テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
415
2,367
甘泉めあʚめめあ・めあちɞ
233
次の日、私は福音ダンジョンを探索を再開した。 SNSのバズリで私に声を掛けてくれる人が増えたが、私の虚無顔でビビって基本はすぐ逃げてくれるから私の探索者活動には支障はあまりなかった。
物凄く複雑な気持ちになった……
そんな気持ちを抱えながらも、私は21層に入りトントン拍子で26層まで攻略が進んでいく。そして、壁にぶつかった。
「意味わからん…何で私だけ敵強いんだよ」
27層は少し特殊で各1名ずつしか入れない階層になっていた。入った人それぞれの力に合わせて敵の強さや数や地形が変わる様になっている特殊エリア。
ネット調べてみれば、自分の力量にあった敵が出現すると聞いていたのに私の場合は、
何故かドラゴンだった。
ごく一般的な普通の2階建ての家2件分のデカさがある黒いドラゴン。
炎のブレスは吐くし無尽蔵に飛び回り風魔法と突風で攻撃してくる。
私の攻撃は基本殴るか爪で切り裂くしか無いので降りてこなさ過ぎて攻撃が出来ない。
レベルが上がり身体能力も上がっているが、
4メートル以上も高い所で旋回されると今の私に攻撃する手段がないのだ。
「全然降りてこないから、キッツい!」
ドラゴンに悪態を吐きながら迫りくるブレスを回避してどうするか考えるが解決策が見つからない。挑戦して撤退を2回繰り返して、諦めることにした。今日は、ね。
福音ダンジョンを出て近場のベンチに座り
ドラゴンについてスマホで検索する。
「うーん、全然検索に掛からないなぁ」
日本のダンジョンでドラゴンが現れた事例は見つからなかったが、海外だと3件程ヒットした。 いずれも50層以降でドラゴンを見たと言うものだ。ドラゴンの討伐に成功したのはアメリカの大きなクランだけらしい。
討伐時に十数人の死亡者に数百人の負傷者をだして討伐に成功と書いてある。
「無理ゲーじゃないか、これ」
こんなに被害を出してやっと倒せる相手に私が太刀打ち出来る未来が見えない。
何か疲れたなぁ……
今日はもう帰っちゃうかなぁ
今は午後4時ごろ。
少し早いが今日は帰って休む事にする。
自宅に帰りシャワーを浴びてお風呂に入る。
お風呂に入り身体をリフレッシュしているとお風呂のドアが少し開き、声が掛かる。
「愛菜、私も入っていい?」
「良いですよ〜」
湯船に入る前にいつもの抱きかかえ状態で一緒に入れば、コウモリさんは満足気だった。
かく言う私もコウモリさんに抱き抱えられて入るお風呂に入るが好きだ。
私は背中全体でぬくもりを感じながら疑問に思っていた事を質問する。
「コウモリさんって空飛べたりします?」
「んっ、飛べるよ〜」
「飛べるんだ…私も飛べたりしますかね?」
「貴女にはまだ見せた事なかったわね」
そう言うと背後から音がした。
身体を後ろに向けるとお風呂を飛び出る程の大きな黒い翼がコウモリさんの背中から生えていた。170㎝のコウモリさんを丁度包めるくらいはある大きな翼だ。
「吸血鬼には翼が生えてるから飛べるけど、
魔力を消費するから注意ね。魔力を背中、背骨辺りに送ってみなさい」
「へぇ〜 分かりました……」
背骨に魔力を送るように魔力操作してみるが魔力を感じたことが無い私には全然分からなくて難しそうだ。
「難しいですね。魔力もよく分からないし」
「そういえば貴女魔法系覚えて無いから魔力を分からないのね。なら手伝ってあげる」
そう言うとコウモリさんの手が私の背中に触れる。優しい手つきで気持ちいい…… コウモリさんは手で背骨を優しく撫でていく。
スベスベして気持ちよくて暖かい感覚だ。
「暖かくて気持ちいいでしょ? その暖かい感覚は私が魔力を送ってるから。今の暖かい感覚を覚えなさい。で、それを背中に送くると翼が出せるはずよ」
「ん……分かりました」
今の感覚を頼りに魔力を背中に送るように頑張ってみる。3分程集中してると背中に違和感を感じ始めた。 何か背中から出てきたような感覚、ちょっと気持ち悪い。手を背中に精一杯回して確認すると羽根が生えていた。
小さな羽根、私の手ぐらいの羽根。
「小ちゃい…」
想像の10倍小さい羽根に思わず声が出る。
コウモリさんは私の言葉に笑いながら私の羽を優しく触ってくる。
「ふ、小さくて可愛らしいわね……ふふ」
「笑わないでよ…これ飛べますかね?」
「小さいから少しは浮遊出来るレベルかな。練習してれば大きくなるんじゃ無いかしら」
悔しいが今の私の限界がこれなら仕方ない。
私もカッコいい羽根生やしたかったなぁ
*
お風呂かは上がったら、次は夜ご飯を作る。
レベルが上がったからか、大きな怪我等しない限りは血を欲する事が無くなり空腹も感じなくなった。 でも、私はご飯を食べるのが好きなので、空腹を感じなくてもご飯を食べるようにしている。
コウモリさん曰く吸血鬼は2ヶ月ぐらいは血を摂取しなくても生きられるらしい。
ちなみに今日のご飯はステーキ。私のだけ変わらずコウモリさんが血を提供した特別品。
もう空腹を感じる事は少ないから要らないと言ったが、コウモリさんは血を提供する事を辞めない。
「うまい、美味いけど、血を直接上に掛けるのはちょっと食欲が…」
「良いじゃない、貴女モンスターなら気にせずに血肉を食べてるわよね?」
「いや、ダンジョンだと吸う方が手間だから」
「私は直接食べるのは苦手ね。やっぱり血は首から飲む方が美味しいわ」
「まぁ人それぞれと言うことで」
「そうね……早く食べちゃいましょう」
二人で談笑しながら夜ご飯を食べ終えてパソコンでロボットアニメを見る。
そう言えば、私がいない時は何してるのかと思えば漫画やパソコンでネットサーフィンしてるらしい。
主に有料動画サイトでアニメ鑑賞。
吸血鬼がどんどん俗世に侵食されてるなぁ。
数話分のアニメを見ていると眠気が来てベットに入る。
体を寄せ合ながら寝る体制に入る。 夢の中に入ろうと目を閉じようとした時、コウモリさんが喋りかける。
「ねぇ…魔力の練習、もっと簡単な方法教えてあげましょうか?」
「んっ?簡単な方法ですか?」
「そっ、本当に簡単よ……こんな風に」
私の肩に腕を回し顔を近づけてくる。
何をしてくるか分かったが、私は避けないで目を閉じて身構える。
顔と顔がコツンと当たり唇と唇がくっ付く。チュっと擬音が聞こえたような気がした。
リップキスだろうとたかを括っていたら違和感に気づく、何か長く無いか……これ?
目を開くとコウモリさんの顔が正面に現れ
目を細めて笑顔で私の目を見ていた。
突如舌が入ってくる。
ビックリして身体が身じろぎ、反射的に逃げようとするが、コウモリさんの腕で顔を抑えられ逃げ出せない。初めての大人のキスの気持ちよさと行為に息継ぎが分からずに頭に酸素が回らない。クラクラする。
「んっ…ぷはぁ、これぐらいでいいかしら」
体感で3分ほどだろうか。
やっとキスを辞めてくれたお陰で脳に酸素を送ることが出来て、思考が戻る。 まさかの大人のキスをしてくるとは思わなかった……
「そんな睨まないでよ、お風呂の時みたい背中に魔力を流して見なさいな」
「ん、んっ…!あれ?何だろう、お風呂の時より何か大きくなった?」
「んっ、どれどれ〜?」
コウモリさんは私のスマホを手に取り写真を撮ってくれる。確認すると翼がお風呂で確認した時よりも一回り大きくなっていた。
「ん、ちゃんと出来てるわね。私が直接口から魔力を渡したから魔力を感じやすかったでしょ? 私の魔力を使えば効率的よ」
「そう言う事は先に言って欲しいです」
「先に言ったらキスしてくれないでしょ」
「むむ、コウモリさんとならキスぐらい出来ますよ」
「なら魔力操作の練習の為に毎日する予定だったけど、大丈夫って事で良いかしら?」
「なっ…のっ望むところですよ」
言っちゃった……
恥ずかしいが、魔力操作の練習の為だ。
別にキスが気持ち良くてまたしたい訳では無いよ……いや、マジで。
私は誰に聞かれる事も無いのに心の中で言い訳を並べていた。コウモリさんが練習は終了と言うので、もう寝ることする。
いつもより心臓が煩くて寝づらい夜だった。
コメント
1件
第12話、読み終えました〜! 27層のドラゴン、確かに無理ゲーすぎる…(笑)。でもそこから帰ってコウモリさんとお風呂でまったりして、あのキスで魔力操作の練習って…もう、愛菜さんの混乱と照れが手に取るようで微笑ましかったです。「望むところですよ」って言ったあとの心の言い訳、すごく好きです。コウモリさんの甘やかし方が絶妙で、二人の距離感がじわじわ縮まっていく感じがたまらない回でした🦇💕