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#ラブコメ要素あり
澪
85
澪
200
#自滅
澪
27
澪
54
まさに柱を降りようとしたその背中に向け、久太郎がふと思い出したように声をかける。
「あ、サユリちゃん待って!」
サユリはクルッと振り返る。
「?どうしたの久太郎ちゃん」
「サユリちゃん結構背ぇ高いんだね ほら」
久太郎はヒョイとサユリに一歩近づき、自分の額とサユリの頭の位置を片手で測るように目線を合わせる。
「あまり変わらない 170いってる?」
サユリは少し気恥ずかしそうに目を泳がせる。
「一応167だけど…この前の健康診断の時点では…」
久太郎は自分の身長と見比べ、納得したように頷く。
「ヒール履いてるからかな あんまり俺と変わらないねぇ」
「そうだね 170は超えてるかも」
他愛のない会話を交わしながら、 久太郎は、手渡されたばかりのエメラルドグリーンのカーディガンを自分の体から再び脱ぐと、サユリの華奢な肩へと優しく掛け、首元でキュッと器用に結んだ。
サユリは驚いて両手を添える。
「えっ 久太郎ちゃん寒いでしょ…?」
脱ごうとしたサユリの手を制するように、久太郎は片手を腰に当てて胸を張る。
「サユリちゃんの方が肩出てて寒そう!…よし、バーまで競走!」
宣言するが早いか、久太郎は昨日と同じようにひらりと身を翻し、身軽に柱をスルスルと滑り降りていった。
残されたサユリは、ぽかんと口を開けたまましばらく下の様子を見下ろしていた。
胸元に結ばれたカーディガンの袖は、綺麗で可愛らしいリボン結びに仕立てられていた。
冷たい朝の風が吹き抜ける中、サユリの唇の端がゆっくりと、隠しきれない幸福の色を帯びて緩んでいく。
彼女は愛おしそうに結び目にそっと指を触れると、鮮やかなエメラルドグリーンのカーディガンをまるで優雅なマントのように風になびかせ、恋い焦がれる背中を追うように駆け出した。
「久太郎ちゃん待って〜!」
コメント
1件
うわあ、このエピソード、久太郎くんのさりげない優しさがたまらなかったです!身長の話から自然にカーディガンを掛けて、しかもリボン結びまでしてくれるなんて…。サユリの「隠しきれない幸福の色」っていう描写にすごくグッときました。エメラルドグリーンのカーディガンがマントみたいに風になびくラスト、胸が温かくなりましたよ〜🍀