者にしすぎやねん、こういう問題になった時になんでも自分のせいにするのはよくないと思うで」
ci「……そうよな、迷惑かけてごめん守ってくれてありがとう」
sy「明日の鬱くんとの約束はどうするん」
ショッピがゆっくり歩き出すとそれに合わせておれもショッピの隣を歩いた
ci「ちゃんと行くで、すっぽかしたら可哀想やし、申し訳ないやん」
右隣でカシャカシャとレジ袋が揺れる音がする
sy「今日みたいに怖いことがあったらすぐ電話せえよ」
ci「分かってるよ、最初からショッピのこと頼るつもりだったし」
そんな会話をしたところで俺の家より少し手前にあるショッピの家に着いた
玄関前に着くと、レジ袋を漁って、ミニボトルのサイダーを1本俺の首に押し当てた
ci「つべたっ!?」
sy「ふは、ちゃんと飯食えよ、じゃあな」
そう言って俺に背を向けた
先生と生徒の関係が1番性癖なんです‼️
今のとこ結構お気に入りの「家庭教師」
サンコウ2の垢であげました‼️
ガッツリ🔞です
コメント
2件
わかります!!生徒と先生って関係神ですよね!?だからかめっちゃ『せんせい。』好きです…『家庭教師』っていう作品もあるんですね!!見てみます!
好き