ここは、エターナル・スカイ。永遠の空、という意味でそう呼ばれている。
このエターナル・スカイには、大小30の空島があり、人々は空に栄え、都市や帝国を築いていた。
まさに、空の楽園、というわけである。
物語は、そんな空の世界の空島の1つクロニクル島の魔法傭兵学園セヴァヴィアから始まるのだった。
♦︎♦︎♦︎
「うーんと…
治癒には、大きく3つがあり、水魔法治癒、光魔法治癒、聖魔法治癒である。
効果は後者になるにつれて強く…」
私はサンドイッチを握りつぶしながら、魔法参考書と睨めっこしている。
それもそのはずだ。
魔法界のエリートが集うこの魔法傭兵学園セヴァヴィアでの私の成績は下の下…
まぁ、はっきり言ってドベだ。
次の試験でもし赤点なら、進級不可能。
この学園から追い出されてしまうのだ。
それだけは絶対に避けなければ…
私は必死で魔法参考書を読む。
「おーい、エマ!
ここに居たのね!
探したわよ!」
「へ?」
私がサンドイッチを食べて見上げると、そこには親友のサラの姿が。
「あぁ、気持ちいい天気だったから、中庭に来てたのよ。
ちょっと私今忙しいから、話しかけないでね。」
私はサンドイッチを二口目を食べると、また魔法参考書に戻った。
「そんな事してる場合じゃ無いかもしれないわよ?」
「はぁ?
どうゆう意味ー?」
私は参考書から目を離さずにそう言った。
「学園長のアレが始まったのよ。」
学園長のアレ…
そうだ、このセヴァヴィアの学園長は|超《・》変わり者で、たまに変なイベントを立ち上げるのである。
「今度は何なの?」
私は牛乳でサンドイッチを喉に押し流しながら尋ねた。
「それがね…
【足して割って平均値】って言うらしいけど…」
「足して割って平均値ぃ?
何それ?
訳分かんない。」
「つまりね、学年トップとボトムがバディを組むわけよ。
その次は学年2位と下から2番目が組むってこと。
あとは…
まぁ、分かるよね?」
サラはカフェオレを飲みながら言った。
「はぁぁぁあ!?
何それ!
じゃ、私が組むのは…」
「うーん、学年トップのザキア君ね…」
サラは何とも言えない表情でそう言った。
「なんっで、私があんな奴とぉ!?」
私がそう言うのも無理は無い。
ザキアと言えば、容姿端麗、成績優秀、運動万能、であるが、なぜこんなに嫌われているか?
それは、血も涙も無いからである。
告白してきた女子には辛辣な言葉を投げつけ、挑んできた男子は半殺し、友達など誰1人居ない。
そんな奴だ。
「まぁ、でもさ。
これで、学年トップと成績を割るんだからさ。
うーん、まぁ、平均値になるんじゃないの?」
サラが他人事のように言う。
オワタ…
私の人生オワタ…
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