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暇だなぁ、、、怖い話しよう!
ブルーロック内の一室に誰かの声が響いた。廊下を通ったものは興味を持ち数人が中に入ってくる。各棟から何人か集まっていた。
今はもう夏だった。ブルーロック内でも分かるくらいに暑くなっていた。そんな、夏といえばというテンションで話を持ち出した者たちがいた。16年やそこらの年齢になっていれば人怖系でも幽霊系でも何かしら一つは経験をしていると思われる。それに加え、ここに集まった者たちは、選ばれし300人の中で勝ち残っているメンバーたちなのだから、恨みを持たれていても仕方がないと言える。それでは彼らの話を聞いていこう。
「まず俺からね!」
これは優から聞いた話なんだけど…
って話!本当のことかはわからないけどね!
一人目の話が終わった。この話はお母さんから聞いた話だという。周りはそれなりに反応を見せてくれている。
「じゃあ次俺な。」
しばらく病院に通ってた時の話なんだけど…
だっつう話。それよりも足の怪我のほうが怖かったけどなw
二人目の話が終わった。彼が病院に通っておた時の話だったという。彼はもう気にしていない様子だ。
「次俺俺。」
中学の時、あるパン屋によく行っててたんだけどな…
まぁその後無事に終りを迎えられたがな。嫌悪、嫌悪。
三人目の話が終わった。彼はどちらかというと可愛い顔立ちであり、狙われやすかったという。皆背筋が凍っていた。
「俺の次は凪な。」
俺の実家が金持ちなのは知ってんだろ?それ故の事件で…
いつも通り助けが来たけどな。あのときはマジで怖かったぜ。
四人目の話が終わった。金持ちな故の話だったという。いつも通りということで少しざわめいたが本人により次の話に進む。
「うへぇ、次俺?めんどくさ…」
めんどくさいから手短に話すけど、確か1人暮らし始めた頃に…
で、対応がいつもの百倍くらい面倒だった。まぁその時被害喰らわなかっただけ良かったけど。
五人目の話が終わった。新居に引っ越してから割とすぐ起きた事件だという。これは単なる事件な気もするが。
五人はもう話し終わったが、余程時間は立っておらず、ペースは順調だ。この調子でどんどん話していった。六人、七人、八、九…。予想通り、皆それぞれ怖い話を持ち合わせていた。だがトラウマ級なほど特別怖い話はまだ出てきていない。最後の一人、となったところで、皆期待が高まる。
「俺が最後…?そんなに期待するなよ??」
えっと、ドッペルゲンガーって知ってるか?
まぁ知ってるよな、結構有名だし。
じゃあパラレルワールドは知ってるか?
知らない人もいるか。んー、簡単に言うと違う世界線?な感じ。
話に入るんだけど、
一回パラレルワールドに行ったんだ。
正確には行ってしまった、のほうが正しいか。
信じられない?まぁそうだよな。経験してる人は少ないんだし。まぁ聞くだけ聞いてくれよな。ちょっとグロテスクな部分もあるけど、無理だったら耳抑えてくれ。
高校の入学式に向かってるときにな、事故が起きたんだ。
本当にびっくりしたって。今でも脳裏に焼き付いちゃってるらしい。しかも事故起こしたのが小学校からの大親友でさ。そいつのことはIって呼ぶな。
そいつはなにか新しいことを始めるときとかに、よく浮かれてるんだ。周りに目がいかないんだ。それで過去に数回事故ったけど。でもあればかりはIが悪いわけじゃないんだけどな。
うん、ちゃんと信号は青になってから渡ったよ。
トラックの運転手がさ、信号無視の連続犯らしくて。過去に何人も怪我人出してたんだって。不運なことにIはさ、轢かれちゃってさ。しかもタイヤに潰されて。そのトラックは大分重かった。
Iの体からはさ、臓器とかがあちこちから飛び出して、見たことないようなものが体から出て、骨は粉砕されて、完全にもう手遅れな状態だったんだ。でもちゃんと通報してさ、救急車も呼んで。
でも気づいたら
Iが居なくなってたんだ。ていうか失くなってた。
そこからはIに聞いた話なんだけど、パラレルワールドに行ったって。その世界は今の世界の色が完全に反転してたらしい。簡単に言えば、ブルーロックがイエローロックになったっていうイメージかな。
そしてドッペルゲンガーらしきやつを見たって。ドッペルゲンガーって言えるかはわかんないけど、混乱してて自分の家と似ているところがあったからそこにお邪魔してみたんだって。
まぁ普通は入らないけどな。ちょっと抜けてるとこあったんだよな。
そしたらさ、そのIとそも家族がリビングで団らんしててさ。もちろん混乱したよな。自分と同じやつがいるってだけでもう十分怖いだろ??
そんなに怖い?まぁ話進めるけど、それ以上に怖いことがあってさ。
みんな体と顔がぐちゃぐちゃだったんだ。まるでトラックに轢かれたように───
なんで認識できてたのか?んー、なんとなく?
急いでその家を出た。パラレルワールドって言っても、作りが完全に一緒なわけじゃなくて家の前とかの作りがちょっと違くってさ。家を出た瞬間に轢かれた。
轢かれて死ぬことがカギだったのか、いつもの家に戻れたらしいよ。当時はちょっとトラウマになってたらしいけど、Iはメンタル強いし、今では結構元気にやってるよ。
でもさ、頭打ったりしちゃうとさ、たまにあっちに行っちゃうらしい─────。
「なにそれ怖ッ!?」
「I、、」
「途中体験談みたいに話すけど、」
パチッ
「え!!!!!?????ちょっ、な、電気!!!!」
「は!!!!!!!!!??ふざけるなよ!!?」
「ヒュッ、お、ぉい。」
「電気消えただけでそんなにビビるリンリ、は、、???潔ちゃ、え」
「潔が何!!!!???」
「壁黄色くね……え、ちょ、これドッキリ、」
「え?壁青いけど。」
パチッ
「っはーーーー、みんなを怖がらせたいのは分かるけど大概にしろよな、いさ、」
「潔??」
潔の話が終わると、みんなが感想を言い始めた。そして凪があることに気づくと、電気は消えた。凪は冗談半分で言っていたつもりらしい。
電気が消えたと思うと、電気はついた。だが周りは異変に満ちていた。
壁は黄色く、潔が、まるで話に出てきたパラレルワールドのように変化していた。
色は話に出た通り反転していて、凪の髪は黒く、肌の色は青く。不幸中の幸い、潔以外は、色が反転しただけで済んだようだ。
パチッ
「は?」
「何今の…?潔何したの??今言ってくれないなら怒っちゃうよ!!?」
「おい、誰かスマホ持ってねぇのか。」
「俺持ってるけど圏外だよ。」
「とりあえず電気つくまでまとうぜ…」
「ここってパラレルワールド??」
「恐怖、恐怖」
「ドアは開かないん??」
「あ、でもここで動くのは危なくないか?」
パチッ
「ついた!」
「ドア確認してみい。この場合やと多分、」
「開いた…」
「それより、あのIって、潔のことじゃ、」
「Iって何??」
「潔?」
「なんなの!!!??」
「本気であれはエグいって」
「ふざけてんの!!?」
「チビリそうだった」
「寒気がする…」
「え、何でそんな騷いでるんだ?」
みんなが混乱し、ドアの付近に立っていた潔はみんなに言い寄られた。だが言い寄られる理由が潔にはなかった。
「は?お前がエゲツねぇ話するからだろ」
「サイコパスに目覚めた?」
「話?俺なんにも話してないけど。だって今の今まで俺と雪宮とカイザーとネスで2on2でやってたんだけど。」
「そうだけど。騒がしいから来たけど急にどうしたの?」
「クソ下々ども、クソ迷惑」
「不敬ですよ」
潔は確実に事実を話した。
なぜなら潔はくだらないことでは嘘をつかないし、雪宮は汗を掻いているし、カイザーとネスはきっとそんなことには便乗しない。ドッキリにしては再現できないし、四人ともブルーロックスーツを身にまとっていた。潔はさっきまでスウェットを着ていた。
────ならば考えられる可能性は、
「おい潔、パラレルワールドってなんだ。」
「は」
凛は潔に問う。単に純粋な質問とも取れる言い方にも関わらず、潔は顔色を変えた。
それと同時に場の空気は一気に重くなった。
「なんで、それ」
「お前が話したから…」