私が足して割って平均値の張り紙を見にいくと、確かに…
1位ザキア=S=マクシー&126位エマ=D=レティーシア
と、模造紙のトップに書いてある。
トップに名前が載ったのは、いつ以来だろうか…?
いや、そんな経験は無い。
だけど…
ザキアぁ?
嫌よ、あんな冷徹男…
でも、学園長が決めたイベントを取り消した事など今までに一度も無かったではないか…
はぁぁぁあ…
どうしよ…
私がそうため息を吐いていると…
「おい、アンタ…」
アンタって、私の事…?
振り向くとそこには、眉目秀麗なザキアの姿が…
ウエストの位置は高く、足は無駄に長い。
アイスブルーの瞳はよく晴れた日の空の色のよう。
鼻筋は通り、唇は意志が強そうにキュッと結ばれている。
「ザキア…君…」
「マジかよ…
アンタが俺のバディ…?」
いや!
嫌なのはこっちもですけどぉぉ!
「多分…」
私は曖昧に答える。
間違いであって欲しい。
「はぁ…
来い。」
「へ…!?」
「付いて来いって言ってんだよ。」
な、な、何なの!?
どこの国の王様ですかぁ!?
しかし、怖いので黙って付いて行く。
到着したのは、旧図書館だった。
別名お化け図書館。
ひぃぃ!
帰りたいんですけどぉ!
なぜ、別名お化け図書館と呼ばれるのか?
それは、まぁ、電気が付かないからである。
木造だしね。
「あ、あの…!」
「こっちだ。」
ズイズイと歩いていくザキア。
そして、彼は図書室のテーブルの上に腰掛けた。
多分。
薄暗くて、よく見えない。
「光魔法…」
「は?」
「まずは、光魔法を使ってみろ。」
「え、えぇ?」
「俺はな、お前と違って暇じゃ無いんだよ。
さっさとしろ。」
「ひ、ひ、光よ!
光の妖精アルフレイムよ!
我が問いに応えて、光を灯したまえ!」
私は急いで詠唱する。
光の妖精アルフレイムが現れて、光の球がぼんやりと現れ周りを照らし出した。
「ふん。
詠唱しないと出来ないのか?」
「えーと、はい…」
「光魔法は及第点だな。」
「はぁ…」
だから、お前はどこの王様だっつーの!
「今回の足して割って平均値は、進級するまでのイベントだとされている。
つ・ま・り。
この俺様の進級がお前みたいなヘッポコにかかっている。
どのバディもほぼほぼ平均値だ。
今のところ、な。
そのライバルを出し抜くには…」
「…には?」
「分かんねーのかよ?
ヘッポコのお前を鍛えるしか無いだろ。
俺にはもう伸びしろはそんなに無い。
満点以上は取れないからな。」
平然とそう言ってのけるザキアに少しイラつきながらも、彼の言う事はまぁ正論だ。
それから、お化け図書館での訓練が始まった。
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