「」葛葉
『』叶
※キャラ崩壊、口癖 注意
2人が高校生で同級生の設定です。
−葛葉side−
時刻は朝の6時30分。
「はぁ…行くか、、、」
昨日の失態を思い出してしまい思わずため息が出てしまう。
今日は昨日叶にしてしまったことをしっかりと謝り、気まずい空気を打破し仲直り(?)しようと
決めた、、、はずなのに。
「あ゙ぁ…家出たくねぇ、、、」
いつも大事なときにうじうじしてしまう自分が嫌になる。
「はぁ…今日学校休もっかな、、、」
今まで遅刻しそうになったときは叶が叩き起こして学校まで引っ張って連れて行ってくれたおかげで
遅刻や欠席をしたことはない。
でも、、、、今日はまじで行きたくねぇ、、、、
そうこうしているうちに10分も経ってしまっていることに気付く。
昨日の出来事に加え、遅刻をするのはさすがにまずいと思い身体を強制的に動かして待ち合わせ場所に急ぐ。
幸いにも待ち合わせ場所から自宅は近く、待ち合わせ時間に余裕をもって着きそうだ。
曲がり角を曲がり、待ち合わせ場所が見える距離まで着く。
「あ、、、叶もう着いてるじゃん、、、」
ふと待ち合わせ場所を見ると叶の姿が見える。
いつも通りのことだが昨日のことがあった以上、なんとなく今日は叶よりも
早く着いておくべきだと思っていた。
「まじか、、、先に着いて叶のこと待っとくつもりだったんだけどな…
…どんな顔して行けばいいんだろ、、、」
柄にもなく曲がり角で1人もんもんと考えていると、
『あれ?葛葉?』
どうやら叶の見える位置にいてしまっていたらしく声をかけられてしまう。
突然の出来事にとまどってしまい、
「あ゙…お、おう」
と間抜けな声が出てしまう。
叶は少し驚いたような顔をしながら口を開く。
『葛葉。昨日は、、、ごめんね』
まさか叶に謝られるとは思っておらず想定外な出来事に驚いてしまう。
「な、なんで叶が謝んだよ。謝んのは俺の方だし、、、」
『そ…?僕がなんか葛葉の癪に触るようなこと言っちゃったかなって』
「いや、こっちの勝手な都合。変な態度とってごめん。」
『んーん。葛葉にも理由があったんだろうし、あんなことくらい気にしてないよ』
「そっか、、、ありがとな」
幼稚園からの仲とは思えないくらいぎこちない会話をしながら通学路を歩く。
今までにも何度か叶と喧嘩をしたことはあったが俺が一方的に変な態度をとって
叶を困らせてしまうのはこれが初めてだ。
「……」
『……』
沈黙が続く。
さすがに気まずくなり、なにか話を振ろうとしていたそのとき_
『ふはっ!!!wwなにこの沈黙!ww初対面じゃないんだからwww』
と突然叶が吹き出す。
まったく同じことを考えていたことがなんだかむず痒くてつられて俺も笑ってしまう。
『ふはっwwwもう、とにかく!今日からまたいつも通り話そ?』
と叶に優しく微笑まれる。
胸が高鳴る。
叶のことを愛おしく思ってしまっている自分がいる。
前から叶に感じる気持ちがが他の奴とは違う”特別な感情”だということは分かっていた。
もちろん、この感情がなにかも知っている。
でも認めてしまったら、、、、
きっと、、、もう叶といつも通り接することはできない。
だから隠そうって。
ずっとそう思ってきた。
しかし、昨日の出来事で改めて思い知らされてしまった。
俺は叶が好きだって。
隠したい心とは裏腹になぜか俺は叶にこの気持ちを伝えたがってしまっている。
叶とどうにかなりたいわけじゃない。
願わくばボロボロに振られて砕け散ってこの感情を消してしまいたい。
そして正真正銘”友達”として関わっていきたい。
でもそんな自分勝手な願い、叶うわけない。
だからきっと、この気持ちは隠さないといけないんだ。
叶とこれからも友達でいるために。
隣で歩いている叶がふと時計をみる。
だいぶゆっくり歩いているが時間は大丈夫なんだろかと今更気付く。
『えっ!?時間やばっ遅刻する!!』
「え゙まじか」
『走るよ葛葉!』
と急に手を握られ引っ張られる。
体力のない俺を気遣って俺の手を握りながら走ってくれる叶。
その優しさに一瞬ドキッとしてしまった感情を心の奥底に封印する。
これまでもこれからもこいつとは絶対に友達。
…でも叶に好きな子ができるまででいい。
それまででいいからこの感情を持つことを許してほしい。
「好きになってごめん」
と無意識に呟いてしまう。
『ん、なんか言った?葛葉』
と首をかしげる叶。
幸い叶にはよく聞こえていなかったらしい。
「いや、独り言!」
そう言って叶を置いて走り出す。
『ちょっ!ひどくない!?葛葉気遣って引っ張って走ってあげてたのに!!』
「ははっうっせーよ!学校まで競争な!」
『え、ちょ葛葉!!待ってよ!!』
帰宅部で普段ゲームばっかりしてるせいですぐに足が痛くなるが叶と馬鹿なことをしながら
笑えているこの時間が楽しい。
この時間が一生続けばいいのに。
俺は心からそう思った。
みとめたくない恋 #3 fin.
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