pn
pn「だからなんでそうなっちゃうの !?」
rd「だからそれはぺいんとが …」
只今絶賛喧嘩中。
こんなに決着のつかない喧嘩は初めて。
rd「なんでちゃんと一言言えなかったの?」
pn「だから携帯の充電切れたんだって !!」
事の発端は昨日の夜のこと。
pn「いってきまーす !!」
rd「うん、楽しんで」
rd「…あ、ぺいんと」
pn「ん?」
rd「俺との約束、覚えてる?」
pn「連絡はちゃんと返すことと …」
rd「うん」
pn「行った場所とか写真付きで送る !!」
rd「そうだね、あとは?」
pn「電車、タクシー、バスのどれかで帰る !!」
rd「そう、他の人の車乗っちゃだめだよ」
pn「門限は?」
rd「ん〜」
rd「22時だと早い?」
pn「大丈夫 !!」
rd「分かった、じゃあタクシーかな?」
pn「そうだね」
rd「はい、タクシー代」
pn「えっいいの?」
rd「うん、楽しんでおいで」
pn「うん !! らだありがとう !!」
今日は高校の頃のクラスのみんなで久しぶりに集まることになった。
高校時代はまじで楽しかったし、先生に怒られまくった記憶ばかり。それも今ではいい思い出なのだけど。
らっだぁとは中学まで一緒だったけど高校は別々のところに行くことになった。それでも俺達は仲良く週末は過ごしていたから気づいた頃にはお互い惹かれていて恋人になった。
「ぺいんとくん酔いすぎ〜 !! 」
「ほんとコイツ酒弱いんやから 笑ヾ」
「おーい、大丈夫かー?」
pn「ん〜?」
pn「今なんじ …」
あれ、携帯がつかない。
目見えてないだけ …. ? 結構酔ったな …
「あれ、充電切れてるんじゃない?」
pn「やば ッ …」
pn「なんじ ッ …」
「今?23時だけど …」
「それより体調は大丈夫?」
pn「やばい 、 かえらなきゃ …」
「まじ?門限あったのかよ」
「俺送ってくよ」
pn「たくしー …. 、」
「タクシー?あぁ呼ぶけど …」
そんなこんなでなんとかタクシーに乗ることが出来た。
門限を過ぎているのも分かっていたけど携帯の充電が切れてるし、あのメンバーにらっだぁと共通の友達もいないから連絡も出来ない。
ただ静かにタクシーに乗っているとだんだん酔いも冷めてきて焦りを覚えた。
ガチャ ヾ
pn「ただい …..」
rd「ぺいんと」
pn「ら、らっだぁ …」
rd「今何時か分かる?」
pn「じゅ、いちじ ….」
rd「そうだよね」
rd「門限22時でもいいって自分で言ったよね」
pn「うん …」
pn「ッ ちょまって気持ち悪 ッ …」
rd「トイレ行っておいで」
pn「う゛ッ …」
rd「…今日は休みな、また明日」
pn「…」
そして今に至る。
結果浮気を疑われてしまっているのだけど違うと証明が出来ない。
rd「門限緩かったかな ….」
pn「浮気じゃないって !!」
pn「ていうかそもそもなんでそんなに疑うの?」
pn「そんなに俺って信用ならないの?」
rd「だって今信じられるものがないじゃん」
pn「とか言って本当は自分に自信がないだけじゃないの?」
pn「俺だってみんなと朝まで遊んだりしたいし !!」
pn「別に誰かの車乗っても何も起きないし !!」
rd「そんなの分かんないよ」
pn「言っとくけど俺束縛激しいのとか嫌だし!!」
pn「いつまでも俺がそんなんでそばにいると思わないでッッ!!!」
rd「…ッ」
俺がそう冷たく吐き捨てるとらっだぁは悲しそうな顔をした。
らっだぁのそんな表情は出会ってから見たことがなかった。そもそもあまり感情を表に出さない人だから尚更。
だからこそ悲しそうに見えた。表に出すほど。
その表情を見てから俺は自分の言ったことがどれだけ彼にとって棘のあるものだったか知る。
時間は戻ってくれない。
らっだぁは「そっか」なんて細く小さな声で呟けば自室へ行ってしまった。
rd
『いつまでも俺がそんなんでそばにいると思わないでッッ!!!』
その発言が何度も蘇り、そして何度も俺を突き刺す。
今までぺいんとの発言でこれ程傷つくことはなかった。そもそもぺいんとの発言で傷ついたのはおそらくこれが初めて。
俺が心配性なせいで彼にストレスを与えていた。そしてそれに気づくことができなかった。
結局自分のことばかり考えていたんだ。
「本当は行かないでほしい 」
「寂しい」
「俺だけを見ていて」
なんて弱々しいことは変なプライドが邪魔してきたせいで言えなくて、そのくせにいくつもの約束を作る。
自分がどれだけ捨てられるのを恐れているかを目の当たりにしてしまい、俺は感情を抑えられなくなっていた。
気づくと目からは涙が止まることなく溢れ出ていた。
pn
pn「言い過ぎた … どうしよ …」
謝りに行かなければいけない。
そもそも俺が22時でいいと言ったし、約束事に関しても文句を言わなかった。
らっだぁも出かける時は同じようにしてくれていたから俺は不安になることはなかったし、だからこそ、この約束を破られた時の気持ちも大して考えていなかった。
悪いことをしたのは俺。
言葉も決まらないし感情もまとまらないまま扉の前に立っていた。
緊張で手が震える。ドアノブに手をかけ、扉を押したタイミングでノックを忘れてしまったことに気づいたが、もう遅かった。
彼の姿は確認できず、ただ、布団が膨らんでいて、彼が部屋にいることに少しだけ安心した。
pn「らだぁ … あの ッ _」
静かにベッドの上に上がり、布団を優しくめくるとそこに彼はいた。
ただ、目元が赤く、彼の綺麗な瞳からは涙が出ていた。
初めて見る泣き顔に胸が締め付けられた。
pn「ッ ごめんなさい ッ !! 俺 、 らっだぁに酷いこと言って …」
rd「ッッ ヾ」
俺がそう言うと彼は俺を抱きしめた。
抱きしめて泣いた。
耳元で聞こえるすすり泣く声といつもよりも力の強いハグに俺も感情がおかしくなってしまいそうになる。
pn「全部嘘なの ッッ !!」
pn「他の人よりもらだと朝まで一緒にいたいし、助手席に乗るのもらだの車だけでいい !!」
pn「束縛激しいなんて思ってないしらだぁのそばにずっといたいから ッ ….」
rd「ッ ぺいんと ッ .. ぐすヾ」
彼の弱さを見て俺はきっとどこかで安心している。
優しいから。いつも我慢していると分かっていたから。
さっき喧嘩してしまった時だって本当は浮気なんか疑ってないでしょ?もっと何か言いたいことがあるけど俺を傷つけるかもしれないとか、またそんな事考えて言わないでいてくれたんだよね。
rd「ッ 俺 ….. 、 ぐすヾ」
pn「うん」
rd「ッッ …. 寂しかった 、」
rd「お願い、俺から離れないで …. 、」
彼の本音は想像よりずっと切なかった。
ただ離れて欲しくないだけだけだったんだ。
彼の弱い所を知ってしまった以上俺も寄り添ってあげるべき。
pn「離れないよ」
rd「ほんと?」
pn「うん、仲直りしよ?」
rd「ありがとう、ぺいんと」
この日以降、俺達は言い合いになる喧嘩を一度もしなかった。
リクエストください !!
ネタ切れで困ってます …
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡ 1000 💬 1
コメント
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ちょっと長すぎて申し訳ないんで返信欄に書きますね………