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13 - 不老不死の呪い 最終話

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2024年10月20日

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”今はあんまり彼女いらんかもな”

”しゃるがいたらええ”

うるみやの発したその言葉が少し気になった。

さっきのマダム達は、うるみやがまだ結婚してないことについて話をしていた。

ニホンに10年住んでわかったが、ニホンジンの男性は23〜4歳で結婚するのが一般的。

対してうるみやはもうすでに25over。

そのあたりのことはよくわからないが、大商人の家系として、婚期が遅れているというのは致命的らしい。

橙「しゃる〜!」

橙「ご飯できたで〜!」

青「はいよ〜」

「「いただきます」」

青「うるみやさ、俺がいたら彼女いらんってどういうこと?」

橙「いわせんなやw」

橙「彼女云々の前にしゃると一緒に入れるだけでいい」

橙「うるみやからしたら後継者よりもしゃるのほうが大事や」

青「ありがとう」

疑問から確信に変わった。

やっぱりうるみやと俺は一緒にいられない。

うるみやが、奥さんと出会って、子供を作って、家業の商業を発展させるという幸せな人生の中に俺の居場所はない。

うるみやが幸せならそれでいい。

俺と君が一緒にいるという判断をすれば、一生君はマダム達に”後継者も作れないバカ息子”

”天国のお父さんが可愛そう”という僻みにあってしまう。

君を守ることができない。こんな弱い俺じゃ。

そして、今後年数が経つにつれてきっと君への愛も大きくなる。

俺は死ねない。君に置いていかれる運命なんだ。

君を失うぐらいなら、俺から離れてしまおう。

青「ごちそうさまでした」

橙「お粗末様〜!」

青「明日用事があるから出掛けるね」

橙「了解〜」


橙「いってらっしゃい!」

青「いってきます」

俺はほとんど何も持たずに家を出た。いつも出かけているときのように。

さてここからどこに行こうか。君が追いつけないところまで。



あれから何年経っただろうか。

何十年、何百年と君のいない、つまらない日々を過ごしてきた。

でも、君のことが忘れられなくて、忘れたくなくて、ずっと日本にいた。

俺はこの数十年の中で、音楽がとても好きになって、ギターをしたり、ネットで歌ってみたを出したり。

そこで、とあるオーディションを受けた。なんか受かった。

今日は顔合わせの日。俺以外にあと5人いるらしい。

「こちらの部屋にお入りください」

「もうすでにお一方いらっしゃっているので挨拶されてみてはいかがですか?」

青「ありがとうございます」

だいぶ早く来たはずなのに先客がいるそうだ。

「はじめましてやな!」

そこには聞き覚えのある声と、関西訛り。あの時の彼によく似た君がいた。

橙「漆谷都古!うるみややで〜」

青「はじめまして、しゃるろです…よろしくね」

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