卒業式が終わって両親はまた仕事のために出かけていった。けど先生が出来るだけ一緒にいるんだよ、と言ってくれたからそのようにしたし、そのおかげで前より関係は悪くないように感じた。
「やっと先生に会いに来れた」
「っていっても1週間くらいだよ?」
先生は椅子に座った俺の頭を撫でてくれる。 たった1週間でも会いたくてたまらなかった。
「俺は会いたかったの」
「僕も会いたかったよ···」
俺を抱きしめてそう囁く声が優しくて、本当に先生と付き合ってるんだと実感する。
「これからは入学の用意で忙しくなるね」
「まぁ···あと免許も取ろうかなって···いつか先生とドライブしたいし···」
「ふふ、楽しみにしてる」
当たり前に未来の話が出来るのが嬉しくて甘えるように胸元に顔を埋める。
「先生も忙しいよね、仕事は春休みもあるし」
「まぁ···でもまた採用して貰えて嬉しいよ。ただ、もう学校で若井くんと毎日会うことは出来ないって思うと···さみしいけどね」
少し寂しそうに声が震えた先生を強く抱きしめる。 先生ってもしかして、俺のこと凄く好きなんじゃない?
「じゃあ毎日会おう。それに制服はいつでも着てあげるし、先生って呼ぶ。寂しくないように 」
「んはっ···やっぱり優しいね···ありがとう、でも···名前でも、呼んでほしいかも」
顔をあげると先生の顔が近づいてきて、唇が触れ合う。
先生を引き寄せてキスを続ける。
だんだんと、深く、長く···それは先生が酔ったときのキスのようで。
でも今、先生は酔ってなんかいなくて。 そして受け入れて、舌が触れ合うように返してくれる。
もう“先生”じゃないんだ。
「涼架、さん?」
「呼び捨てでいいよ···」
「それは次にとっておく」
どういうこと?と笑う涼架さんの唇を塞ぐ。息をする合間に若井くん、若井くんって俺を呼ぶ。それは もう少し先生の若井くん、でいてもいいかなと思えるほど甘い響き。
「涼架さん、凄く幸せだけど···我慢できない、かも」
別に最後までしようとかってことじゃない。けど触れたいし、触れられたくて身体があつい。
「我慢しなくていいよ····それに今日、泊まって帰るでしょう?」
涼架さんが俺の手をひいてベッドに座らせる。
「もしかして、酔ってる?」
「酔ってない···今日は、途中で寝たりしないから」
恥ずかしそうに笑って俺をベッドに押し付け、ベルトに手をかけて器用に外すとズボンをおろされる。
「せんせい···?」
「僕にまかせて」
恥ずかしいくらい主張しているそこを下着の上から撫でられて、その刺激と先生の手の動き···視覚的な刺激で撫でられるだけで正直やばい。
それも脱がされて、先生の視線を感じたと思うと、口にいきなり含まれた。
「う、···きもちいい、せんせい···」
手で口に収まらなかった部分を撫でながら舌を動かされてゾクゾクとした気持ちよさに襲われる。
だんだんと早くなる動きに限界を感じて先生を止める。
「それ以上されると···気持ちよすぎて出そうだから···」
ちら、と上目遣いの先生と視線が交わる。嬉しそうに目尻が少し下がって、俺を見つめながら先生は動きを早めた。
あの先生が自分のを咥えながら手で愛撫し、俺を見つめてる。
全てが気持ちよくて頭が真っ白になって、俺は思わず先生の頭を押さえてしまった。
「だからやばいって···あっ、いく···っ」
先生の口に押し付けながらドクドクとそのまま出してしまった。
慌てて抜いて、先生にティッシュを渡す。
「ごめん!押し付けて···」
「ううん···大丈夫、気持ちよくなってくれて嬉しい」
先生は水を飲むと俺に被さり、キスを求めてくる。
···先生って、なんかめちゃくちゃ慣れてない?酔ってたときもそうだけど、積極的だしあんな風に俺を責めてきたし。もしかして経験値すごくあったりして、と不安になる。
俺は正直、経験あるけど男の人とするのは初めてでネットで色々集めた知識しかない。
「···俺、先生を満足させてあげられるかな?いっぱい頑張るし出来ることはなんでもするから、最初は下手でも嫌いにならないで、努力するから!」
必死になってそうお願いしてぎゅう、と抱きしめる。
「若井くん···?なんでそんなこと言うの?僕は若井くんとこうしてるだけでもうとっても満たされてる」
「だって···先生、なんか慣れてるから」
「···えーっと、誤解してるよ···だって僕、キスより先のこと···するのは若井くんが初めてだもん」
コメント
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キスより先のことは初めてなんだったら、キスはしたことあるんだ
藤沢さんが慣れてるから若井さんが焦って、下手でも嫌いにならないで!って、必死なところが可愛い🩷
更新きた!! 下の名前呼びなのが読んでてすごく微笑ましくなっちゃいました!笑 このお話大大大大大好きなので続き楽しみにしてます!!